トランペットがかっこいい曲。吹奏楽やジャズの名曲を紹介
トランペットは管楽器の中でもとくに花形楽器として位置づけられることが多く、とくに吹奏楽やクラシックではトランペットが目立つフレーズを演奏していることはよくありますね。
そのほかにもドラマや映画の挿入歌やジャズの名曲の中にもトランペットが活躍する楽曲がたくさんあります。
そこでこの記事では、トランペットがかっこいい曲を一挙に紹介していきますね。
トランペットを軸にして、ジャンルを問わずにさまざまな曲を選びましたので、ぜひご自身で演奏したい曲を見つけてください。
トランペットがかっこいい曲。吹奏楽やジャズの名曲を紹介(1〜10)
ハトと少年久石譲

こちらの曲は、宮崎駿さんの作ったのアニメ映画『天空の城ラピュタ』の中で演奏される曲で、久石譲さんが作りました。
日の出とともにトランペットを吹く、ハトを飼っている主人公のパズー。
彼がこの曲を演奏している描写は印象的ですよね。
曲も昔から演奏されていたクラシックの名曲かと思うような、美しくはつらつとした曲です。
アニメの中では必殺シリーズをはじめとした、さまざまなテレビドラマのテーマ曲を演奏したことで知られる数原晋さんが演奏しています。
映画「スターウォーズ」より「メイン・タイトル」John Williams

映画音楽の中で、トランペットがテーマをとる曲といえば、こちら映画『スター・ウォーズ』の『メイン・タイトル』があがるのではないでしょうか。
数々の映画音楽を作曲したジョン・ウィリアムズさんの作品で、一流オーケストラも演奏するほどスタンダードチューンとなっています。
『メイン・タイトル』を聴くだけで、映画のさまざまなシーンが目に浮かび、冒険に出かけたくなりますよね。
これからも名曲として演奏され続けてほしい1曲です。
ルパン三世のテーマ’78大野雄二

アニメや映画で知られるルパン三世のテーマはアレンジによっていろいろなバージョンがありますが、こちらの78年バージョンはとくにトランペットのイントロ部分がかっこよく、ジャズアレンジを意識した仕上がりとなっています。
ジャズピアニストでもある大野雄二さんが作った曲で、演奏しているミュージシャンも日本のジャズ界を代表するメンバーで固められています。
こちらの動画では間奏部分でアドリブソロが聴けるところもポイントが高いです。
SpainChick Corea
アメリカでジャズピアニスト、キーボーディスト、作曲家として活躍したチック・コリアさんの『Spain』は、ジャズの名曲としてあまりにも有名な作品です。
スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴさんの代表作『アランフェス協奏曲』の第2楽章のモチーフを使用した印象的なイントロからはじまり、アップテンポに切り替わったところで演奏者も聴衆も一気にテンションアップ!
ジャズバンドやピアノデュオ、サックスソロなどさまざまな形態で親しまれており、トランぺッターにとっても重要なレパートリーの一つとなっています。
必殺仕事人のテーマ平尾昌晃

1972年から長い間テレビ時代劇シリーズとして放映されていた、必殺シリーズ。
藤田まことさん演じる中村主人がいい味を出していましたよね。
いわゆる時代劇とは違い、その当時の時事ネタなども盛り込んだ番組でした。
その番組のトレードマークのように愛された曲がこちらです。
トランペットのファンファーレが始まるとワクワクします。
演奏はさまざまなドラマや番組の主題曲を演奏した名トランぺッター、数原晋さんによるものです。
情熱大陸葉加瀬太郎

ドキュメンタリー番組『情熱大陸』のオープニングテーマとして作曲され、バイオリンソロだけでなくブラスバンドやピアノソロ、トランペットソロなどさまざまな形態で親しまれている、葉加瀬太郎さん作曲『情熱大陸』。
本作は、依頼から納期までの期間が1週間と非常に短かったことから、自身が手掛けた既存の作品のモチーフをかき集めて仕上げられたのだそうです。
この曲がもつパッションは、無理難題を前に「やってやる!」と燃えていた当時の葉加瀬さんの心情を映し出しているのかもしれませんね。
Friday Night FantasyPierre Porte

フランス出身の作曲家で「音の画家」の異名を持つピエール・ポルトさん作曲の『Friday Night Fantasy』は、映画番組『金曜ロードショー』のオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲です。
本作は、作曲当初に「トランペットを入れた作品を」との依頼で作曲された、まさにトランペットが主役の1曲!
心をえぐるような旋律が、トランペットの絞り出すような切ない音色とマッチしていますよね。
物語の主役になったつもりで堂々と演奏してみてください。
Sing, Sing, SingBenny Goodman

こちらの曲は、スイングジャズのスタンダード・ナンバーですが、映画『スウィングガールズ』などでも取りあげられたので、耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
ジャズ歌手でトランペット奏者でもあるルイ・プリマさんが作曲した曲で、ドラマーやクラリネットをフィーチャーした曲ですが、トランペットのおいしいところがうまく生かされています。
トランペットのかっこいい音圧が楽しめるので、そこを注目して聴いてみてください。
仁義なき戦いメインテーマ津島利章

「任侠映画といえば?」の問いに、多くの人が答えるであろう代表的な作品『仁義なき戦い』。
数々の映画ランキングで上位にランクインし舞台化もされた人気作品は、そのテーマ曲も非常に印象的!
冒頭のしゃくりあげるようなトランペットの音色からは、何とも言えないすごみや恐ろしさを感じますよね。
この作品は、テクニックうんぬんより、いかに雰囲気を再現するかが重要!
映画の世界観に浸りつつ、自分もその世界の一員になったつもりで演奏してみてはいかがでしょうか?
SummertimeGeorge Gershwin

ジャズ、ポピュラー、クラシックと幅広いジャンルの作品を手掛けたアメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュウィンさん、彼が1935年に発表したオペラ『ポーギーとベス』の名アリア『Summertime』は、歌手によって歌われるだけでなく、さまざまな楽器による演奏で親しまれています。
歌詞の内容は子供の成長を願う子守歌ですが、ゆるく気怠い雰囲気の曲調が、ジャズトランペットと相性抜群!
トランペットのかっこよさを思う存分アピールできる1曲です。
トランペットがかっこいい曲。吹奏楽やジャズの名曲を紹介(11〜20)
はぐれ刑事純情派メインテーマ甲斐正人

1988年から2009年までに、計18シリーズ、444回が放送された、藤田まことさん主演のテレビドラマ『はぐれ刑事純情派』。
リアルタイムで観たことがなくても、再放送などで目にした記憶がある方も多いのではないでしょうか?
約20年にわたってドラマとともに愛され続けたメインテーマは、トランペットの音色が印象的!
ネタとして演奏されることも多い楽曲ですが、一つの作品として十分に魅力的ですので、一度じっくり味わいながら演奏してみてはいかがでしょうか?
宝島和泉宏隆

日本が誇るフュージョン・バンドの代表的な存在、T-SQUAREのキーボーディストとして1982年から1998年における黄金期に活躍した和泉宏隆さん。
脱退後もソロ・アーティストや多数のユニットで精力的な活動を続けるも、2021年の4月に惜しくも亡くなられてしまいました。
そんな和泉さんがT-SQUARE時代に作曲を手掛けた『宝島』は、さまざまな名曲の吹奏楽編曲を担当したことでも知られている真島俊夫さんによって編曲され、吹奏楽の定番曲として学園祭などでも愛され続けている大名曲です。
トランペットはソロ・パートなどもありますから、これを演奏できれば間違いなくその日の主役はもらったようなものですね!
歌劇「アイーダ」より凱旋と勝利の大行進曲Giuseppe Verdi

ジュゼッペ・ヴェルディが作曲したオペラ、『アイーダ』の中の1曲、『凱旋行進曲』がこちらの曲です。
人気があり、この曲だけ単独で演奏されることも多いです。
この曲の中のトランペットの主題部分は、サッカーの応援歌としてもとても有名ですよね。
トランペットの音色はきらびやかで、とても勢いがあるので応援歌としてはうってつけです。
オペラのほうも異国情緒あふれる衣装やシナリオなど、とてもおもしろいのでぜひ見てみてください。
ウィリアム・テル序曲Gioachino Rossini

普段、私たちが耳にするトランペットが印象的な曲といえば、こちらの『ウィリアム・テル序曲』ではないでしょうか?
タイトルだけではピンとこないかもしれませんが、曲を聴いてもらえればわかると思います。
そう、運動会の定番の曲です!
定番すぎて気づかなかった方も多いと思いますが、この曲の冒頭のトランペットは非常に高難易度のメロディーに仕上げられています。
難易度の高さを考えると十分にかっこいいと言える作品ではないでしょうか?
トランペット吹きの休日Leroy Anderson

1954年にルロイ・アンダーソンさんが作曲した曲がこちらです。
とても速いパッセージが印象的なこちらの曲は、運動会のBGMなどとして耳にしたことが多いのではないでしょうか。
休日というタイトルなのに、休みなくトランペットを演奏している印象が強く、矛盾を感じますよね。
しかし、以前は軍隊のトランペットを吹く人が起床や就寝などの合図ばかり吹かされていたため、もっと楽しい曲を吹きたい、という気持ちを曲にしたもののようです。
それを知るとこの曲のイメージが変わりますよね。
Olympic Fanfare and ThemeJohn Williams

『スター・ウォーズ』『E.T.』『インディ・ジョーンズ』など、数々の有名な映画音楽の作者として知られているジョン・ウィリアムズさんが作ったファンファーレがこちらです。
1984年のロサンゼルスオリンピックのために作られたこちらの曲は、いろいろなシーンでの定番曲としてその後も愛されています。
トランペットの豪華なファンファーレから始まるこの曲は、一度聴いたら忘れられない、ファンファーレの名曲と言えるでしょう。
ロッキーのテーマ岩井直溥

ある年代以上のトランペットを手にしたことのある方なら、1度はこっそり吹いてみたことがありそうなのが、こちらの曲です。
1977年にリリースされた、映画『ロッキー』の主題歌は、トランペットのテーマを聴くだけでロッキーの熱い戦いをイメージし、胸が熱くなりますよね。
トランペットの魅力は高音にあると思いますが、それが十分に生かされた曲です。
動画は吹奏楽用のアレンジとなっており、よりトランペットがフィーチャーされています。
On the Sunny Side of the StreetLouis Armstrong

ブロードウェイのミュージカル『ルー・レスリーのインターナショナル・レビュー』で始めて演奏されたこちらの曲は、ジャズのスタンダードナンバーとして今も愛されています。
日本でもっとの知られているのはルイ・アームストロングさんによる歌唱と演奏なのではないでしょうか。
2022年のNHK連続テレビ小説、『カムカムエヴリバディ』の中でも一貫してとりあげられ、物語の軸となっていました。
明るいトランペットの音色が暗い世の中を明るくしてくれそうです。
祝典序曲Dmitrii Shostakovich

ソビエト連邦出身の作曲家、ショスタコーヴィチさんが作った曲がこちらです。
そのタイトル通り、1947年に十月革命30周年を記念して作曲されました。
3拍子のトランペットのファンファーレ部分は、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
最初のトランペットのファンファーレから、いろいろな楽器に主題は引き継がれ、展開されていきます。
クラシックの曲は長いので、ファンでない方はあまり聴きこまないかもしれませんがぜひ最後までじっくり聴いてみてください。
交響曲第5番Gustav Mahler

こちらの曲はグスタフ・マーラーさんが1902年に作った曲です。
この交響曲の第4楽章は、1971年に作られた有名な映画『ベニスに死す』の中でも使われたので、聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。
第1楽章の部分は葬送行進曲と呼ばれ、葬式の列の出発を告げるかのようなトランペットの暗いファンファーレが印象的です。
状況が目に浮かびそうな、激しい展開が魅力的ですね。
トランペットというと華々しい曲が多いですが、このような使われ方もおもしろいです。
トランペットがかっこいい曲。吹奏楽やジャズの名曲を紹介(21〜30)
カーペンターズ・フォーエバーJ.Raposo/P.Williams/R.Nichols/J.Bettis/R.Carpenter/H.David/B.Bacharach/L.Russell/B.Bramlett/F.Karlin/J.Griffin/R.Wilson

時代を超えて愛されるカーペンターズの名曲群を、吹奏楽ならではの華麗なアレンジで楽しめるメドレー作品。
本作は、バート・バカラックさんやポール・ウィリアムズさんといった名匠たちの楽曲を、編曲家の真島俊夫さんが一つの物語のように見事に紡ぎあげています。
未来への希望を感じさせる壮大なファンファーレから、心にじんわり染みる温かいメロディ、そして幸福感があふれるクライマックスへと続く展開は、聴く人の心をグッと掴んで離しません。
このアレンジは2015年6月、ヤマハの吹奏楽向け楽譜集として制作されたものです。
ポップスの輝きと吹奏楽の力強さが融合したサウンドは、演奏会を華やかに彩る、かっこよさを存分にアピールできる一曲です。
華麗なる舞曲Claude Thomas Smith

華やかな舞踏会で人々が軽快に踊る様子が目の前に浮かび上がるような、躍動感があふれる1曲です!
吹奏楽の名曲を数多く手がけるアメリカの作曲家、クロード・トーマス・スミスさんの作品です。
この楽曲はアメリカ空軍バンドからの委嘱で書かれ、演奏時間約9分に及ぶ技巧的で壮大な構成が特徴。
本作は「Folâtre(陽気な、遊び心のある)」の舞曲というテーマの通り、きらびやかでスリリングなサウンドが聴く人の心をとらえて離しません。
各楽器にちりばめられた華麗なソロは、奏者の実力を存分に引き出す見せ場となっています。
演奏会のメインプログラムや、バンドの実力を示す挑戦曲を探している方にピッタリ!
聴衆に強烈なインパクトを与える、忘れられない一曲になること間違いなしです。
ドラゴンクエスト・コンサートセレクションすぎやまこういち

プレイヤーという勇者の壮大な物語の始まりを告げるファンファーレが、聴く人の心を鷲掴みにする吹奏楽メドレー。
日本を代表する作曲家すぎやまこういちさんの不朽の名曲を、編曲家・真島俊夫さんが約9分48秒のドラマティックな一編に仕上げています。
本作は、ゲーム音楽を演奏会用に再構成したもので、広大な世界を旅し、強大な敵に挑む勇者の物語が目に浮かぶような構成が魅力です。
元となった『序曲』が2021年の東京オリンピック開会式で使用されたことも、その音楽的価値の高さを物語っています。
胸が高鳴る勇壮なサウンドは、演奏会のクライマックスで披露すれば、会場を熱狂の渦に巻き込むことでしょう。
「レトロ」2023年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ天野正道

1970年代から80年代のポップスを現代の吹奏楽に見事に蘇らせた映像音楽の巨匠、天野正道さんによる一曲。
本作は、2023年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲとして委嘱され、全国大会では99団体中35もの団体が演奏したことでも大きな話題となりました。
ブライトロック、センチメンタルバラード、クロスオーバーと次々に表情を変える構成で、聴く人を飽きさせません。
ドラムやコンガが刻む本格的なリズムと、トランペットやサックスのジャジーなソロがとにかくクール!
「本物のポップスを」という作曲者の情熱が、サウンドの隅々から伝わってくるようです。
グルーヴ感があふれる演奏で会場を沸かせたいバンドにとって、最高の見せ場を作ってくれるのではないでしょうか?
Friend Like MeAlan Menken

スムーズ・ジャズのような艶やかなメロディーがトランペットの魅力のようにも思えますが、それだけではありません。
スウィング・ジャズもトランペットの魅力を味わう上でオススメのジャンルです。
こちらの『Friend Like Me』は、ディズニー映画『アラジン』の劇中で登場する楽曲で、ミュージカル調のスウィング・ジャズに仕上げられています。
迫力のあるオーケストラとジミー役の山寺宏一さんのボーカルが絶妙にマッチしていますね。
So WhatMiles Davis

ジャズ・トランペッターとして、ルイ・アームストロングさんとはまた違った魅力を放つ、マイルス・デイビスさん。
彼のトランペットはクールで、はなばなしさというより、知的なイメージがあります。
こちらの曲は、だから何なんだ、というマイルスさんの口癖をタイトルにした曲で、当時としては新しかったモードという手法を使った曲となっています。
その曲調に合わせるため、モード奏法に明るかったビル・エバンスさんが参加しています。
夜空のトランペットニニ・ロッソ

静寂に包まれた夜空に、トランペットが心に染み入る優美な音色を奏でます。
イタリアを代表するトランペット奏者ニニ・ロッソさんによる本作は、戦場での消灯ラッパから着想を得た、平和への祈りが込められた名曲です。
1964年に公開された本作は、イタリアやドイツ、オーストリアなど欧州各国でチャート1位を獲得し、1967年までに500万枚以上のヒットを記録しました。
1972年には第23回NHK紅白歌合戦にも出演し、フランク永井さんの伴奏を務めるなど、日本でも親しまれています。
穏やかな時間を過ごしたい時や、心を落ち着かせて集中したい時に、響き渡る叙情的な旋律が心に寄り添ってくれることでしょう。
グランドマーチ小長谷宗一

『グランドマーチ』は作曲家、小長谷宗一さんが手掛けた行進曲です。
静岡県の選抜バンドのために1996年に書き下ろされ、オランダのデ・ハスケ社から出版され話題になりました。
トランペットの華やかなファンファーレから始まり、トロンボーン、ホルンの低音が加わると壮大な響きが広がります。
打楽器を専門とする小長谷さんの作品らしく打楽器のサウンドも光る1曲なんですよね。
入場曲にもピッタリの楽曲なのでぜひチャレンジしてみてください!
トランペット・ヴォランタリーJeremiah Clark

華やかな音色が会場のテンションを一気に引き上げる王道の祝祭曲です。
1700年頃に鍵盤楽器用の楽曲集『A Choice Collection of Ayres』に収録された本作は、トランペットの明るい音色を模倣した旋律が印象的で、モーリス・アンドレさんやロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団など、多くの名手たちが演奏を手がけています。
1981年のチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式で演奏されて以来、結婚式の定番曲として親しまれてきました。
颯爽と行進しながら入場する場面や、表彰式での栄誉を讃える瞬間など、場を盛り上げたい時に効果的な1曲です。
ローマの祭りOttorino Respighi

1800年代後半から1930年代までの間、近代イタリア音楽において活躍したオットリーノ・レスピーギによる楽曲『ローマの祭り』です。
「ローマ三部作」と呼ばれる交響詩の最後を飾る作品であり、1つの楽章の中で4部に分かれてそれぞれテーマが設けられているという構成となっています。
非常にダイナミックな管弦楽曲であり、当然ながらトランペット奏者の出番も多い作品なのですね。
オープニングから「バンダ」と呼ばれるオーケストラ編成とは離れた位置で演奏する別動隊によるファンファーレが響き渡りますし、全体的に見ても多くのソロ・パートやアンサンブルが随所に盛り込まれており、トランペットの音色がお好きな方にはたまらない名曲だと言えましょう。
オーケストラでローマのさまざまな時代における祭りを描いたという作品ですから、作曲者自身が付けた標題を知っていると、さらに作品を楽しめるはず!
トランペットがかっこいい曲。吹奏楽やジャズの名曲を紹介(31〜40)
軽騎兵Franz von Suppé

オーストリアの作曲家フランツ・フォン・スッペが作ったこちらの曲は、オペレッタの作品『軽騎兵』の中の1曲として演奏される曲でしたが、現在オペレッタはほとんど上演されず、こちらの曲だけが独り歩きして有名になっています。
とくにこの曲の冒頭のファンファーレ部分は、テレビ番組の効果音などでもよく使われているので、聴いたことがあるのではないでしょうか。
複数のトランペットによるファンファーレは印象的で、威厳があり、独特の雰囲気を持っています。
聖者の行進

こちらの曲は日本でも耳なじみのある曲ですが、もともとはニューオリンズのアフリカ系アメリカ人の葬儀の際に、セカンドラインと呼ばれた楽隊が演奏していた曲がルーツです。
葬儀を済ませ、神の国に旅立った故人の魂が解放され、天国に行くことを祈り、演奏されたそうです。
映画『5つの銅貨』でルイ・アームストロングらがこの曲を演奏したことで有名になりました。
スポーツの試合などで応援歌として演奏されることも多い曲です。
Car 16 15 A黒田卓也

前のめりなリズムが印象的なインストゥルメンタル楽曲は、最近のヒップホップとマーチングバンドを意識して制作されたもので、黒田卓也さんらしいグルーヴィで先鋭的なジャズ・サウンドが炸裂する渾身の一曲。
共同制作者のドラマー、デイヴィッド・フレイザーさんとの出会いから生まれた本作は、彼のトラックメイキングのセンスが見事に反映された意欲作となっています。
2025年2月にユニバーサルミュージックからリリースされたアルバム『EVERYDAY』の収録曲で、同年2月にはミュージックビデオも公開。
アルバムには他にも『Must Have Known』『Off to Space』など、ジャンルの壁を軽やかに飛び越えた楽曲が収められています。
まるで都会の夜を駆け抜けるような躍動感と、ジャズの本質を捉えた即興性に富んだ演奏は、夜のドライブのお供にぴったりな一曲です。
イン・ザ・ムードGlenn Miller

サクソフォンのメロディが耳に残る明るい楽曲は、グレン・ミラーさんが1939年9月にリリースした大ヒット作品です。
サックスとトランペットの掛け合いが生み出す躍動感あふれるサウンドは、ダンスフロアの高揚感や楽しさを表現し、スウィング・ジャズの魅力を存分に伝えています。
本作は2004年の映画『スウィング・ガールズ』でも使用され、高校生たちの青春を彩る印象的なシーンを生み出しました。
吹奏楽の世界でもスタンダードナンバーとして多くのバンドに演奏されている名曲です。
組曲「宇宙戦艦ヤマト」宮川泰
壮大なオーケストラサウンドと感動的なメロディが特徴的な吹奏楽の名作です。
宮川泰さんがプロデューサーの要望を受けて「鉄」をイメージして作り上げた雄大なイントロが印象的な本作は、1974年から放送されたテレビアニメのBGMを、オーケストラ向けに見事に再構築。
吹奏楽の魅力を存分に引き出した構成で、アンサンブルを楽しむ方々にピッタリの作品となっています。
週末の練習や、仲間との合奏にもオススメです。
特に、アニメをリアルタイムで観ていた世代にとっては、たまらない編曲作品といえるでしょう。
エターナル・ストーリー山下康介

トランペットとサクソフォンの息の合った演奏が織りなす美しい旋律が心にしみる、山下康介さんの代表作。
永遠に語り継がれる物語をテーマに、2つの楽器が会話を交わすように繊細な掛け合いを見せます。
ノルウェー出身の天才トランぺッター、ティーネさんと、日本のトップサクソフォニスト、田中靖人さんのデュエットソングとして書き下ろされた本作は、2012年にテレビ東京系『美の巨人たち』のエンディングテーマとして使用され話題に。
今では吹奏楽やオーケストラなどさまざまな編成で演奏されています。
心を落ち着かせたいときにピッタリの1曲です。
トランペット協奏曲Franz Haydn

フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが彼の晩年にあたる1796年に作曲したトランペット協奏曲がこちらです。
今ではトランペット奏者に人気のこちらの曲ですが、1800年に初演されたものの、当時は不評でした。
半音も演奏できるバルブ付きトランペットを初めて発明したアントン・ヴァイディンガーのためにハイドンはこちらの曲を作ったそうです。
昔のトランペットはバルブがなかったので、下の方の音域では半音はおろか全音差がある曲も吹けませんでした。
当時としては画期的な曲だったんですね。
おわりに
吹奏楽で定番の楽曲を中心に、クラシックやジャズ、ポップスも加えてトランペットがかっこいい曲を紹介しました。
端切れのいいファンファーレがある楽曲をはじめ、ムーディーで大人な雰囲気の曲もありました。
ぜひあなたがトランペットで演奏したい曲を見つけてかっこよく披露してくださいね。