鮮やかな色彩とダイナミックな構図で時代を映し出した昭和のポスター。
商品広告から映画、鉄道まで、それぞれに当時の人々の暮らしや思いが詰まっています。
デザイナーたちが紡ぎ出した斬新な表現は、現代のデザインにも大きな影響を与え続けているんです。
芸術性と実用性が見事に調和した昭和のポスターの世界へ、タイムスリップしながら魅力を探っていきましょう。
昭和ポスターの世界。デザインに見る時代の息吹と魅力(1〜5)
オロナイン軟膏
昭和のオロナイン軟膏のポスターに登場した浪花千栄子さんは、「家中みんなで」の文字とともに、安心と信頼の象徴として親しまれました。
エプロン姿でほほ笑む姿が印象的で、家庭のぬくもりと常備薬の大切さや役割を伝えています。
落ち着いた語り口と親しみやすい表情が製品イメージと重なり、多くの人々に安心と共感を届けました。
また、この浪花千栄子さんの本名は「南口キクノ」といい、「軟膏効くの」との掛け合わせが面白いと人気を博したそうです。
オロナミンCドリンク
昭和40年代に登場した大村崑さんのオロナミンCのポスターは、「元気ハツラツ!」というキャッチコピーとともに、活用と親しみを強く印象付ける広告でした。
白いシャツに丸眼鏡姿の大村崑さんが、笑顔で瓶を傾ける姿はインパクト抜群で、見る人に元気を届ける印象的なビジュアルです。
明るい背景色とシンプルな構図により、商品の魅力とメッセージがストレートに伝わりますね。
昭和の家庭に元気と笑いを届けた、時代を象徴するポスターの1つです。
キリンビール
昭和の「キリンビール」のポスターは、それまでにない大胆でモダンな表現が魅力です。
洋装や断髪、水着姿の女性など、新しい時代の女性像を取り入れ、ビールの印象をより洗練されたものへと変化させました。
また、ポスターにはビールがさまざまな場面で楽しめる存在として描かれ、日常に自然に溶け込む様子が伝わってきます。
時代の変化とともに、ビールが広く親しまれていたことを感じさせる一枚です。
ポスターを通して、時代の価値観や暮らしの変化が伝わる魅力あるビジュアルです。
ボラギノール
昭和の「ボラギノール」のポスターに描かれたコートと帽子姿の男性は、当時の都会的で洗練されたイメージを象徴しています。
控えめながら凛としており、どこか落ち着いた大人の雰囲気を感じさせますね。
忙しい日常の中でも健康に気を遣う大切さが優しく表現され、親しみやすさが伝わってきます。
柔らかな色使いと穏やかなデザイン、「用法簡便」と書かれた文字が「痔」に対する不安を和らげる安心感を生み出し、薬を手に取る人にそっと寄り添う、温かいメッセージが込められている広告です。
三ツ矢サイダー
子供から大人まで多くの人に愛され続けている三ツ矢サイダー。
こちらのポスターでは1950年代から1960年代にかけて活躍した女優、芦川いづみさんがモデルを務めており、透明感のある肌と印象的な笑顔が三ツ矢サイダーの爽やかなイメージと上手くマッチして、商品の魅力を効果的に伝えています。
特にグラスに注がれたサイダーの泡の描写や、瓶のデザインなどが商品の清涼感を美しく表現していますね。
どこか懐かしさのあるこの昭和レトロな雰囲気が、見ている人に温かさや親しみやすさを感じさせてくれる魅力いっぱいのポスターです。