ジャズギターのアドリブで使えるフレーズを紹介したいと思います。
まず、アドリブをとるためには以下の3つが指板上で見えることが必要になります。
- コード
- スケール
- コードトーン
コード、スケール、コードトーンの3つが見えた上で最後に最も重要な「フレーズ」を乗せます。
はじめに
今回はアドリブでよく使用される5弦をルートにしたメジャースケールのフォームです。
実際に弾いてみましょう。
コードはCメジャー7で、ダイヤグラム内の数字はスケールの度数です。
ド……R
レ……2度
ミ……3度
ファ……4度
ソ……5度
ラ……6度
シ……7度
CMaj7
コード(1、2、3弦は開放弦です)
スケール(3フレットは薬指、2フレットは中指、1フレットは人差し指で弾いてください)
コードトーン
このフォームはCメジャーだと開放弦が出てきて弾きづらいので、ポジションを上げてFに転調してみましょう。
フレットが変わってもフォームは変わりません。
FMaj7
コード
スケール
コードトーン
それではフレーズを乗せてみましょう。
フレーズはスケールのどの音からでも弾き始められるように準備しておきましょう。
フレーズの中には半音でアプローチするテクニック「クロマチックアプローチ」が多用されています。
クロマチックアプローチの説明についてはこちらをご覧ください。
Rから始まるフレーズ(コードトーンで上昇し、5度で解決しています)
2度から(「上から1音、下から2音」で3度へ挟み込みアプローチしています)
3度から(5度から6度へのアプローチと、3度へ「上から1音、下から2音」で挟み込み)
4度から(「上から1音、下から2音」で3度を挟み込み)
5度から(「上から1音、下から2音」で3度を挟み込み)
6度から(6度から5度へのアプローチ)
7度から(7度からテンション9度へアプローチ)
オクターブ上のRから(コードトーンの3度から5度へのアプローチが使われています)
2度から(「上から1音、下から2音」で3度を挟み込み)
3度から(3度から5度へのアプローチと、Rへ「上から2音+下から1音」のアプローチが使われています)
4度から(Rへ「上から2音+下から1音」のアプローチが使われています)
5度から(5度から3度へのアプローチですが、一度5度へ戻ってから3度に向かっています)
演奏で困るのが「フレーズの行き詰まり」です。
「次のフレーズが出なくてソロがストップしてしまう」ということのないよう、どこの音に解決しても、そこからまたフレーズが始められるように準備しておくといいですね。
ライタープロフィール
ジャズギタリスト
中根一城
高校生の頃よりギターを始め、ジャズに興味を持ち洗足学園音楽大学ジャズコースに入学。
道下和彦氏にジャズギターを師事する。
その他、音楽理論、ビッグバンドアレンジ法などを学ぶ。
卒業後は自身のバンドでドリカム主宰のレーベルDCT Recordsよりコンピレーションアルバム「DCT Pizza」を発売。
ドリカムワンダーランドの前夜祭ライブとして全国ツアーを行う。
同時に宮之上ジャズギター教室にて宮之上貴昭氏に師事し、現在は同教室の講師を務める。
大森LaLa Music Schoolでも講師を務め常に40名以上の生徒さんを担当。
2012年ジャズユニットwhispers_trioでアルバム「Tones For You」を発売。
2015年ギター教則本「Jazz Guitar Method」を制作。
2017年アルバム「The Art of Rolling」発売。
ライブ活動の他、講師業や音源制作などで活動中。
ウェブサイト:http://nakane-guitarlist.wix.com/kazushiro-nakane