【グラズノフのピアノ曲】民族主義と国際主義を融合した革命児による名作
1865年にロシア帝国サンクトペテルブルクに生まれ、作曲家、音楽教師、指揮者として活躍したロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフさん。
彼は、革命後のロシアにおいて民族主義と国際主義を融合させた重要人物として知られており、19世紀後半のロシアで注目されたバラキレフら「ロシア5人組」も目をかけるほどの才能の持ち主であったといわれています。
本記事ではそんなグラズノフさんの作品のなかから、ピアノのために書かれた作品をピックアップ!
作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介します。
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【グラズノフのピアノ曲】民族主義と国際主義を融合した革命児による名作
ピアノ協奏曲 第1番 ヘ短調 Op.92Aleksandr Glazunov

ロシア帝国末期の革命児にして、民族主義と国際主義を融合した作曲家アレクサンドル・グラズノフさん。
彼の代表作である『ピアノ協奏曲 第1番 ヘ短調 Op.92』は、1911年に作曲された2つの楽章からなる作品です。
第1楽章『アレグロモデラート』に続き、第2楽章はテーマと9つの変奏で構成される変奏形式。
変奏曲はさまざまな速度と表情で展開され、最終的には華やかなフィナーレを迎えますが、バレエ音楽を思わせるリズムが全体を貫いているのが特徴的です。
洗練された技巧とロマンティックな表現が見事に融合した、グラズノフならではの魅力が堪能できる1曲といえるでしょう。
ピアノ協奏曲 第2番 ロ長調 Op.100Aleksandr Glazunov

アレクサンドル・グラズノフさんは、ラフマニノフやチャイコフスキーの影響を受けながらも独自のスタイルを確立した20世紀ロシアの作曲家です。
彼の代表作である『ピアノ協奏曲 第2番 ロ長調 Op.100』は、冒頭の主題が作品全体を貫き、豊かな変奏を繰り広げながら壮大なクライマックスへと導かれていく、ロマンティックで詩情あふれる作品。
ピアノとオーケストラの絡み合いが絶妙で、聴き手を別世界へといざなってくれます。
クラシック音楽ファンはもちろん、心に響く美しい音楽を求めるすべての人にオススメしたい名曲です。
演奏会用大ワルツ Op.41Aleksandr Glazunov

19世紀後半のロシアで活躍したアレクサンドル・グラズノフさんは、民族主義と国際主義を融合させた作曲スタイルで知られています。
才能を見いだされリムスキー=コルサコフに師事し、若くして才能を発揮した彼は、特に交響曲やバレエ音楽で高い評価を得ました。
代表作のひとつ、ピアノのための『演奏会用大ワルツ』は、華やかで情熱的なワルツをベースに繊細で詩的な美しさをたたえた作品。
ロマンティックな情緒と豊かな表現力が魅力の1曲です。
技術とともに感情の機微を表現できるピアニストにオススメしたい、挑戦しがいのあるレパートリーといえるでしょう。
ピアノソナタ 第2番 ホ短調 Op.75Aleksandr Glazunov

19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家、アレクサンドル・グラズノフさん。
彼のピアノ作品『ピアノソナタ第2番 ホ短調』は、情熱的な第1楽章に始まり、超絶技巧を要するスケルツォ、そして力強い終楽章まで、彼の作曲技術の粋が詰まった名作です。
民族色豊かなロシアの旋律とロマン派の華やかさが融合した、聴く者を飽きさせない本作は、ピアノ経験者なら一度は弾いてみたい作品ですが、難易度は非常に高め。
まずは名演奏家の音源で、グラズノフの音楽世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
ピアノソナタ 第1番 変ロ短調 Op.74Aleksandr Glazunov

アレクサンドル・グラズノフさんは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家です。
ロシア五人組の一員であったバラキレフに才能を見いだされ、リムスキー=コルサコフに師事するなど、幼少期から音楽家としての素質を発揮しました。
『ピアノソナタ 第1番 変ロ短調 Op.74』は、グラズノフさんの友人であり恩師の妻にささげられた大作。
3楽章を通して作曲家の深い感情が表現されていますが、感情の爆発は巧みに抑制され、洗練された美しい旋律が織りなす世界を堪能できます。
高度な演奏技術を要する作品ですが、情感豊かな音楽に触れたいピアニストの方にオススメしたい1曲です。