星野源の「恋」をボーカロイドでカバーしてみた
2017年のカラオケ人気ランキングが発表されました。
私の好きな星野源の「恋」が、DAM、JOYSOUNDともにぶっちぎりでトップという結果に喜びました。
楽しい曲、すてきな曲と楽しいダンスの振り付けと、近年の作品の中で楽しさを前面に押し出したプロモーションで、幅広い世代からの支持を得たのだと思います。
こういった楽曲が増えれば、音楽に親しむ人はもっと増えるんじゃないかなあと思います。
そんな訳で、自分も大好きなこの曲、ボーカロイドでカバーしてみようと思います。
- もはや人間の領域に!?ボーカロイドの新しい可能性
- VOCALOID 5で米津玄師の「ドーナツホール」をカバーしてみた
- 【カラオケ】ボカロをもっと楽しむ!歌いたい名曲・人気曲特集
- VOCALOID5を使って男声ボーカル曲の歌唱に挑戦してみた
- 演歌歌手のボーカロイド・CeVIOキャラクター「ハルオロイド・ミナミ」を使ってみた
- 【カラオケ】歌いやすいボカロバラードまとめ
- ボーカロイドのオケ制作から完成まで。クリスマスソング編
- 進化したVOCALOID5でオリジナル曲を作ってみた
- 【男女】ボカロのデュエット曲まとめ【カラオケにもオススメ】
- 【カラオケ】女性が歌いやすいボカロ曲特集!
- 【歌いやすい】カラオケでオススメなボカロ曲まとめ
- ボーカロイドでクリスマスソングに挑戦!メロディとコードの作成
- 【カラオケ】男性が歌いやすいボカロ曲特集【歌ってみた】
- 【初音ミク】カラオケで歌いたい!初音ミクの神曲特集
- 【カラオケ】声が低い人でも歌いやすいボカロ曲まとめ
修正のポイントなど
まず音符の長さについてですが、伸ばす部分と止める部分は歌のリズムの重要なポイントです。
ボーカロイドはベタ打ちでは、比較的スムーズな歌(全体的にスラー気味)になりますが、「恋」はテンポの速めな曲ですので緩急はしっかりつける必要があります。
しかし、こういったテンポが速く音符が密な歌は、ボーカロイドは苦手な分野でもあります。
単発の音でブツ切りにしてしまってもいいジャンルでない場合は、スラー気味がもたらすもうひとつの問題である「次の音に滑らかにつながろうとする」音の動きで、思うように音程がコントロールできない場合があります。
今回もこの問題にぶつかりましたが、これには解決策があります。
伸ばしの音符を1音ではなく末尾に短い長音記号の音符を置くことで、連続する同じ音の2音符にすると、後ろの音の長さと無関係に前の音符は音程を維持します。
これを利用することで細かい動きの中でも十分な音程キープが可能になりました。
図にあるふたつの丸の中に赤いラインで示されたピッチの動きが見えます。
左の丸は、次の音符に向かって赤い線が早い段階からカーブしているのに対して、右の丸では長音記号のある短い音符までの線はカーブしていません。
こういった微調整で、できるだけ音程の動きも近くなるように気を付けてみました。
ビブラートの調整については私は一切ピッチベンドを記入しません。
VOCALOID4 Editor for Cubaseから追加になったピッチレンダリング機能(上で表示した赤いピッチのライン)があるので、ビブラートが必要な音符には、音符のプロパティでビブラートの質を設定しています。
手書きピッチでももちろん同じことはできるとは思いますが、ピッチレンダリングが追加されたことでパラメーターによる入力でも出力結果が目視できるようになりました。
このためどのスピードならどれくらい揺れるのか?
という結果を確認しながら調整ができるため、作業性がよくなっています。
高い音程でファルセットボイスで歌っている部分がありますが、こういった裏声もボーカロイドは苦手です。
この辺りは複数のパラメーターを一度に動かす必要があり、かなり難解です。
言葉で言ってしまえばGEN(ジェンダーファクター)、BRI(ブライトネス)、OPN(オープニング)、XSY(クロスシンセシス)のパラメータを上げたり下げたりなのですが、使用するボーカロイドの種類によっても異なるので(キャラクターによって特性が違うため一概にこうです!!という方法がない)自分の使用するボーカロイドの特性に合わせた方法を検討してみてください。
ここではGENとDYNを大きく操作しています。
見えていませんが、実際にはこのほかにBRIとOPNも変化させています。
うまくいったか?
と言われると微妙ですが、雰囲気は近づけたかな……と思います。
完成した音源はこちら
まだ完璧とは言い難いですが、ボーカロイドIAで「恋」を歌わせられました。
好きな曲をコピーするのはとても楽しいですね。
ボーカロイドの編集が上手な方は、もっとうまく歌わせるられるかもしれませんし、ボーカロイドには、「ぼかりす」という人が歌ったボーカルデータからボーカロイドの歌唱データを作るツールなどもあります。
最初はベタ打ちの難しくないところから始めてみてもいいでしょう。
徐々にとコツをつかんでいろいろな曲を歌わせられるようになるときっと楽しいですよ。
ライタープロフィール
DTMer
みるくここあ
元IT技術者。
ウィンドシンセを使います。
VocaloidやCeVIOを使って曲を作ってみたり、ボーカルを迎えて曲を作ってみたりしています。
元々楽器の練習用にオケを作るだけだった半端なDTMerでしたがVocaloidに出会い、その変遷に付き合っていくうちに深みに嵌っていたただの音楽好きです。
Vocaloid 2 MegupoidとVocaloid 3 IA、そしてCeVIO Creative StudioのONEを使用しています。
ウェブサイト:http://milkcocoa.org
Twitter:milkcocoa_org