最近は楽器のお手入れ記事ばかり書いてます。
今回は自己流+ネットで見て良いと思った洗浄方法、お手入れ方法などを書きました。
自分はこうやってる!
なんてご意見・アドバイスなど大歓迎です。
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使用する道具など
僕が使用している道具をリストアップしてみます。
- プラスチックおけ、コップ(各パーツを入れる)
- ティッシュまたはガーゼ(洗浄前に使用)
- クリーニングロッド(ガーゼを巻いて使用)
- 割り箸(ティッシュorガーゼを挟んで使用)
- つまようじ・竹串(細かい箇所の汚れ用)
- 専用ブラシ
- 洗剤(ブラスソープ、バルブクリーナーなど)
- 奇麗なガーゼ・クロス(洗浄後 楽器の水分を拭く専用)
- スワブ(洗浄後管内の水分を取る)
- ポリッシュ(シルバーのは洗浄前、ラッカーは後に使用)
- 綿棒(細かい部分の掃除などに)
- 手袋(必要なら)
楽器を分解する(ツバ抜きのネジは注意!
)
まずは簡単に取り外せるパーツを外していきます。

各抜き差し管
1、2、3番管の3つ。
バックなど3番管の先端が外せるものは外します。
ストッパーのネジやナットも外し、気になるなら洗いましょう。
3番管のトリガーが可動式の場合、トリガーリングとネジは取り外しましょう。
取り外さずに洗浄して水分をそのままにしておくとネジ部がサビて固着するかも。
別にオイルやグリスが付着するパーツではないので、気になるなら一緒に洗浄する程度で良いと思います。
ウォーターキイのネジとバネ
ヤマハのウォーターキイは簡単に取り外せるようになっています。
ネジとバネは洗浄しなくても大丈夫ですが、気になるなら分解して洗っても大丈夫です。
面倒くさければそのままでも大丈夫かと、バックなどのネジとバネはそのままですしね。
バックやシルキー等のウォーターキイのバネは一度外すと再利用できないので、滅多なことでは外しません。
外した場合、新品のバネを購入するハメになります。
また、このネジの締め具合で抵抗感も変わるので、個人的に(良い締め具合を見つけたら)いじることすらしない方が良いと思います。
分からないなら触らない。
アマドウォーターキイもできるなら分解して洗浄しましょう(写真右下)。
従来のタイプはΩ(オメガ)形状の非常に小さいピンで留められているのでなくさないように注意。
針を使って外しましたが、勢いよく飛んでいってしまいます……。
セロテープを貼ってから外すと良いかもしれません。
キャロルブラス、クイーンブラスやマーシンキウィッツのアマドウォーターキイはネジ式で外し易いので毎回洗うと良いでしょう。
アマドのキャップ、バネ、ボタン(正式名称?
)は汚れがたまることが多いのでちょくちょく洗った方が良いです。
同じく小さいのでなくさないよう注意しましょう。
ピストンバルブ
ピストン軸から上は別に洗わなくても良いです。
最初の写真左上にもありますが、ピストンボタン、トップキャップ、フェルト、ピストン軸のセットのまま外しておけば楽です。
ピストンバルブを水洗いする理由としては、バルブストロークによって生じたカスを洗い流すのが1番の目的でしょうか。
カスを放置すると不必要なところまで削れて、気密性に関係してきます。
ボトムキャップにはバルブオイルやピストンの削りカスがたまっている場合もあるので、洗っておきましょう。
特に新品の楽器は黒い削りカスがたまってることが多いので、使用したらバルブともども毎回水洗いしましょう。
その他バルブを水洗いする目的としては、古くなったバルブオイルが汚れのもとになったり、唾液と混ざって性能が落ちるので水洗い・洗剤洗いします。
バルブ部分はバルブオイルでベタベタなので別に洗浄します。
これだけは100均のコップに入れて別に洗浄しています。
フェルトは洗ってはいけません。
インナーフェルトにオイルが染みこんでいる場合もありますが、ティッシュで挟んでギュッと吸い取ったりしてもいけません。
たまに自然乾燥させると良いかも?
フェルトは消音目的の他、各バルブの穴の位置を維持するパーツでもあります。
ぬれたまま乾くと厚さが変わる恐れがあり、バルブの穴がズレてしまいます。
詳しくはこちら
ヤマハやバックのトップキャップにはゴム(またはフェルト)が付いていますが、少しでも劣化を抑えたいなら洗浄はしない方が良さそうです。
シリコンゴムでできた別売りパーツもあるので、そちらであれば大丈夫だと思います。
もちろん気にしないのであればまとめて洗っても良いでしょう。
水洗いは推奨されていませんが、バック用のへたりにくいフェルトもあります。
材質もボブリーブス・バルブアライメントのパッドに似ているのでおススメです。
インナーフェルト用もあります。
ベンジやバーバンクのようにピストンボタンの裏にフェルトが付いているタイプは、もしボタンを洗うのであればフェルトは外しましょう。
スプリングとスピル(バルブガイドとも呼ばれる丸い部品)はバルブオイルが付着していることもあるのでたまに掃除・洗浄すると良いでしょう。
スピルは小さいので排水溝などに流さないように!
メーカーによっては1個1000円超えます……。
また、水分をきちんと拭き取らないとバネやピストン軸の裏側が黒ずんだりサビたりします。

オイル・グリスを拭き取る、汚れの除去
洗浄前に汚れを除去しておくと、洗浄時に汚れも落ちやすく、水道代や洗剤の節約にもなります。
別々に書きましたが基本的にパーツを分解しながら行います。
各抜き差し管、ピストンバルブは外したらティッシュまたはガーゼでオイル、グリスを拭き取ってます。
月一のペースで洗っていれば大丈夫ですが、しばらく洗っていないとたまにグリスがこびりついている時があるので、クリーナーを使って拭き取ります。
各抜き差し管、枝管は、クリーナーロッドにガーゼを巻き付けたものでグリスを拭き取ります。
バルブクリーナーを付けるとより良いです。
クリーニングロッドだと長くてベルに当たるなんてことがあります、そこで割り箸にティッシュを挟み巻き付けた物を使うとスムーズです。

つまようじ、竹串を使う
ツバ抜きの穴に汚れがたまっていることがあるので、たまにつまようじで掃除すると良いです。
また、各抜き差し管、枝管の段差、マウスピースレシーバーとリードパイプの段差にたまったゴミを取るのにも使えます。
目で見えるところはつまようじで、竹串は外管が長くて届かないところに。

2番枝管にも汚れが……うまくピンボケしてます(笑)。
ボトムキャップの底の溝を掃除するにもつまようじは使えます。
また、つまようじの先端をネジ切り部分に合わせてボトムキャップを回すと隙間のゴミも取れます。
シルバーポリッシュの使用
銀メッキの楽器で黒ずみが気になる場合、僕はここで楽器を磨きます。
ポリッシュが残っていても洗浄中に洗い流してくれるからです。
シルバーポリッシュをクロスまたはガーゼに染み込ませて、黒く酸化・硫化している部分を磨きます。
ただ、シルバーポリッシュには研磨剤が入っており黒くなっていない銀メッキも削ってしまうので磨き過ぎに注意です。
ポリッシュの記事を別に書きました。
ぬるま湯と洗剤で楽器を洗う
洗面所、またはお風呂場で楽器を洗います。
洗面所で洗う場合は各抜き差し管や小さいパーツは100均で買った小さい桶に、バルブのみコップに入れてます。
熱いお湯はおススメしません、特にラッカーの楽器は熱いお湯で洗うとラッカー塗装だけペロンと剥がれてしまうことも……。
温かい~少しぬるいくらいで良いと思います(適温って何度でしょう?
)。
うちの洗面所はお湯が出るまで少し時間がかかるので、温まるまで桶やコップに水を流しつつオイルやグリスを洗い流してます。
大して変わらないでしょうけどね(笑)。
ぬるま湯になったら桶やコップの水を楽器が落ちないように押さえつつ捨てて、洗剤を溶かしたぬるま湯に浸けておきます。
頻繁に洗っているなら浸かるのはただのぬるま湯でもいいかもしれませんが。
その間に本体を洗います。
本体の洗浄
専用ブラシなら何でも良いと思いますが、愛用しているのはこれ。
金属製の部品がないので楽器が傷付く心配もないです。
棒状の太い方に洗剤を付けて、バルブケーシング内をゴシゴシ。
その後に細い方で各枝管の外管をゴシゴシ。
気を付けたいのは内管を洗う時です。
内管は細いので新品のブラシは入り難いです。
また力を入れ過ぎると内管が歪み1,3番管の動きが悪くなることもあります。
平行性がズレて動きが悪くなっただけなのに研磨してる人がたまにいますが、気密性に影響が出ます。
マウスピースブラシなど細いのを使うと良さそうです。
リードパイプはヒモが付いたブラシで洗います。
ヤマハのフレキシブルクリーナーSも洗い易いです。
勢いよく抜いた反動で楽器をぶつけないように気をつけてください。
こちらも気を付けたいのはチューニング管がリバースタイプの楽器です。
シルキーなどのリバース管の場合は、マウスピースレシーバー側からブラシを入れた方がリードパイプが曲がるなんて心配もなく安全だと思います。
抜く時は真っ直ぐ抜いてください。
最後に、泡立った泡を手に付け楽器の表面を洗います。
楽器を落とさないようにも注意してください。
洗い終わったらぬるま湯で洗剤をしっかりと洗い流します。
また、銀メッキは水分をそのまま放置しておくと水垢が付いて黒ずみに繋がるので、早めにガーゼで拭いて水分を取ります。
ラッカーもそうだと思いますが自然乾燥はあまり良くないように感じます。
抜き差し管、バルブの洗浄
本体を拭きあげたら残りです。
個人的に、頻繁に洗っているのなら汚れも少なそうなので抜き差し管から洗います。
逆に全然洗っていない楽器だと、抜き差し管の中で汚れがたまってそうなので、なるべく長い間洗浄液に浸けておきます。
汚れがふやけて落としやすくなります。
浸け置き洗いの記事も書こうかな。
抜き差し管は紐付きブラシでU字の部分を掃除、洗えるなら細い方の棒状ブラシでもゴシゴシ。
同じく内管を磨く時は曲がらないように注意してください。
紐付きブラシを入れる方向も外管側から通し、内管から出るようにしてます。
撮影のため片手で持っています。
ブラさげないように。
バルブの穴は紐付きブラシを通してもいいし、棒状ブラシで洗ってもいいと思います。
抜き差し管もバルブも頻繁に洗っていればそんなに汚れはないと思います。
洗浄が終わったら桶とコップの洗剤を落とし水をきって、同じく洗剤をぬるま湯でしっかりと洗い流した各パーツを入れます。
各パーツの水気を取る
洗浄が終わったら水分を拭き取ります。
先に書いた通り自然乾燥は水垢などに繋がりますし、水気が残っているとグリスやオイルが水と混ざってちゃんと機能しません。
まずガーゼまたはクロスで優しく水分を拭き取ります。
その後にスワブやガーゼ付きクリーニングロッド、割り箸で管内の水分も取ります。
洗浄後にティッシュは使いません、せっかく洗った管内に繊維が残ってしまうかもしれないので。
スワブを通す時も丈夫な外管側から通し、真っ直ぐ引き抜きます。
チューニング管は両方内管なのでスワブを真っ直ぐ通しましょう。
絡まってるのに無理に通すと歪む・曲がる恐れがあります。
貫通しているピストン軸は中の水分を息で飛ばし、ティッシュのこよりで水気を取っています。
3番管のネジ式ストッパーのネジ穴も水がたまってることが多いので息で吹き飛ばします。
これらは管内ではないのでティッシュでOKです。
組み立て、グリスアップ
水分を拭き取ったらグリスアップして組み立てです。
ウォーターキイを分解していたら先に組み立てます。
アマドウォーターキイならマウスピース用のスワブを通すと水分が取れて便利です。
バルブは中に水分が残りやすいので、ギリギリまで立てておき直前で組み立ててます。
順番は何でも良いのですが、僕は2番管、チューニング管、1番管、3番管、ボトムキャップ、ピストンバルブ組み立て、バルブを半分入れてからバルブオイルを注す、ストッパーネジなど、の順で組み立てています。

スピル(バルブガイド)の向きとバルブの向きを間違えないように。
2番管側が手前だとすると、出っ張りの大きい方が奥になるようにバルブにセットします。
写真では分かりにくいですが、裏表ともわずかに上のが横に長いですよね。
バルブの向きも数字が手前になるように入れます。
ベンジ、バーバンクなどは逆に数字が奥に向くようにして入れます。
1番スライドにU字フックやリングが付いていないものは、スライドオイルではなくスライドグリスを使用します。
スライド操作する必要がないのでスライドグリスで気密性を高めます。
ただ、吹き難くなった場合はスライドオイルでかまいません。
ラッカーポリッシュの使用
ラッカー塗装の楽器であればここで使用します。
ラッカーポリッシュの目的は研磨ではなくラッカーの保護です。
ラッカーポリッシュを付けて拭きあげるだけで汚れを除去し、皮膜ができて表面をコーティングしてくれます。
凄く長い記事でしたが以上です。
もし何かあれば教えていただけると助かります!






