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【メシアンのピアノ曲】優れた色彩感覚によって生まれた珠玉の作品たち

1908年にフランスのアヴィニョンで生まれ、作曲家、オルガン奏者、ピアニスト、音楽教育者として活躍したオリヴィエ・メシアンさん。

彼は神学者、鳥類学者としての一面も持ち合わせており、鳥に対する並々ならぬ思いは、作品にも色濃く反映されています。

また、音を聴くと色彩や模様を連想する「共感覚」の持ち主でもあり、その連想を楽譜に書き込む独特のスタイルで曲を完成させていったといいます。

本記事では、そんなメシアンさんが手掛けた作品のなかから、演奏機会の多いピアノ独奏曲やピアノを含む編成で演奏される作品をご紹介します!

【メシアンのピアノ曲】優れた色彩感覚によって生まれた珠玉の作品たち(1〜10)

鳥のカタログ 第1巻 第2番「キガシラコウライウグイス」Olivier Messiaen

オリヴィエ・メシアン:鳥のカタログより 第2番「キガシラコウライウグイス」/安孫子 悠[日本演奏家コンクール]
鳥のカタログ 第1巻 第2番「キガシラコウライウグイス」Olivier Messiaen

20世紀を代表する偉大な作曲家のひとりであるオリヴィエ・メシアンさんは、幼少期から音楽に深い興味を示し、若くしてその才能を開花させました。

彼の音楽は、複雑なリズムや豊かな音色、独特の和声言語など、まさに彼ならではの個性に満ちています。

ピアノ曲集『鳥のカタログ』は、フランス各地の自然と鳥のさえずりを題材に、1956年から1958年にかけて作曲された全13曲からなる作品です。

『キガシラコウライウグイス』と題された第2曲は、鳥の声を忠実に再現しようとしたメシアンの意欲的な試みが感じられる名曲。

鳥のさえずりだけでなく、風景や光、空気感までも描写した彼の音楽は、自然への深い畏敬の念と宗教的な祈りが融合した崇高な芸術といえるでしょう。

神秘的で色彩感あふれるメシアンの音楽世界を、ぜひ堪能してみてください。

鳥の小スケッチ 第1曲「ヨーロッパコマドリ」Olivier Messiaen

Olivier Messiaen : Petites esquisses d’oiseaux – 1. Le Rouge-gorge (Marie Vermeulin)
鳥の小スケッチ 第1曲「ヨーロッパコマドリ」Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンさんは、独創的な音楽言語と深い精神性で知られています。

『鳥の小スケッチ』は、彼の妻イヴォンヌ・ロリオにささげられたピアノ作品集で、ヨーロッパのさまざまな鳥の鳴き声を模倣した6つの短い楽章から成り立っています。

複雑で色彩豊かな和声とリズムが特徴的で、作曲家の宗教観と自然への愛が感じられる本作は、クラシック音楽ファンだけでなく、自然を愛する人にもおすすめの1曲です。

アーメンの幻影Olivier Messiaen

アーメンの幻影 Vision de l’amen , メシアン Messiaen ドゥオール Pianoduo DUOR 2台ピアノ クラシック ピアノ
アーメンの幻影Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンさんは、独自の音楽スタイルで知られています。

彼の音楽は複雑なリズムや豊かな音色、独特の和声が特徴的で、神秘的で宗教的なテーマを探求しています。

1943年に作曲された『アーメンの幻影』は、彼の代表的な2台ピアノのための作品です。

この作品は7つの楽章から成り、それぞれが「アーメン」という言葉に基づく異なる主題を表現しています。

創造、星々、イエスの苦悩など、深遠なテーマが印象的に描かれてた本作は、メシアンさんの音楽世界に触れたい方はもちろん、宗教的要素の強い作品に興味をお持ちの方にもオススメです。

【メシアンのピアノ曲】優れた色彩感覚によって生まれた珠玉の作品たち(11〜20)

カンテヨジャヤーOlivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンさんは、神秘的かつ宗教的なテーマを用いた音楽で知られ、複雑なリズム、豊かな音色、独特の和声言語によって個性を発揮しました。

彼のピアノ作品『カンテヨジャヤー』は、ヒンドゥー音楽のリズムとカルナティック音楽理論を基に作曲した挑戦的な作品です。

重層化と反復によって進行するこの曲は、メシアンの音楽的探求と成熟が反映された、彼の足跡をたどる上で欠かせない1曲。

クラシックとモダンが融合した深遠な世界観は、音楽愛好家だけでなく、精神性や哲学に興味がある方にもオススメです。

幼子イエスに注ぐ20のまなざし 第1曲「父なる神のまなざし」Olivier Messiaen

20世紀を代表するフランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンさん。

彼の宗教的なテーマを追求した作品のなかでも特に有名なのが、ピアノ独奏のための組曲『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』でしょう。

全20曲からなるこの大作は、1944年のパリで作曲されました。

第1曲『父なる神のまなざし』では、全曲を通して繰り返されるモチーフ「神のテーマ」が印象的です。

複雑なリズムと和声、そして豊かな色彩感で、メシアンの信仰の深さと音楽的独創性が感じられる本作は高度な演奏技術を要しますが、その精神性の高さから、チャレンジしがいのある曲といえるでしょう。

異国の鳥たちOlivier Messiaen

メシアン(O.Messiaen):異国の鳥たち(Oiseaux exotiques) PRIEM WIND ENSEMBLE
異国の鳥たちOlivier Messiaen

20世紀フランスを代表する作曲家オリヴィエ・メシアンは、神秘的な宗教観、鳥類への深い愛情、独特の色彩感覚を持ち合わせた稀有な才能の持ち主でした。

彼の代表作の一つ、ピアノ曲『異国の鳥たち』は、フランス各地の鳥たちの鳴き声を忠実に再現し、それぞれの生態や生息環境を音楽的に描写した全13曲からなる大作です。

複雑なリズムと豊かな和声が織りなす幻想的な音世界は、聴く者を異国情緒あふれる自然のなかへといざないます。

優れたピアニストによる名演も多数存在するこの曲は、現代音楽に興味がある方にぜひ味わっていただきたい一品です。

鳥のカタログ 第2巻 第6番「モリヒバリ」Olivier Messiaen

Messiaen: L’alouette lulu (Catalogue d’oiseaux) ∙ Pierre-Laurent Aimard
鳥のカタログ 第2巻 第6番「モリヒバリ」Olivier Messiaen

20世紀を代表する作曲家オリヴィエ・メシアンさんは、音楽をひたむきに追求した作曲家。

神秘的で宗教的なテーマを軸に、複雑なリズムとハーモニーの探求により独自の音楽言語を確立した『鳥のカタログ』は、まさにメシアンの音楽世界の集大成といえるでしょう。

第2巻第6番『モリヒバリ』では、フランスの自然と鳥の声を細部まで音で再現。

この曲から、神の被造物である鳥たちへの深い愛と畏敬の念が伝わってきます。

クラシック音楽になじみのない方にこそ、ぜひ聴いていただきたい名曲です。