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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介

俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。

寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。

特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。

今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。

目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。

面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?

【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(21〜30)

雪と雪 今宵師走の 名月か松尾芭蕉

雪と雪 今宵師走の 名月か松尾芭蕉

こちらは松尾芭蕉が、師走の夜空を眺めながら詠んだ一句です。

「雪と雪」とは、降り積もる雪と、雪に反射する光や景色の重なりを表していると考えられます。

「今宵師走の名月か」とあるように、師走の忙しい時期でも、夜空には静かで美しい満月が輝き、雪景色とともに幻想的な光景を作り出しているのが伝わってきますよね。

芭蕉は、この句を通して、年の暮れの慌ただしさの中でも自然の美しさや静けさに心を留める感覚を表しています。

12月初めに読めば、冬の訪れと月夜の静かな喜びを味わえますよ。

流氷や 宗谷の門波 荒れやまず山口誓子

流氷や 宗谷の門波 荒れやまず山口誓子

幼少期を樺太で過ごした山口誓子が、幼少期を思い出しながら詠んだ句です。

こちらの句の季語は「流氷」、海に浮かんで漂流している氷のことで、一見冬の季語のように思われるかもしれませんね。

しかし、流氷が流れてやってくるのは凍った海水が少しずつ溶け出す、春。

つまり寒い地域の春の訪れを表しているのです。

そして「宗谷」とは北海道の北にある宗谷海峡のこと。

宗谷海峡に立つ波の激しさと、漂う流氷。

春の気配が近づいてはいるけれど、まだまだ寒さが厳しい2月。

厳寒の厳しさと収まる気配のない荒波を見事に表現しています。

梅が香に 追ひもどさるる 寒さかな松尾芭蕉

梅が香に 追ひもどさるる 寒さかな松尾芭蕉

春の季語として有名な「梅」ですが、こちらの句では「梅が香」が季語です。

梅が香とは文字通り、梅の花の香りを意味しています。

梅は春を告げる花ですが、寒い時期から暖かくなる時期にかけて咲き始める早春の花。

そんな梅の花が咲いたからといって、すぐに春になるわけではありません。

春の気配を感じながらもまだまだ続く冬の寒さに、思わず足が止まってしまい立ちすくんでしまう様子が読み取れ、季節の移り変わっていく様子が伝わってきますね。

鶯や柳のうしろ藪の前松尾芭蕉

鶯や柳のうしろ藪の前松尾芭蕉

柳のうしろへ行ったり、藪の前に出たり、落ち着きのない鶯の姿が目に浮かぶような俳句ですね。

春告げ鳥とも呼ばれる鶯は、梅に鶯というように、春の情景の代表格として描かれることが多いです。

だからなんとなく優美な生き物……という印象があるのですが、実は意外に動き回る鳥なんですよね。

この俳句はそんな鶯のありのままを表現し、まるで目の前にいる鶯の様子を実況しているみたいでしょう。

想像すると、ふっと笑顔になる、ステキな作品です。

いつしかに 失せゆく針の 供養かな松本たかし

いつしかに 失せゆく針の 供養かな松本たかし

針供養とは2月8日におこなわれ、傷んだり折れて使えなくなった針に感謝の気持ちを込めて供養する行事のこと。

着物を仕立てる針仕事が貴重な稼業だった時代、針は仕事に必要不可欠な大切な存在でした。

そんな針を労い、豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに刺して寺社に納められました。

今までたくさん働いてくれた針たちに、最後は柔らかい場所で休んでほしいという思いが込められていたようです。

たくさんの針とともに、針仕事に懸命に取り組む女性の姿を想起するこちらの句は、そんな女性たちと針の働きと労力を称えているようですね。

鶯や 二月礼者に 疎からず松瀬青々

鶯や 二月礼者に 疎からず松瀬青々

新年のあいさつはお正月にするのが一般的ですが、昔はその時期に忙しい人々が遅れてあいさつ周りをおこなう、二月礼者という風習がありました。

この作品では鶯が現れる早春に、二月礼者がやって来る様子を描いていますよ。

最後の疎からずというのは、おろそかにしないという意味ですね。

遅れても丁寧にあいさつに来てくれた人たちを受け入れ、丁寧に接している様子が伝わってきます。

現代では廃れつつある風習ですが、昔はこのような風景も春らしさの1つだったのかもしれません。

梅のさく 門は茶屋なり よきやすみ正岡子規

梅のさく 門は茶屋なり よきやすみ正岡子規

梅の花は他の花とくらべて早春に咲く花として知られています。

俳句の世界でも、梅は春の季語として度々使用されますよね。

そんな梅の花と茶店を詠んだ正岡子規の句からは、梅が咲く茶店で一休みをしたときに感じた気持ちが詠みとれます。

休憩を兼ねてふらっと入った茶店、近くには美しい梅が咲いていて、とても良い気分になった……。

寒さが残る2月に、気品ある清楚で鮮やかな花を咲かせる梅の花は、人々の心をそっと優しく温めてくれているようです。