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【高齢者向け】2月の俳句。冬から春への情景を詠む名句集

【高齢者向け】2月の俳句。冬から春への情景を詠む名句集
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まだまだ寒さが残る2月ですが、梅の花がほころび始めたり、鳥のさえずりが聞こえたりと、春の気配を少しずつ感じられる季節でもありますよね。

そんな2月の情景を詠んだ句を味わってみましょう。

高齢者の方にとって俳句は、季節の移ろいを五感で味わい、昔の記憶をたどるきっかけにもなります。

身を切るような冷たい風、雪解けの景色、ふくらみ始めた花のつぼみ。

こちらで紹介した名句を参考に、この時期だからこそ詠める一句を詠んでみましょう。

日常の中にある小さな発見を言葉にする楽しさを感じていただけますと幸いです。

【高齢者向け】2月の俳句。冬から春への情景を詠む名句集(1〜10)

流氷や 宗谷の門波 荒れやまず山口誓子

流氷や 宗谷の門波 荒れやまず山口誓子

幼少期を樺太で過ごした山口誓子が、幼少期を思い出しながら詠んだ句です。

こちらの句の季語は「流氷」、海に浮かんで漂流している氷のことで、一見冬の季語のように思われるかもしれませんね。

しかし、流氷が流れてやってくるのは凍った海水が少しずつ溶け出す、春。

つまり寒い地域の春の訪れを表しているのです。

そして「宗谷」とは北海道の北にある宗谷海峡のこと。

宗谷海峡に立つ波の激しさと、漂う流氷。

春の気配が近づいてはいるけれど、まだまだ寒さが厳しい2月。

厳寒の厳しさと収まる気配のない荒波を見事に表現しています。

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    梅が香に 追ひもどさるる 寒さかな松尾芭蕉

    梅が香に 追ひもどさるる 寒さかな松尾芭蕉

    春の季語として有名な「梅」ですが、こちらの句では「梅が香」が季語です。

    梅が香とは文字通り、梅の花の香りを意味しています。

    梅は春を告げる花ですが、寒い時期から暖かくなる時期にかけて咲き始める早春の花。

    そんな梅の花が咲いたからといって、すぐに春になるわけではありません。

    春の気配を感じながらもまだまだ続く冬の寒さに、思わず足が止まってしまい立ちすくんでしまう様子が読み取れ、季節の移り変わっていく様子が伝わってきますね。

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      いつしかに 失せゆく針の 供養かな松本たかし

      いつしかに 失せゆく針の 供養かな松本たかし

      針供養とは2月8日におこなわれ、傷んだり折れて使えなくなった針に感謝の気持ちを込めて供養する行事のこと。

      着物を仕立てる針仕事が貴重な稼業だった時代、針は仕事に必要不可欠な大切な存在でした。

      そんな針を労い、豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに刺して寺社に納められました。

      今までたくさん働いてくれた針たちに、最後は柔らかい場所で休んでほしいという思いが込められていたようです。

      たくさんの針とともに、針仕事に懸命に取り組む女性の姿を想起するこちらの句は、そんな女性たちと針の働きと労力を称えているようですね。

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        梅のさく 門は茶屋なり よきやすみ正岡子規

        梅のさく 門は茶屋なり よきやすみ正岡子規

        梅の花は他の花とくらべて早春に咲く花として知られています。

        俳句の世界でも、梅は春の季語として度々使用されますよね。

        そんな梅の花と茶店を詠んだ正岡子規の句からは、梅が咲く茶店で一休みをしたときに感じた気持ちが詠みとれます。

        休憩を兼ねてふらっと入った茶店、近くには美しい梅が咲いていて、とても良い気分になった……。

        寒さが残る2月に、気品ある清楚で鮮やかな花を咲かせる梅の花は、人々の心をそっと優しく温めてくれているようです。

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          鶯や 前山いよよ 雨の中水原秋櫻子

          鶯や 前山いよよ 雨の中水原秋櫻子

          鶯は春を告げる鳥として、古くから人々に親しまれてきました。

          また、俳句の世界でも鶯は多くの俳人に愛されてきた春の季語です。

          こちらの句は、春の雨の中でだんだんと見えなくなってゆく山を眺めながら、水原秋櫻子が詠んだものです。

          「いよよ」とは、いよいよや一層といった物事が最終段階に至ったことを表す言葉です。

          どこまでも広がる山や雨を降らせる空、大自然の中でどこからか鶯の鳴き声がする。

          春の訪れはもうすぐそこまでやってきている。

          鶯の鳴き声に作者が気付かされた春の気配が読み取れますね。

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            赤い椿 白い椿と 落ちにけり河東碧梧桐

            赤い椿 白い椿と 落ちにけり河東碧梧桐

            椿は冬から春にかけて咲く花であることから「春を告げる花」と言われています。

            また、俳句の世界でも椿は春を表す季語として使用されてきました。

            こちらの句はそれぞれの木に咲き誇っていた赤色の椿と白色の椿の花が、次々に木から落ちてしまった様子を表現しています。

            赤と白の花びらの色と、中央の黄色い花蕊との色のコントラストが目に浮かんでくるようですね。

            まだまだ寒い日が続く2月は風も冷たく、咲いている花が少ない時期。

            早春に咲いた椿が、落ちていく様子に寂しさも感じますが、春がすぐそこまで来ていると嬉しい気持ちにもなりますね。

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              はるかなる 地上を駆けぬ 猫の恋石田波郷

              はるかなる 地上を駆けぬ 猫の恋石田波郷

              こちらの句の季語は「猫の恋」、春を表す季語のひとつです。

              猫は冬から春にかけて交尾の時期を迎え、発情期の甘えた声や泣き叫ぶような声をあげることから猫の恋は春の季語として使用されるようになりました。

              「はるかなる」とは、距離や時間が長いことや離れている様子を指します。

              どこからか遠くの方から猫の声がする、発情期を迎えた猫たちだろうか。

              地上を駆けるように響く猫たちの声に、暖かい春の訪れはもう近いという様子が感じとれますね。

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