心を豊かにする孟子の名言!人生の指針となる言葉集
紀元前4世紀の中国で活躍した思想家である孟子は、その深い洞察力と人間性への理解から、多くの名言を残しています。
「人の本質は善である」という性善説を唱え、人としての正しい生き方を説いた孟子の言葉には、現代を生きる私たちの心にも響くものがあるのではないでしょうか。
悩みや迷いを抱えたとき、また自分の進むべき道を見失いそうになったときに、この記事を思い出してください。
きっと心の支えとなってくれる言葉との出会いがありますよ。
心を豊かにする孟子の名言!人生の指針となる言葉集(1〜10)
尽く書を信ずれば、則ち書なきに如かず。孟子

書経に書かれていること全てを信じてしまうなら書経なんか無いほうが良い、という意味の名言「尽く書を信ずれば、則ち書なきに如かず」。
知り得た情報の全てを信用してしまうリスクについて語られた名言です。
特に現代のSNS社会においては、専門家が書いても一般人が書いても同じフォントで画面に表示されるため、何もかもが本当の情報であるかのような錯覚に陥りやすいのではないでしょうか。
玉石混交の情報の中から、自分の責任と判断で正しいものを選ぶ必要性を訴えた名言です。
行ないて得ざるものあれば、皆反りてこれを己に求む。孟子

中国戦国時代の儒学者であり、孔子の教えを受け継ぎながらも独自の思想を展開した孟子。
彼の言葉は自分の行動が期待した結果を生まなかったとき、その原因を外部に求めるのではなく自分のなかに原因を探るべきだという教えを示したものです。
人は努力を怠らず正しい道を歩めば必ず成長し、より良い結果を得られるという信念が込められています。
この考えは、現代においても自分を改めることの大切さを説き、成功を手にするためにはいつも見つめ直す姿勢が欠かせないことを教えてくれるでしょう。
たとえ望んだ結果が得られなくても、自分の行動や努力を振り返り、改めることこそが次の成長へとつながることがわかる名言です。
人の学ばずして能くする所のものは、それ良能なり。慮らずして知る所のものは、それ良知なり。孟子

教えられなくても善を行う力が良能で、考えなくても善を理解する力が良知だという意味の名言、「人の学ばずして能くする所のものは、それ良能なり 慮らずして知る所のものは、それ良知なり」。
良知良能とは、人が元々備えている道徳性を指した言葉です。
性善説を説いた孟子らしい言葉ですよね。
もちろん、生まれながらに持っている才能も活かさなければ無駄になってしまうこともあるため、常に努力を惜しまない心構えが大切です。
人の徳慧術知あるは、恒に疢疾に存す。孟子

生きていくための知恵は逆境の中でこそ身につく、という意味の名言「人の徳慧術知あるは、恒に疢疾に存す」。
徳慧術知とは素晴らしい知恵や優れた知謀を指す言葉で、逆境こそが人間を成長させてくれると語った言葉です。
確かに、何も問題が起こることなく歩き続けてしまったら新たな発見はありませんし、いずれ大きな障害にぶつかった時に乗り越えるための気合いも良案も浮かばないかもしれませんよね。
ピンチはチャンスだという事を教えてくれる名言と言えるのではないでしょうか。
君子は終身の憂いあるも、一朝の患いなきなり。孟子

人格者は生涯の悩みはあっても、外部からの災いに一喜一憂しない、という意味の名言「君子は終身の憂いあるも、一朝の患いなきなり」。
「生涯の悩み」とは自分と歴史上の偉人を比べた時に未熟だと感じる心のことで、それに比べれば日々発生する小さな悩みなど取るに足らない、という意味になります。
確かに、大きな悩みの前では小さな悩みなど気にならないですよね。
同じように、大きな夢や目標があるならば小さいことに一喜一憂せず突き進め、と背中を押してくれる名言なのではないでしょうか。
己を枉ぐる者にして、未だ能く人を直くする者はあらざるなり。孟子

自分が曲がったことをしているのに人を正した例は無い、という意味の名言「己を枉ぐる者にして、未だ能く人を直くする者はあらざるなり」。
端的に説明すると「人を正そうとするなら、まず先に自分を直せ」という意味の言葉です。
特に人の上に立つ立場になると、自分を棚に上げて下の人を変えようとしてしまいがちなのではないでしょうか。
まずは自分が変わること、その姿を見せることが他人を変えることにつながっていく事を教えてくれる名言です。
我善く吾が浩然の気を養う。孟子

私はどんな困難にも動じない精神力を身につけている、という意味の名言、「我善く吾が浩然の気を養う」。
浩然の気とは、広大な世界に満ちている生命や活力の源になる気のことで、性善説の概念でいうところの「世の中に存在する善」を指します。
正しい事をしていれば自分の中に気が得られ、揺るがない勇気が持てる、と教えてくれていますよね。
人間としての道徳心と、良い事を続ければ人生にプラスの循環が生まれることを説いた名言です。
為さざるなり。能わざるには非ざるなり。孟子

仕事ができないのはやる気がないからで、能力が低いわけではない、という意味の名言「為さざるなり 能わざるには非ざるなり」。
最初から自分と他人を比べて能力の差を感じてしまうと、その時点で限界を決めてしまいモチベーションも上がらないですよね。
部活や職場などにおいてリアルタイムで悩んでいる方にとっては、まさに勇気をもらえるメッセージなのではないでしょうか。
やる気にさえなれば誰でも何でも出来ると背中を押してくれる名言です。
自ら暴う者は、与に言うあるべからざるなり。自ら棄つる者は、与に為すあるべからざるなり。孟子

現代でも使われている自暴自棄という四字熟語の由来となった名言「自ら暴う者は、与に言うあるべからざるなり 自ら棄つる者は、与に為すあるべからざるなり」。
常に礼や義を批判する人とは語り合うことはできない、仁や義を守ろうとしない人とは一緒に仕事できない、という意味の言葉です。
確かに、自暴自棄になっている人と話すのは自分が疲弊してしまいますし、まして同じチームで何かをするのは難しいですよね。
いつも心を明るい方向に保つことの大切さを教えてくれる名言です。
閻然として世に媚ぶる者は、これ郷原なり。孟子

自分の内面を隠して世間に合わせ続けるのは郷原の徒である、という意味の名言「閻然として世に媚ぶる者は、これ郷原なり」。
自分を曲げて世間に合わせる人間のことを郷原と呼び、上辺だけ取り繕っても肝心の徳が身につかない、という教えが込められています。
確かに現代社会においても人の顔色ばかり伺って自分の意見や行動を押さえ込んでしまったら、本当の自分が分からなくなってしまいますよね。
ただし、何でもかんでも他人を気にせず好き勝手に振る舞って良いという意味ではないため、解釈には注意しましょう。