「果たして、初心者ベーシストにとってエフェクターは必要なのだろうか?」
これは、昔から良くあるクエスチョンのうちのひとつ。
これに対して、僕は「必ずしも必要ではないが、あればもっとベースが楽しくなる」と考えています。
ちなみに僕はベース歴6年ほど(曖昧)で、ライブ経験、レコーディング経験も何十回とある者です。
確かに、ベースを始めたばかりの初心者にとってエフェクターの使用は上達を妨げる原因となります。
正直、「男ならベース本体をアンプに直差し(直結)で精進していくべき」と言いたいところ。
でも、それって楽しいですかね?
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アン直(アンプ直結)は間違いなく上達する
もちろん、アン直で練習を続けていけばベースは格段にうまくくなります。
指先、ないしはピックで細かいニュアンスを表現できるようになり、同時にリズム感やビート感も養えます。
また、ベース本体とアンプのセッティングのみで音作りをすることで、音の帯域、他パートとの兼ね合いなどの関係も把握できます。
つまり、続けてさえいければベースはうまくなるということなんですね。
もはや、うまくくならないわけがありません。
ただ、1つ問題があります。
それは「ベースそのものに飽きてしまう可能性」です。
自分の粗が手に取るように分かってしまい、上達している感覚が長い間感じられないんですよね。
「上達が感じられない→ベースつまらない→練習しなくなる→下手になる→ベースそのものからフェードアウト」、こんな方程式ができ上がってしまうわけです。
ありのままの自分を受け入れ、険しい森の中をひたすら突き進んで行く。
それはまさに修羅の道。
自分の下手さに打ちひしがれてベースをやめてしまうぐらいなら、エフェクターでも購入してモチベーションを高めつつ練習を続けていった方が良いと思うのです。
ただ、1つ間違いなく言えることは「ベースの音作りの基本は本体とアンプ」。
エフェクターを買う前に、定価7~8万円以上、中古最低3万ぐらいの楽器を買うことをおすすめします。
エフェクター選びはそれからでも遅くありません。
中古品を購入する場合は楽器に詳しい人を連れて行きましょう。
中古は当たり外れが大きいですので。
さて、というわけで「初心者ベーシストにおすすめのエフェクター5つ」を紹介していきたいと思います。
ご参考程度にどうぞ。
1. 定番プリアンプ「SansAmp Bass Driver DI」
ベーシストならば誰しも一度は聞いたことがあるであろう、定番中の定番プリアンプ「SansAmp Bass Driver DI」。
通称「ベードラ」。
プリアンプとは
音色を調整するためのアンプ回路のこと。
「ベードラ」はアウトボートプリアンプというものに分類されます。
正確に申し上げますと、ベードラは「プリアンプ付きのD.I.」と呼ばれるものであって、エフェクターではありません。
ただ、気持ち良い音にしてくれる(音がカッコ良くなる)ので、歪み系のエフェクターとして使われることが多いんですね。
堅牢(けんろう)な作りのブラックボディに、特徴的なイエローデザイン。
幅広いジャンルに使用することができる、まさにベースプリアンプのエリート。
ツマミ6つ、スイッチ3つ、フットスイッチ1つを搭載しており、このエフェクターを通すだけでいわゆる「サンズの音」や「ドンシャリサウンド」が手に入ります。
プロのベーシストにも愛用者が多いことでも有名。
エフェクター選びで迷っている人はとりあえずこれを買っておけばOK。
僕も初めてのエフェクターはこれでした。
購入から6年たった今も愛用中です。
ただ、バンドサウンドに混じると”音が抜けにくい”印象ではあります。
なんせ「MIDDLE」のツマミがないですからね。
主な使用ベーシスト
- 345 / 凛として時雨
- 関根史織 / Base Ball Bear
- 中村和彦 / 9mm Parabellum Bullet
- 中尾憲太郎 / NUMBER GIRL
- ティッシュ姫 / ニコニコ
他多数
2. 飛び道具として使うのもありなエフェクター「BOSS Bass OverDrive ODB-3」
もうね、アホみたいに歪む。
定番のエフェクターメーカーBOSSのベース用オーバードライブ「BOSS Bass OverDrive ODB-3」。
Red Hot Chili Peppersのベーシスト「フリー」が愛用していることでも有名ですね。
「BALANCE」のツマミを操作することで原音とエフェクト音をミックスして出力できます。
左に回せば「原音寄り(DRY)」、右に回せば「エフェクト音寄り(OD)」のサウンドを作り出すことが可能。
これにより「芯のある心地よいドライブサウンド」が手に入るというわけ。
ただし、低音がやや不足するので「EQ(BASS)」は多めに上げるとちょうど良いかもしれません。
「BALANCE」「GAIN」のツマミを目一杯に回せばあら不思議、吐瀉物のようなえげつない音になります。
これでRed Hot Chili Peppers の「Around The World」のイントロを弾けばあなたも気分はフリー。
主な使用ベーシスト
- フリー / Red Hot Chili Peppers
- 変態ベーシスト 他
3. 失ってようやく気付くコンプレッサーの大切さ「EBS MultiComp」
これまたベーシストの定番エフェクター「EBS MultiComp」です。
通称「マルコン」。
音量差や音粒をそろえてくれる優秀なコンプレッサー。
コンプ感は少なめなので、原音を大事にしたいベーシストさんにはおすすめ。
ナチュラルなサウンドが手に入りますよ。
操作は簡単。
「COMP/LIMIT」のツマミで音の圧縮率を選択、「GAIN」のツマミで出力調整を行うだけ。
個人的にはマルコンの歪みの音も好みなのでGAINは多めです。
ただし、コンプレッサーに頼りすぎるとどんどん下手になっていくので注意が必要。
あくまでナチュラルに。
そして、スラップをするときはキツめに。
最高に気持ちが良いです。
4. 音域を理解するにはもってこいのエフェクター「MXR M109 6 Band Graphic EQ」
小さいながらもベース向きのイコライザーを搭載している「MXR M109 6 Band Graphic EQ」。
「どういう音域で、どういう音が鳴っているのか?」
これを知ることはベースの音作りの土台となる非常に重要なポイントです。
音楽はいくつもの音の重なりで成り立っています。
他の楽器がどの帯域にいて、自分(ベース)はどこにいるべきなのか、ということをしっかりと考えていきましょう。
他にも、BOSSのベース用イコライザー”GEB-7″、同じくMXRの”M108 10 Band Graphic EQ”などの有名イコライザーもありますが、この「M109」は100Hz・200Hzをピンポイントで調節が可能です。
もともとはギター用のエフェクターですが、よりベース向きなエフェクターと言えるでしょう。
小さくて、パワフルで、取り回しが良くて、操作がしやすい。
もう大好き、これ大好き。
ただ、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
なんとなく音域のことを勉強した後に購入してみるとさらに音作りを楽しめるでしょう。
5. ベースを調律しよう「KORG Pitchblack PB-01」
ベースの弦を「チューニング(調律)」するために必要なチューナー「KORG Pitchblack PB-01」。
いくら素晴らしい美声を持つボーカリストでも、音程が外れていれば一気に台無しに。
それと同じで、ベースもチューニングが必要です。
ベースを弾く前にはチューニング、これ鉄則です。
番外編:ボードの整理 & 安定した電源供給「CAJ AC/DC Station III」
アダプターを刺す穴(ソケット)は電力が不安定。
安定して電源を供給するために便利なものがパワーサプライと呼ばれるもの。
「CAJ AC/DC Station III」も数あるパワーサプライのうちの1つです。
つまり、「エフェクターそれぞれに適した電力を供給してやるぜ」ということですね。
こうすることによりノイズを大幅にカットできます。
また、ボード内の整理にも便利なので、シンプル好きの私としては超お気に入り。
「CAJ AC/DC Station III」は、6つのDC9Vエフェクターに電源供給が可能で、最大消費電力は450mAです。
現在、これより新しいモデルの「AC/DC Station IV」が発売されています。
こっちは7つのエフェクターに電源供給が可能です。
また、付属のアダプターは壊れやすいので「AC/DC Station」を購入する際は「AC/DC STATION用の電源アダプター」も一緒に買うとなお良いでしょう。
まとめ
「初心者ベーシストにおすすめのエフェクター5選」を紹介してきました。
もし仮にこの中から1つだけ選ぶとすればやはり「SansAmp Bass Driver DI」でしょうね。
ベースを始めたばかりの頃は、毎日飽きもせずベードラだけで遊んでいました。
逆に言えば「下手でもそれなりにうまくく聞こえる」ということなので、頼りすぎには注意しましょう。
次いで、「EBS MultiComp」、「MXR M109 6 Band Graphic EQ」、「BOSS Bass OverDrive ODB-3」という順番でしょうか。
あ、もちろん「チューナー」は必須です。
一番最初に買ってください。
直感とインスピレーションで「コレだ!」といきなり購入するのもロックっぽくてカッコいいとは思いますが、エフェクターを購入する際はお店で試奏をお願いするようにしましょう。
もしくは、そのエフェクターを所持している知人のベーシストにでも借りましょう。
自分の所有しているベースを持っていき、「このエフェクターを試したいのですが」と店員さんに伝えればOK。
初心者のうちに店の中で弾くのは恥ずかしいとは思いますが、これもベーシストの試練の1つです。
むしろ、この試練を乗り越えるために自宅で練習に取り組むのもおすすめ。
エフェクターはこの他にも数多く存在しており、大変奥が深いです。
それゆえに一度ハマるとなかなか抜け出せないところでもあります。
たくさんのものを試してみて、自分にぴったりなエフェクターを探してみると良いでしょう。