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オーバードライブエフェクターの音作りあれこれ BOSS OD-1

オーバードライブエフェクターの音作りあれこれ BOSS OD-1
最終更新:

1977年に初のBOSSコンパクトエフェクターとして発売され、「OVERDRIVE」というエフェクターのジャンルの先駆けとなったモデルです。

使用状況

使用ギターはフェンダーストラトキャスター(JAPAN)ピックアップはリアがダンカンの「LITTLE 59」、フロントをディマジオの「YJM(現行はHS-4)」、ミドルは純正のフェンダーシングルコイルPUです。

OD-1 OVERDRIVE は中古で10年ほど前に購入、以来ずっと使用しています。

基本的にはアンプを軽く歪ませた状態で、リードを弾く際にブースターとしてオンしています。

操作性

ツマミが「LEVEL」と「OVER DRIVE」の2つだけなので非常に単純明快です。

(ただ現行のBOSSコンパクトエフェクターと比べると、「LEVEL」を右に回していっても音量がアップする度合が少ないと思います。

私の所有機の個性なのか、みんなそうなのか、ちょっとわかりませんが…)

基本的には「LEVEL」を全開、「OVER DRIVE」を3時方向程度にセット、アンプ(MARSHALL VS-102Rバルブステート100W)はOD1チャンネルでハードピッキング時に軽い歪みがかかる程度のセッティングにしています。

音色

80年代のギタリスト達が当時皆口にしていたように、マーシャルアンプとの相性が良いようです。

80年代製のJCM800 2段スタックをフルアップにした状態で試した事があるのですが、このアンプはプリアンプが作り出す歪みに関しては、現代のアンプからすると「すこし少ないな」という感じですが、音量を上げてパワーアンプ部をドライブさせる事によって、そこに太さと今少しの歪みが加わり、バッキング用の歪みとしては非常に良い感じになります。

そこへこのOD-1をオンにすると、中域の成分がプラスされ、非常に腰のある、ソロ向け(速いパッセージを弾いてもアンサンブルの中で決して埋もれない、何を弾いているかが観客にもはっきりとわかる音です)の音色になります。

スタックタイプのアンプは特に「ドンシャリ」と呼ばれる、高域と低域が出て中域が抜けたような音になる傾向があるので、このOD-1をオンにした時の音は非常に気持ちいいものがあります。

自分ではスタックアンプは持っていないため、コンボタイプのアンプを使用しているので、そこまで「ドンシャリ」ではないのですが、それでもこのブースターとして使用した時の音色は、何物にも代えがたいものがあります。

次に単体として弾いた時の音色についてお話してみたいと思います。

私はこれが壊れた時のために(まだ壊れていませんが…耐久性抜群です)SD-1 SUPER OVERDRIVEも所有しているのですが、基本的なところは非常に似た音色だと思います。

アンプをクリーントーンにセッティングして、「DRIVE」を全開にした時の音色は、シングルコイルピックアップならボーカルギターにピッタリ(歌の邪魔にならず、かき鳴らせる音)という感じです。

ハムバッキングピックアップなら少し荒削りな骨太ロックンロール(?

)という感じでしょうか。

SD-1は「TONE」ツマミが付加されている分、これを高域にセットすることで、幾分歪み度が増す気はしますが、逆に言えばその分「いい音」を探すのに少し時間がかかるということになります。

OD-1なら、そこは単純明快、いつでもどこでもすぐ同じ音にセッティング出来てしまいます。

最近のツマミが多く、機能の多いエフェクターをいじるのも楽しいですが、いざライブとなるとこの単純明快さって非常に重宝します。

使用をおすすめするギタリスト

エフェクター単体としての使用(アンプ側クリーントーン)なら、やはりローリングストーンズや70年代のロックンロール、ブランキージェットシティなどのイメージでしょうか。

軽いピッキングならクリーンに近く、ハードにピッキングすればガッツのある歪み!

という音色が好きなギタリストなら、単体使用の音で十分満足していただけると思います。

アンプ側を半歪み状態にした上でブースターとして使用されるなら、やはり「速弾き」をこよなく愛し、プレイに自信があって「細かいフレージングまでみんなしっかりと聴いてくれ!!」っていうギタリスト向けだと思います。

爆音の中で速いソロを弾いても、とにかくよく聴こえますし、ライブ録音したのを聞き返してもホントにクッキリと何を弾いているかがわかります。

一度、DS-2 ターボディストーションを単体で使用しているギタリストと「共演」したことがあり、録音したものを聞いたのですが、私のソロだけが聴こえて、その方のソロになると「なにやらグシャグシャと鳴っているが、なにを弾いているのかわからない」という事がありました。

まとめ

古いエフェクターですし、プレミアがついてやたら高価になっていますので、正直、壊れて修理できなくなったらまた同じものを買うよりも、SD-1で代用しようと思っています。

でも、やはりこのシンプルさは捨てがたいものがあります。

使っているパーツが今は手に入らないとか聞いたことありますが、可能なら復刻して新品で売ってほしいですね、BOSSさん!

BOSS OD-1