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坂本真綾の魅力とおすすめ楽曲

「坂本真綾の何がここまでミュージシャンを惹きつけるのか」

以下、5つに着目してその魅力を掘り下げていきたいと思います。

  1. 坂本真綾の概要
  2. 菅野よう子と坂本真綾
  3. 菅野よう子から巣立った坂本真綾
  4. 総評
  5. 楽曲情報

4. 総評

坂本真綾、というアーティストの歴史みたいなものをつらつらと書いていきましたが、結局何がすごいのか?

ということを自分なりに申し上げますと「圧倒的な透明感と両立させる雑食性」ということに尽きるのではないかなと思います。

菅野プロデュース時代ではその神秘性と透明感を武器として磨き続け、それを失うことなく以降の活動ではジャンルを横断した多彩なコラボレーションを行っていますし、そこには無理、であったり技量不足、という点は感じることなく、むしろ1人のアーティストとして臆することなく対峙(たいじ)しているように思います。

菅野よう子の作曲というのは曲調は幅広く、加えて非常に良く練られておりましてリズムや展開が複雑な曲が多いのですが、それについていった賜物(たまもの)なのでしょう。

それが結実したジャンルを横断する雑食性と同時に両立する透明感というのは他にはいないタイプの方なのです。

また舞台での発声経験も豊富なためライブでも非常に伸びの良い歌声を聞かせてくれます。

そして、彼女のアーティストとしての評価は2015年のトリビュートアルバム「REQUEST」によく現れています。

今までにコラボした方は抜きにして、そこには10年来のファンだというSUGIZO、KIRINJI、渡辺麻友、Negicco、新居昭乃、TRUSTRICK……などジャンルも活動歴も異なる面々が坂本真綾というアーティストに敬意を払いつつ調理してる姿には、声優だからとかそういったものは一切感じず、純粋にアーティストとしての評価を感じました。

さらには、フジファブリックの前ボーカル、故・志村正彦や中川翔子、BUMP OF CHICKENの藤原基央、声優の浅野真澄や山寺宏一、堀江由衣など非常に多くの方々から好きであると公言されるその魅力は紛れもない本物だと僕は思っています。

個人的にこれを書くキッカケになったのが、LUNA SEAのSUGIZOとの対談での話で、ビョーク、エスペランサ、ケイト・ブッシュと同列に語られ、好きな曲や惜しみない賛辞を受ける坂本真綾を鑑みるに僕よりも同業者のほうが魅力を理解しているのだと思われます。

僕も10年来の虜(とりこ)になり続けているアーティストに敬意を払いつつ自分なりの視点で語ってみる、という試みが2年越しに叶いました。

坂本真綾というアーティストの魅力を僕なりに書いていたら長くなってしまったので最後におすすめの楽曲情報を載せて今回はここで筆を置かせていただきます。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

5. 楽曲情報

坂本真綾の活動を振り返り、個人的に薦めたい曲を年代を無視してピックアップしてみました。

作曲面で特筆したい方がいたらそちらも書きます。

奇跡の海(作詞:岩里祐穂、作曲、編曲:菅野よう子)

テレビアニメ「ロードス島戦記」のOPで、岩里祐穂と菅野よう子の黄金タッグが製作し、1998年に発売されたのがこの作品です。

どこか宗教音楽のような幻想的な雰囲気のまだあどけなさを残しつつ、透明感のある坂本真綾の歌声がマッチし、まるで海洋民族の祝祭を思わせるな曲に仕上がっています。

今作はヒットチャートに3カ月もランクインし続け、「トライアングラー」が出るまでは自身のオリコンシングルチャート最高位と最高売上枚数の両方を保持し続けました。

ヘミソフィア(作詞:岩里祐穂、作曲、編曲:菅野よう子)

テレビアニメ「ラーゼフォン」のOPに起用された今作も、岩里と菅野のタッグで製作、2002年に発売されました。

アニメが非常に哲学的かつ幻想的な内容なのですがその世界観を楽曲でも表しています。

曲調はビョークのようなエレクトロニカであり、常に細かくなり続けるリズムトラックと複雑に絡み合う電子音の旋律やボイシングも非常に複雑な曲です。

カラオケで歌うととんでもなく難しい曲なのですが、難なく歌い上げる坂本真綾の歌手としての技量に注目するキッカケの曲になりました。

雨が降る(作詞:坂本真綾、作曲:かの香織、編曲:斎藤ネコ)

テレビアニメ「鉄のラインバレル」のEDに起用された今作は、作曲に、かの香織を迎えて2008年に発売されました。

ストリングスとギターロックの絡み合う美しいバラードソングで、複雑な展開ではないですが雨と愛情を絡めてしっとりを歌い上げるこの曲は個人的に最も好きな坂本真綾のバラードです。

ちなみにこの「雨が降る」はカップリングの「プラリネ」も非常にいい曲なのでそちらもおすすめです。

かの香織、というとショコラータ(80年代に存在した声楽とニューウェーブ、ファンクやポップスを融合させたバンド)のような奇才としてのイメージが非常に強かったのですが、こういったストレートに美しい曲も書けるということに驚きました。

Buddy(作詞:坂本真綾、作曲:School Food Punishment・江口亮、編曲:江口亮、ストリングス編曲:江口亮・村山達哉)

テレビアニメ「ラストエグザイル-銀翼のファム-」のOPに起用され、2011年に発売されました。

今作の特徴は何と言ってもSchool Food Punishment(2012年解散)とエモーショナル・ハードコア・ギターロックバンド、Stereo Fabrication of Youthの江口亮が携わったメロディの部分です。

ストリングスと絡み合うデジタル・ロックが小節ごとに転調を繰り返していくこの作品はポップでありながらも非常にトリッキーでかつ疾走感にあふれた作品となっています。

何度も聞くごとに発見がある曲なので中毒性の高い曲だと思っています。

School Food Punishment、惜しくも解散してしまいましたが、ポストロックとエレクトロニカやオルタナティブロックなどさまざまな要素を混在させたトリッキーなロックは非常に好みでしたし、坂本真綾と菅野よう子の相性を鑑みるにこういったコラボで関わることは個人的には正解だったなと聞いていて感じる曲です。

Stereo Fabrication Youthは1999年に結成されたバンドです。

こちらルミナスオレンジ(日本のオルタナティブロックバンド、海外での評価が高い)のような疾走感を持ちつつもより聞きやすい方向性のギターロックを打ち出していて、結構個人的に気に入ってるバンドの1つです。

現在はボーカルでギターの江口亮のソロプロジェクト化してる模様です。

Be mine!(作詞:坂本真綾、作曲:the band apart、編曲 the band apart、江口亮、ストリングスアレンジ:江口亮、石塚徹)

テレビアニメ「世界征服〜謀略のズヴィズダー〜」のOPに起用され、2014年にリリースされました。

今作の特徴は複雑なコードとポップかつ疾走感とテクニカルなバンドサウンドの融合です。

どこを聞いても非常にエッジの立った作風でありながら、坂本真綾との相性は抜群でした。

それもそのはず、作曲を担当したthe band apartの中でもベースの原昌和が坂本真綾の大ファンでありロック・イン・ジャパン・フェスティバルで坂本真綾が出演した際、生で見れなかったことを悔しく思うほどの方だったのです。

そんなわけで坂本真綾というアーティストを理解していないはずもなく……。

その、the band apartは4人組のロックバンドでメンバー全員が高い演奏技術をもち、ヘビーメタル、プログレッシブ・ロック、ファンク、フュージョンなどを巧みに融合させつつ、一聴するとポップというまさしく変態という言葉が似合うロックバンドです。

このコラボで知ったのですが、初めて聞いたときは衝撃を受けました。

彼らの作品も非常に良曲そろいなのでそちらもぜひ聞いてみてください。

幸せについて私が知っている5つの方法(作詞:岩里祐穂、作曲、編曲:ラスマス・フェイバー)

テレビアニメ「幸腹グラフィティ」のOPに起用され、2015年にリリースされました。

まるでDaft Punkなどを思わせるようなハウス・ミュージックのキックに非常にきらびやかなシンセサウンドが特徴的な作品です。

日本の音楽でハウス・ミュージック的なものを聞く、それが声優の作品というのはなかなか意外に思いました。

電子音楽というと非常に無機質なとか冷たい印象を持つ方もいますが、決してそんなことはなく非常にポップな作品なので初心者にもおすすめの1曲です。

これに限らず坂本真綾は非常に良質なポップソングアーティストの1人だと思っているのでぜひこの機会にいろいろと触れてみてくださいね!

ライタープロフィール

ライター

アセイ

中学二年のとき、LUNA SEAの再結成ライブに衝撃を受け、音楽、特に90年代のV系にのめり込む。

同じ音楽が語れる友達も出来ないままその後大学生になり、スタジアムからライブハウスまで様々な場所に通いつめ、現在に至る。

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