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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介

【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介
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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介

俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。

寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。

特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。

今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。

目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。

面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?

【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(1〜10)

斧入れて 香におどろくや 冬木立NEW!与謝蕪村

斧入れて 香におどろくや 冬木立NEW!与謝蕪村

1716年に生まれた与謝蕪村の詠んだ句がこちら。

冬というといろいろなものが眠っていると思われがちですが、斧を入れるととても良い木の香りがたって、生命の力に驚いたり、春に向けての準備や息吹なども感じられる句です。

モノトーンの冬木立に斧を入れるととてもカラフルな香りが中に閉じ込められていたという、この対比もとてもすばらしく、短い句の中にさまざまなエッセンスが含まれているところにハッとしますよね。

ぜひほかの句もみてみてください。

暮まだき 星の輝く 枯野かなNEW!与謝蕪村

暮まだき 星の輝く 枯野かなNEW!与謝蕪村

江戸時代中期の俳人である与謝蕪村は大阪に生まれ、江戸に出たのち、最終的には京都に定住しました。

絵画を描く人としても知られており、そのためか景色の描写がとても美しい絵画的な俳句を詠まれるのかもしれません。

暮れまだきとは、暮れるにはまだ少し間のある時分のことを指します。

暮れゆく空に少しずつ星が現れ始め、その下には枯野が広がっているという情景は美しく、枯野と星の対比や、そのころの空気感まで感じられる俳句ですよね。

水仙や 寒き都の ここかしこNEW!与謝蕪村

水仙や 寒き都の ここかしこNEW!与謝蕪村

寒さを感じる京都で、冬から春にかけて咲く水仙の花の景色が広がっている俳句です。

水仙は早いもので現在の11月頃から咲くものもありますが、多くは1月から2月頃に咲く冬を代表する花です。

この俳句を詠んだ与謝蕪村は冬の、京都の生活の中で咲いている水仙から季節を感じとっていたのでしょう。

高齢者の方と俳句を作る際にも、季節の花や食べ物を題材にして詠んでみてくださいね。

季節のものが題材のものなら、高齢者の方も季節の雰囲気を感じられますよ。

咳の子の なぞなぞあそび きりもなやNEW!中村汀女

咳の子の なぞなぞあそび きりもなやNEW!中村汀女

高浜虚子にの弟子であり1900年に生まれた女性の俳人である中村汀女の句がこちらです。

咳をして、風邪で臥せっている子供が暇を持て余し、なぞなぞ遊びをきりなくつづけたがるようすがうたわれています。

家庭の日常の様子がイキイキと目に浮かぶようにうたわれていますよね。

せきやくしゃみが冬の季語として使われいる点もおもしろいです。

日常をよむ俳句はさげすまされていた時代でしたが、それでも汀女はその姿勢を貫き通しました。

火のけなき 家つんとして 冬椿NEW!小林一茶

火のけなき 家つんとして 冬椿NEW!小林一茶

こちらの句は小林一茶が詠んだものです。

彼の俳句は、人情味のあふれるものが多く、彼の温かい人柄が伝わってくるようです。

こちらの句は冬のさなか、暖をとる火もない家がひっそりと静まり返っている様子をうたっています。

その静まり返った家に、火の代わりといってはなんですが、赤い寒椿がさいている。

この家と椿の対比がとても美しいです。

そして彼が切り取った瞬間が現代で言うなら写真のように浮かび上がってくるさまもすてきですね。

人々を しぐれよやどは 寒くともNEW!松尾芭蕉

人々を しぐれよやどは 寒くともNEW!松尾芭蕉

江戸時代初期に伊賀に生まれた松尾芭蕉が詠んだ句で、伊賀上野の配力亭に集まった俳句を詠む人たちの会で、寒くなってもよいのでここで時雨がふったらより情緒のある会になるだろうなという句といわれています。

ともに俳句を磨きあえる仲間との泊まり込みの会で風雅を楽しみたいという芭蕉の粋と俳句への情熱、そしてその場の空気感も感じられておもむきが深い俳句といえるのではないでしょうか。

志を同じくした仲間の会は楽しかったでしょうね。

日のあたる 石にさはれば つめたさよNEW!正岡子規

日のあたる 石にさはれば つめたさよNEW!正岡子規

1867年、愛媛県の松山市に生まれた正岡子規が詠んだ句で、冬の日、太陽にあたっているからあたたかいだろうと思ってさわった石が予想外に冷たかった、という内容です。

その予想外の冷たさに冬の寒さと、期待を裏切るものへの驚きの両方が感じられておもむきの深い俳句といえます。

このように自然の厳しさを詠んだ俳句を目にすると、若くして肺結核が原因で亡くなった彼の体や気持ちの上のつらさをついつい連想してしまいますね。

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