1908年にフランスのアヴィニョンで生まれ、作曲家、オルガン奏者、ピアニスト、音楽教育者として活躍したオリヴィエ・メシアンさん。
彼は神学者、鳥類学者としての一面も持ち合わせており、鳥に対する並々ならぬ思いは、作品にも色濃く反映されています。
また、音を聴くと色彩や模様を連想する「共感覚」の持ち主でもあり、その連想を楽譜に書き込む独特のスタイルで曲を完成させていったといいます。
本記事では、そんなメシアンさんが手掛けた作品のなかから、演奏機会の多いピアノ独奏曲やピアノを含む編成で演奏される作品をご紹介します!
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【メシアンのピアノ曲】優れた色彩感覚によって生まれた珠玉の作品たち(1〜10)
幼子イエスに注ぐ20のまなざし 第11曲「聖母の初聖体拝領」Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンさんは、神秘的で宗教的なテーマを扱った作品で知られています。
彼の音楽は複雑なリズム、豊かな音色、独特の和声が特徴的。
1944年に作曲されたピアノ組曲『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』は、深い宗教的感覚と自然への愛が反映された珠玉の作品です。
第11曲『聖母の初聖体拝領』は、神のテーマを奏でながら鳥のさえずりを表現するなど、メシアンらしい神秘的な美しさにあふれた曲。
信仰の有無に関わらず、感動的で深い内省を促す作品として広く愛されています。
異国の鳥たちOlivier Messiaen

20世紀フランスを代表する作曲家オリヴィエ・メシアンは、神秘的な宗教観、鳥類への深い愛情、独特の色彩感覚を持ち合わせた稀有な才能の持ち主でした。
彼の代表作の一つ、ピアノ曲『異国の鳥たち』は、フランス各地の鳥たちの鳴き声を忠実に再現し、それぞれの生態や生息環境を音楽的に描写した全13曲からなる大作です。
複雑なリズムと豊かな和声が織りなす幻想的な音世界は、聴く者を異国情緒あふれる自然のなかへといざないます。
優れたピアニストによる名演も多数存在するこの曲は、現代音楽に興味がある方にぜひ味わっていただきたい一品です。
4つのリズムのエチュード 第1番「火の島 第1」Olivier Messiaen

音から色彩を連想する共感覚の持ち主であった20世紀を代表する作曲家、オリヴィエ・メシアンさんは、音と色彩をリンクさせた独自の作曲スタイルで知られています。
『4つのリズムのエチュード』の第1番『火の島 第1』では、複雑なリズムと音色の絡み合いによって生み出される、神秘的で力強い音楽世界が展開されます。
大胆な表現と繊細なタッチを併せ持つ演奏が求められますが、現代音楽になじみのある上級者の方にぜひチャレンジしていただきたい作品です!
ポール・デュカスの墓前への小品Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンさん。
深いカトリック信仰と鳥の鳴き声への興味から生まれたその音楽は、リズムや調和、旋律が非常に複雑で革新的な作曲スタイルで知られています。
そんな彼が敬愛する恩師ポール・デュカスさんをしのんで作曲したピアノ曲『ポール・デュカスの墓前への小品』は、師への深い敬意と感謝の意が込められた1曲。
オレンジ、白、金の光が落ちるような静的で荘厳な曲想が印象的な本作は、メシアンさんの音楽の深淵を味わいたい方にぜひオススメしたい1曲です。
8つの前奏曲 第8曲「風のなかの反映」Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンさんは、独自の作風で知られています。
彼の初期の作品集『8つの前奏曲』の第8曲『風のなかの反映』は、クロード・ドビュッシーの影響を受けつつ、色彩と音の独創的な結びつきを感じさせる1曲。
曲の前後を飾る小さな嵐の描写では、オレンジと緑、黒の斑点が交互に現れ、中間部では青とオレンジの色合いが美しいメロディラインを彩ります。
若き日のメシアンさんの感性が凝縮された作品を、ぜひ色鮮やかな響きでお楽しみください。
鳥のカタログ 第1巻 第2番「キガシラコウライウグイス」Olivier Messiaen

20世紀を代表する偉大な作曲家のひとりであるオリヴィエ・メシアンさんは、幼少期から音楽に深い興味を示し、若くしてその才能を開花させました。
彼の音楽は、複雑なリズムや豊かな音色、独特の和声言語など、まさに彼ならではの個性に満ちています。
ピアノ曲集『鳥のカタログ』は、フランス各地の自然と鳥のさえずりを題材に、1956年から1958年にかけて作曲された全13曲からなる作品です。
『キガシラコウライウグイス』と題された第2曲は、鳥の声を忠実に再現しようとしたメシアンの意欲的な試みが感じられる名曲。
鳥のさえずりだけでなく、風景や光、空気感までも描写した彼の音楽は、自然への深い畏敬の念と宗教的な祈りが融合した崇高な芸術といえるでしょう。
神秘的で色彩感あふれるメシアンの音楽世界を、ぜひ堪能してみてください。
アーメンの幻影Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンさんは、独自の音楽スタイルで知られています。
彼の音楽は複雑なリズムや豊かな音色、独特の和声が特徴的で、神秘的で宗教的なテーマを探求しています。
1943年に作曲された『アーメンの幻影』は、彼の代表的な2台ピアノのための作品です。
この作品は7つの楽章から成り、それぞれが「アーメン」という言葉に基づく異なる主題を表現しています。
創造、星々、イエスの苦悩など、深遠なテーマが印象的に描かれてた本作は、メシアンさんの音楽世界に触れたい方はもちろん、宗教的要素の強い作品に興味をお持ちの方にもオススメです。





