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ドラム打ち込みのコツ。アクセントのコントロール方法

ドラム打ち込みのコツ。アクセントのコントロール方法
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ドラム打ち込みのコツ。アクセントのコントロール方法

前回

  • グルーブの支配者はベース
  • ドラムは微妙なニュアンスでその援護

ということを解説しました。

今回は、その微妙なニュアンスの1つのアクセントを見ていきます。

ドラムのアクセント

特に8ビートや16ビートのドラミングにおいて、アクセントとはすなわちハイハットのアクセントを指します。

キック(=バスドラム)やスネアはできるだけ均質な音量で鳴らせる方がドラマーとしては優秀です。

アクセントは不用意に付けるものではありません。

その位置の方が重要です。

特にキックの位置はドラムのビートの中で決定的に大事な部分になりますので別記事で解説します。

8ビートか16ビートか

ドラムを始めた頃、2回だけお金を払って教室に通ったことがありました。

う散臭い先生であったものの、強烈に印象に残っている発言があります。

16ビートは倍速の8ビートなんですわ。

時代とともに曲のテンポが上がり、8ビートでは叩けなくなって16ビートが生まれたのよ。

当時は「こいう何を言うとるんや?」という感じでしたが、今はその意味がはっきりわかります。

16ビートのアクセント

先ほどの、う散臭いドラムの先生(う散臭くなかったですよ!

)が何が言いたかったかというと16ビートのハイハットのアクセントの正体は倍速8ビートのスネアがハイハットに変化したものだということです。

そしてこれがどこかで聞いたことがあるかもしれないこれ↓につながってくるわけですね。

8ビートはハイハットのアクセントを8分音符の表拍に、16ビートでは裏拍におきましょう。

当然ながらこの原則が当てはまらない場合もあるわけで、たとえばハイハットはアクセントを表におきつつ、裏はコンガとギターで攻めるといったアレンジの方がよい場合もありますよ。

グルーブは各楽器の微妙のニュアンスの積み重ねですから。

というわけで前回のデモのハイハットのアクセントを少し変えてみます。

どちらが良いというものではないので悪しからず。

8ビートの元音源↓

表拍にアクセントをおいたもの↓

16ビートの元音源↓

裏拍にアクセントをおいたもの↓

ドラム&ベースの2つしか鳴っていませんが、他の楽器が入ってくると各楽器ごとに表拍と裏拍のアクセントをコントロールし、最終的なグルーブはミックスの際に決まってきます。

ここではアクセントの表裏でグルーブが変わるということだけ理解しておきましょう。

テンポによる変化

テンポが上がれば上がるほどアクセントのダイナミクス(=上下の幅)はより大きくするのが一般的です。

強拍をより強くというよりは弱拍をより弱くするようなイメージです。

そしてこれを突き進めると弱拍を弾かないというアクセント表現になっていきます。

8ビートでいうとこんなかんじ↓裏拍を弾かずに表拍にハイハットオープンのみ。

16ビートはその逆↓左足ハイハットで表拍を踏み、右手ハイハットで裏拍を叩いているようなイメージ。

ちなみに……

ダンスビートでも使われるこの裏拍ハイハット、ドラム初心者にはめっちゃ難しかったりします。

利き腕・利き足が表拍、逆腕・逆足が裏拍を交互に取る形の方が人間の体の作り的には自然です。

右と左で交互に動かすのは歩行の動作でも同じだったりしますね。

ドラムはその人間の体の作りを考慮し、合理的な体の動きが取れるように配置されています。

スティックを交差させるのもこの体の作りを考慮してのものです。

明らかに可動域の広いオープンハンドがマイノリティなのもこういう理由があるのかなと。

ベースを入れてみる

せっかくなのでベースも入れてみました。

8ビート↓ 一気にJ-Rockなかんじ。

ベースはピックで弾いています。

16ビート↓ ちょっとダサめですがFunkyになりました。

というわけでアクセントの話はここまで。

  1. ドラム経験者によるドラム打ち込みの解説。

    まず必要性を考える

  2. ドラム打ち込みのコツ。

    グルーブの支配者を理解しよう!

  3. ドラム打ち込みのコツ。

    アクセントのコントロール方法

  4. ドラム打ち込みのコツ。

    ゴーストノートの入れ方

  5. ドラム打ち込みのコツ。

    キックの位置の重要性

  6. ドラム打ち込みのコツ。

    ランダマイズの考え方

  7. ドラム打ち込みのコツ。

    フィルインの組み立て方

  8. ドラム打ち込みのコツ。

    パーカッションによる補強

  9. ジャズドラムの打ち込みのコツ
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