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【グラズノフのピアノ曲】民族主義と国際主義を融合した革命児による名作

1865年にロシア帝国サンクトペテルブルクに生まれ、作曲家、音楽教師、指揮者として活躍したロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフさん。

彼は、革命後のロシアにおいて民族主義と国際主義を融合させた重要人物として知られており、19世紀後半のロシアで注目されたバラキレフら「ロシア5人組」も目をかけるほどの才能の持ち主であったといわれています。

本記事ではそんなグラズノフさんの作品のなかから、ピアノのために書かれた作品をピックアップ!

作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介します。

【グラズノフのピアノ曲】民族主義と国際主義を融合した革命児による名作(1〜10)

牧歌 Op.103Aleksandr Glazunov

Alexander Glazunov – Idylle, Op. 103 [with score]
牧歌 Op.103Aleksandr Glazunov

19世紀後半のロシアで活躍した作曲家アレクサンドル・グラズノフさん。

彼の晩年の1926年に書かれたピアノ曲『牧歌 Op.103』は、優美なメロディと洗練されたハーモニーが印象的な作品です。

嬰へ長調で書かれたこの曲は、穏やかな田園風景を思わせる叙情性にあふれ、聴く人の心を癒やしてくれます。

特に美しい旋律を奏でる中間部は必聴。

繊細な音色とゆったりとしたテンポで奏でれば、きっと心が洗われるような気持ちになることでしょう。

ロマン派音楽の美しさを味わいたい方にぜひオススメしたい1曲です。

ピアノソナタ 第2番 ホ短調 Op.75Aleksandr Glazunov

グラズノフ,ピアノソナタ第2番全楽章,2009コンペティション特級銀賞
ピアノソナタ 第2番 ホ短調 Op.75Aleksandr Glazunov

19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフさん。

彼のピアノ作品『ピアノソナタ第2番 ホ短調』は、情熱的な第1楽章に始まり、超絶技巧を要するスケルツォ、そして力強い終楽章まで、彼の作曲技術の粋が詰まった名作です。

民族色豊かなロシアの旋律とロマン派の華やかさが融合した、聴く者を飽きさせない本作は、ピアノ経験者なら一度は弾いてみたい作品ですが、難易度は非常に高め。

まずは名演奏家の音源で、グラズノフの音楽世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

ピアノソナタ 第1番 変ロ短調 Op.74Aleksandr Glazunov

アレクサンドル・グラズノフさんは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家です。

ロシア五人組の一員であったバラキレフに才能を見いだされ、リムスキー=コルサコフに師事するなど、幼少期から音楽家としての素質を発揮しました。

『ピアノソナタ 第1番 変ロ短調 Op.74』は、グラズノフさんの友人であり恩師の妻にささげられた大作。

3楽章を通して作曲家の深い感情が表現されていますが、感情の爆発は巧みに抑制され、洗練された美しい旋律が織りなす世界を堪能できます。

高度な演奏技術を要する作品ですが、情感豊かな音楽に触れたいピアニストの方にオススメしたい1曲です。

【グラズノフのピアノ曲】民族主義と国際主義を融合した革命児による名作(11〜20)

3つの練習曲 Op.31 第1番 ハ長調Aleksandr Glazunov

アレクサンドル・グラズノフさんは1865年にサンクトペテルブルクに生まれ、ロシア五人組のバラキレフに才能を見いだされた作曲家です。

ロシア国内外で高い評価を得ており、1905年からはサンクトペテルブルク音楽院の院長を務め、ショスタコーヴィチなど多くの後進を育てました。

『3つの練習曲 Op.31』は、技術的な難易度の高さと音楽的表現の深さが特徴。

第1番は明るく力強いキャラクターで、スケールやアルペジオの練習、ダイナミクスの変化など、ピアノの演奏技術の向上を目的としています。

ピアノの基礎力を高めたい方は、クラシカルな調和と技術的な挑戦が融合した、演奏者の技術力と表現力が試される本作に挑戦してみてはいかがでしょうか。

2つの即興曲 Op.54 第1番 変ニ長調Aleksandr Glazunov

19世紀末のロシア音楽界をけん引した作曲家の一人、アレクサンドル・グラズノフさん。

彼のピアノ作品『2つの即興曲 Op.54』の第1番は、自由な即興的スタイルのなかにも洗練された美しさが感じられる名曲です。

華やかでいて親しみやすい旋律は、聴く人の心を強くひきつけてやみません。

ロマン派の伝統を受け継ぎつつ、ロシアの民族性もさりげなく織り交ぜた彼独自の音楽性が存分に発揮された1曲。

初級〜中級レベルのピアニストにオススメしたい作品です。

2つの小品 Op.22 第1曲「舟歌」Aleksandr Glazunov

Alexander Glazunov : Two pieces for solo piano Op. 22 (1889)
2つの小品 Op.22 第1曲「舟歌」Aleksandr Glazunov

アレクサンドル・グラズノフさんは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したロシアの作曲家。

師事したリムスキー=コルサコフの薫陶を受けつつ、ロシアの民族主義と西洋の作曲技法を融合させた独自の音楽スタイルを築き上げました。

彼の『2つの小品』の第1曲『舟歌』は、穏やかな水面を漕ぎ進む舟のゆったりとした動きを思わせる叙情的な旋律が印象的。

心地よい揺れに身を任せ、もの思いにふけるような哀愁のある雰囲気に満ちた佳曲です。

ロシア音楽の豊かな情感と繊細な音の響きに浸りたい方にオススメの1曲といえるでしょう。

幻想曲 Op.104Aleksandr Glazunov

Alexander Glazunov – FANTASY FOR 2 PIANOS – OP. 104
幻想曲 Op.104Aleksandr Glazunov

ロシア後期ロマン派を代表する作曲家アレクサンドル・グラズノフさん。

彼は幼少期から音楽の才能を発揮し、チャイコフスキーやリムスキー=コルサコフに師事しました。

1920年に作曲された『幻想曲 Op.104』は2台ピアノのための作品で、全3楽章から成ります。

技巧的にも表現的にも高度な演奏が求められますが、美しい旋律と豊かな感情表現が魅力的な作品です。

特に中間部は躍動感にあふれ、聴き手を楽曲世界へと誘います。

クラシック音楽になじみのない方にもぜひ聴いていただきたい1曲です。