不要なノイズを減らせ!エレキギターに関するノイズの原因と対策
ライブ中、ギターを弾いてないパートでもギターアンプから「サー」「ジー」や「ブーン」などのノイズが出てしまったり、音量をあまり出していないのにフィードバック、ハウリングが発生して困ってしまう。
特に静かなパートだと気になりますよね。
さらに、ノイズが多いギタートラックをレコーディングで多重録音をすると、ノイズがさらに際立って残念なことになってしまいます。
誰もが一度は悩まされているエレキギターのノイズ、今回は各種ノイズの原因を探って、なるべく発生しないようにする対策をご紹介していきます。
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発生箇所別ノイズ対策
ノイズの発生原因、発生箇所を調べたところで、今度はノイズを可能な限り小さくしていきましょう。
ここからは、発生箇所別のノイズ対策について解説していきます。
エレキギター本体のノイズ対策
エレキギターのノイズは本体内部の電気パーツの消耗や、アースが浮いていることが原因になっていることが多いです。
また、ギター本体が拾う外来ノイズの影響は構造上、アクティブピックアップよりもパッシブピックアップの方が、ハムバッカーピックアップよりもシングルコイルピックアップの方が受けやすくなっています。
パッシブのシングルコイル搭載ギターはノイズ対策をより入念におこなう必要があります。
また、現在のサウンドを変化させたい場合などは、ノイズ対策も兼ねて、ノイズの少ないピックアップに交換するのも大変効果的です
エレキギターの交換用ピックアップ〜シングルコイル編〜
エレキギターの交換用ピックアップ〜ハムバッカー編〜
アースでのノイズ対策
エレキギターのノイズは前述の弦アースで対策が取られています。
エレキギターの弦に素手で触れてもノイズが減らない場合、弦アースが正常に接続されていない可能性があります。
ストラトやディンキータイプのギターの場合、バックプレートを外すことで弦アースが正常に接続されているかを確認することが可能です。
画像の丸内に導線が一本半田付けされています。
この導線が各パーツと出力ジャックに接続されているのが正常な状態です。
どこかのパーツの半田が浮いていたりすると正常にアース接続ができず、外来ノイズに弱い状態になります。
自分で半田ごてを使用して修理をするか、楽器屋さんに相談するのがよいでしょう。
また、黒系のカラーなので少しわかりづらいですが、このギターはキャビティ内に電導塗料が塗ってあり、バックプレートが金属製です。
つまり、電装系全体が電気的には金属の箱に入っている状態と同じになります。
弦に手を触れていることで、この金属の箱全体がアースに落ち、箱の内部は外部からのノイズの影響を非常に受けづらくなります。
また、このノイズに強い箱構造はギター内部では終わらず、楽器用シールドのシールド部分とも接続され、ギターアンプのシャーシにも接続されています。
こうした伝送をおこなうことで回路全体がノイズに強い状態になっています。
楽器用シールドのノイズ対策構造に関しては以下の記事もご参照ください。
シールドの構造、選び方とおすすめシールド5選
パーツの洗浄、交換による対策
ボリュームを操作するときにノイズが発生する場合や、ギター本体に挿さっているシールドに触れた際にノイズが発生する場合は、ポット類や出力ジャックの磨耗、劣化による接点不良の可能性が高いです。
ジャック内部の接点不良には、接点洗浄剤を綿棒に付けてジャック内部を洗浄するのが効果的です。
スプレータイプの洗浄剤を直接ジャック内部に吹き付けると木部を痛めたり、内部に残ったスプレー剤がホコリを吸い付けてしまったりするので、必ず綿棒を使用しましょう。
CUSTOM AUDIO JAPAN / CLEANSABLE
CLEANSABLEのようにスプレータイプではなく、接点に塗るタイプの洗浄剤が無駄がなくオススメです。
私は接点洗浄の前に無水エタノールを使用してから使用するようにしています。
そうすることで、前回の洗浄剤の塗膜を剥がしてから新しい塗膜を張ることができます。
また、洗浄をおこなっても接触不良が残る場合やギターに挿したシールドがガタつく場合には、ジャックパーツを交換する必要があります。
こちらも自分で交換するか、楽器屋さんに相談しましょう。
エフェクター周りのノイズ対策
エフェクター本体から発生するノイズは主にエフェクターの増幅回路からのホワイトノイズです。
先ほども説明した通り、歪みエフェクターで深い歪みサウンドを作っている場合はある程度避けて通れないものです。
歪みエフェクターのノイズ対策としては、歪みを抑えるか、ノイズサプレッサーを導入するくらいしか方法がありません。
歪みエフェクターを電池で駆動している場合は、AC電源を使用することで電源供給が安定し、ノイズが減少する場合もあります。
ノイズサプレッサーを使用する場合はROCKTRONのHushがおすすめです。
ノイズといえばHushというくらい有名なエフェクターで、ギターサウンド自体にあまり影響を与えずにノイズを抑えてくれます。
Micro Hushは小型でエフェクターボード内でスペースを取りません。
ROCKTRON ( ロックトロン ) / Micro Hush
また、トゥルーバイパスのエフェクターはスイッチの切り替え時にポップノイズが発生します。
これについては対策のための改造などをされている方もいらっしゃいますが、残念ながらトゥルーバイパススイッチの構造上避けられないものです。
バッファードバイパスのラインセレクターやスイッチャーを使用する方法も考えたのですが、本末転倒ですよね。
エフェクター本体以外では、接続に使用するパッチケーブルもしっかりシールドされているものを使用しましょう。
また、シールド長が長くなればなるほど外来ノイズの影響を受けやすくなります。
パッチケーブルは必要以上に長いものをしようしない方が賢明です。
ギターアンプ周り
ギターアンプ本体から発生するノイズのほとんどは電源に起因するものです。
同系統の電源からデジタル機器などの電源を取っている場合は、電源の取り口を変えてみたり、電源ケーブルを変えてみることでノイズが減少することがあります。
アース接続がおこなわれていないことが原因でノイズが発生している場合もあります。
逆にアースにノイズが乗ってしまっている可能性もあります。
現在アースが接地している場合は、アースカットを使用してアースを浮かせてみるのも一つの手です。
こちらも前述ですが、コンピュータやタブレット、スマートフォンなど電磁波を発生させる機器をアンプの上に置いたりすると、発生した電磁波がノイズの原因になってしまうので、置かないようにしましょう。
まとめ
- 電磁ノイズはギター本体から!
- 電源ノイズはギターアンプから!
- ちゃんとシールドされたケーブルを使う!
最後に
今回の記事はギター周りで発生するノイズについてでした。
結局はノイズの原因は総当たりで追求するしか方法がないのですが、発生要因の切り分け方法などお役に立てていれば幸いです。
ライタープロフィール
サウンドクリエイター
ZAL
フリーランス音響エンジニア、作編曲家、ギタリスト、たまにDJ。
基本的に音楽関係なんでも屋さん。
趣味:最近もゲーム。
いままで個人ブログの経験はなかったのですが、プロの音響エンジニアならではの視点で、解説やレビューをしていきます。
エレキギター内部の配線やパーツにも明るく、内部配線やパーツの選定によって狙ったサウンドを作ることも得意としています。
Twitter:ZAL_0Style