【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介
俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。
寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。
特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。
今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。
目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。
面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?
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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(21〜30)
梅のさく 門は茶屋なり よきやすみNEW!正岡子規
梅の花は他の花とくらべて早春に咲く花として知られています。
俳句の世界でも、梅は春の季語として度々使用されますよね。
そんな梅の花と茶店を詠んだ正岡子規の句からは、梅が咲く茶店で一休みをしたときに感じた気持ちが詠みとれます。
休憩を兼ねてふらっと入った茶店、近くには美しい梅が咲いていて、とても良い気分になった……。
寒さが残る2月に、気品ある清楚で鮮やかな花を咲かせる梅の花は、人々の心をそっと優しく温めてくれているようです。
白梅に 魂入りし 月夜哉NEW!正岡子規
魂入りとは、仏壇などに安置する位牌に魂を入れる儀式のこと……開眼供養と言います。
この句では位牌でなく季語となる白梅に魂が入って、月夜にその美しさを際立たせている様子が浮かびますね。
あくまで魂が入ったように美しい……という意味ですが、見た時の感動がストレートに伝わってきます。
白梅は春の訪れを告げる花として知られており、見頃は二月〜三月ごろです。
梅の花には主に紅梅と白梅の二種類がありますが、どちらの木であるかは切って断面を見れば色に違いがあるので分かるそうですよ。
鶯や 朝寝を起こす 人もなしNEW!正岡子規
春を代表する鳥「鶯」が季語として使われた、正岡子規の作品です。
朝起こす人がおらず、鶯の声で目が覚めたという内容ですね。
朝は目覚まし時計の音で起きたり、お母さんの「起きなさい!」という声で起きたりする事が多いと思います。
そんな日常から少し離れた鶯で目が覚める朝……ゆったりとした空気を感じる、なんだか贅沢な目覚めのような気がしますね。
鶯の鳴き声といえば「ホーホケキョ」ですが、春にはまだ練習段階の鳴き声も聞こえます。
少しずつ上達する鳴き声に耳を傾けるのも、春の楽しみですね。
鶯や 前山いよよ 雨の中NEW!水原秋櫻子
鶯は春を告げる鳥として、古くから人々に親しまれてきました。
また、俳句の世界でも鶯は多くの俳人に愛されてきた春の季語です。
こちらの句は、春の雨の中でだんだんと見えなくなってゆく山を眺めながら、水原秋櫻子が詠んだものです。
「いよよ」とは、いよいよや一層といった物事が最終段階に至ったことを表す言葉です。
どこまでも広がる山や雨を降らせる空、大自然の中でどこからか鶯の鳴き声がする。
春の訪れはもうすぐそこまでやってきている。
鶯の鳴き声に作者が気付かされた春の気配が読み取れますね。
赤い椿 白い椿と 落ちにけりNEW!河東碧梧桐
椿は冬から春にかけて咲く花であることから「春を告げる花」と言われています。
また、俳句の世界でも椿は春を表す季語として使用されてきました。
こちらの句はそれぞれの木に咲き誇っていた赤色の椿と白色の椿の花が、次々に木から落ちてしまった様子を表現しています。
赤と白の花びらの色と、中央の黄色い花蕊との色のコントラストが目に浮かんでくるようですね。
まだまだ寒い日が続く2月は風も冷たく、咲いている花が少ない時期。
早春に咲いた椿が、落ちていく様子に寂しさも感じますが、春がすぐそこまで来ていると嬉しい気持ちにもなりますね。
はるかなる 地上を駆けぬ 猫の恋NEW!石田波郷
こちらの句の季語は「猫の恋」、春を表す季語のひとつです。
猫は冬から春にかけて交尾の時期を迎え、発情期の甘えた声や泣き叫ぶような声をあげることから猫の恋は春の季語として使用されるようになりました。
「はるかなる」とは、距離や時間が長いことや離れている様子を指します。
どこからか遠くの方から猫の声がする、発情期を迎えた猫たちだろうか。
地上を駆けるように響く猫たちの声に、暖かい春の訪れはもう近いという様子が感じとれますね。
いたづらに 古りゆく身かな 針供養NEW!高橋淡路女
針供養とは、折れたり古くなってしまった針を集めて供養すること。
今まで活躍してくれた針に感謝の気持ちを込めておこないます。
そのほか、裁縫の上達や針仕事が無事にできることも祈願するそうですよ。
針供養は毎年2月8日に開催されるため、俳句の世界では2月の季語として知られていますね。
「いたづらに」はむなしくや無駄に、「古りゆく」とは古くなってゆくと言う意味です。
高橋淡路女のこの句は、針仕事でむなしくも古くなり折れてしまった針たちに、感謝の意を込めて針供養をおこなう様子を詠んでいます。



