【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介
俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。
寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。
特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。
今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。
目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。
面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?
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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(1〜10)
遠山に 日の当たりたる 枯野かなNEW!高浜虚子
1874年生まれの高浜虚子が1900年に詠んだ句がこちらです。
彼は正岡子規の生徒でもありました。
広がる枯野の向こう、遠くの山に日があたっている光景をただ詠んでいるように見え、それも美しい景色ではありますが、日が当たった山と枯野の対比や、遠山が理想や希望、目標を指しているとしたら、それに至るまでの枯野を歩いている自分たち、などいろいろな想像がかきたてられる俳句ですね。
またその場に自分がたたずんでいるという臨場感も感じられます。
蕭条として 石に日の入る 枯れ野かなNEW!与謝蕪村
与謝蕪村が詠んだ句で、荒れ果てて草木も枯れた冬の野原が寂しく静かな様子を描いています。
枯れ野にある石に、冬の夕日が差し込んでいる光景ですが、その物寂しい雰囲気の中に、冬の終わりや静けさが読み込まれているのではないでしょうか。
蕭条という漢語がさびしさを増加させ、強調する役目を担っています。
冬の句はやはりわびさび感が強いものが多いですが、そんなさびしさのなかにうつくしさを見いだすのが日本人だなあという感じがしますね。
元日や 上々吉の 浅黄空NEW!小林一茶
ヒューマニズムあふれる俳人の小林一茶。
彼は一生の間に約22,000の句を詠んだといわれています。
すごいですね。
もうイメージがすべで句になってあらわれたのではないかと思えるほどの句の量です。
元日のこの上なくめでたい日、浅黄色の空が広がっているという意味の句で、浅黄色は青色に近い藍色を指します。
こんな明るい句を詠んだ一茶ですが、彼自体は波乱万丈の幸せとは言えない人生だったようで、そのことからも彼の精神の強さが伺い知れる句です。
【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(11〜20)
海に出て 木枯帰る ところなしNEW!山口誓子
山口誓子が終戦直前の1944年に詠んだ句がこちらです。
陸地を吹き荒れて寒さを運んだ木枯らしも、海にまで出てしまうと海上で消えてしまい、帰るところがなくなるだろうなといった意味の句です。
これには別の意味も含まれており、特攻隊の若者たちのことを海に突っ込んでいく木枯らしにたとえたともいわれています。
日本に帰ることができなくなった特攻隊員たちの悲しみをひそかに詠んでいたとすると考えさせられる内容ですね。
塩鯛の 歯ぐきも寒し 魚の店NEW!松尾芭蕉
奥の細道などでも知られる松尾芭蕉の詠んだ句がこちらです。
新鮮で釣れたてというわけではない、塩漬けにした鯛の歯が見るからに寒そうで、また海が荒れているからか、ほかの魚もそんなに並んではいない、寂しげな魚売りの店、その情景がすべて冬の寒さを描写しています。
冬の寒さを描写する方法はいくつもあると思うのですが、この情景に心打たれて、この情景を切り取ろうとする芭蕉の美的感覚や感受性がとても美しいくてかっこいいです。
家買つて 今年は 庭の雪見かなNEW!正岡子規
こちらの句は、体が弱く早くに亡くなった正岡子規が、家を買った年に詠んだ句です。
家を買うというと今でもマイホームの購入は憧れですが、この時代もきっとそうだったのでしょう。
自分の所有するに家から見る雪の風景はたまらないものだったに違いありません。
体調のすぐれない彼にとって、新しい家を買うということは前向きになれるひとつの要素だったのではないでしょうか。
そして家を買ってしまったという情報を俳句に入れるあたり、お茶目な人だったのかもしれませんね。
菊の香や 月夜ながらに 冬に入るNEW!正岡子規
正岡子規が詠んだこの句は、菊の香りがする月夜だが、もうよく考えてみたら冬に入っているんだな、という意味です。
実は3つの季語が使われている珍しい句で、月、菊は秋の季語で、秋のことを詠った内容なのに、最終的には冬のことを詠んでいます。
季重ねといわれる手法だそうですが、不自然に感じさせないテクニックはすばらしいです。
最終的には冬の句であることから、冬に入るが本当の主語といえるでしょう。
いやらしくなくテクニックを使うのはすてきですね。






