【初心者のためのpBone(ピーボーン)入門】音の出し方から分解お手入れまで
最近プラスチックのトロンボーン「pBone(ピーボーン)」を吹くのにハマっています。
(pBoneミニはE♭管なので注意!
)
最初はトランペット吹き向けに書いていたのですが、純粋に楽器未経験者のためのpBone入門記事にしました!
組み立てから音出し、スライドの動かし方、メンテナンスまで!
優しいトロンボーン吹きの方は「こうすると良いよ!」なところがあったら教えてください。
各パーツの説明
ピーボーンは大きく分けてマウスピース、ベル、スライドの3つに分けられます。
(pBoneはiPhoneをもじってますね。
どうでもいいけど)
pBone mini(ミニ)はE♭管なので気軽に楽しみたい方は購入しないように!
マウスピース(歌口)
マウスピースは透明の樹脂製で、そのpBoneのカラーと同じ色のマウスピースが付属しています。
バック(メーカー名)の11Cか12Cぐらいの大きさです。
白いpBoneを購入する透明なマウスピース(写真)が付いてくるので唇が振動している様子が鮮明に見れるので個人的におススメ!
ただし、ボディが白いのでキズや日焼け(茶色くなる)も目立ちやすくなります。
汚れが目立つのやイヤだ!
でもマウスピースで口の振動も見てみたい!
なんて変態研究熱心な方は好きな色のpBoneとKELLY(ケリー)のマウスピースのクリスタルクリアを合わせて購入すると良いでしょう。
ケリーのマウスピースも樹脂製ですが、冬の野外演奏などでも演奏できるようにちゃんと作られているのでお高いです。
(アメリカやカナダでの冬は氷点下を下回る事もあり、金属製だと唇に張り付いて吹けない!
なんて事もあるそうです。
)
プロの愛用者も多く、トランペット奏者だとボビー・シューが有名ですね。
もちろん金属製のマウスピースを使用するとよりトロンボーンの音に近付きます。
購入する場合は「細管用」を購入しましょう。
バック、ヤマハ、マーシンキウィッツのマウスピースが安めです。
スライド(外管と内管)
ピーボーン購入時には既に外管と内管は一緒になってケースに入っています。
真鍮(ブラス)製のトロンボーンだと滑りを良くするために水やクリーム?
を塗るそうですが、pBoneは基本何も付けません!
演奏しない時は内管が落ちない様にロックをかけます。
ロックは外管に付いているのですが、ネジの間隔がズレるとロックがかからないのでちょうど良いところを探してください。
内管の先端にはストッキングと呼ばれ、スライド動作のためここだけ真鍮が使用されています。
サビなどに注意。
ベル(とチューニング管)
ベル、いわゆる朝顔、ラッパの部分です。
チューニング管と呼ばれる小さい管が取り外し式になってます。
ここもブラス製の楽器ならグリスを塗りますが、pBoneはグリスも塗りません(よほど硬い場合を除く)。
メンテナンスは後半に書きますが、基本すべて水洗い可能です。
チューニング管は細い方と太い方があるので、確認してから挿し込んでください。
組み立てと準備
ピーボーンの組み立ては簡単です。
スライドには2つ挿し込み口があり、細い方へマウスピースを、太い方にベルを挿し込みます。
スライドとベルは90度になるように挿し込みましょう。
スライド側の差し込み口にはベルが深く挿しこめるように型取られているのですぐ分かると思います。
そしてベルに付いているチューニング管を1~2センチ抜きます。
初めての方は1センチ~1.5センチ抜けば大丈夫です。
持ち方
真鍮製と違い軽いし、凹む事もないので扱いやすいですが、一応持ち方を。
基本は左手(と口元)で楽器を保持、ベルとスライドの繋ぎの辺りを持ちます。
親指はベル側の支柱に親指をかけ、他の4本はスライドの中に指を通し持ちます。
ジャズトロンボーン奏者は人差し指をマウスピースにかけてる人が圧倒的に多いです。
カッコいい!
右手はスライド操作をするためだけに使うので、スライド側の支柱を人差し指、中指、親指で軽く持ちます、つまむ感じ。
薬指、小指を使う人もいます。
右手でスライドを保持してからロックを外します。
pBoneには小さなトリガー?
があったのでそこに親指を合わせて持ってみました。
吹いてみよう!
簡単に言ってしまえば息を吹いたら唇が振動して音にします。
トランペットの初心者の場合、マウスピースだけで吹かせるより最初から楽器を吹かせる方が音が出し易いです。
トロンボーンもですね。
どちらから吹き始めてもかまいませんし、マウスピースが吹けないといけない!
なんて事はありません。
そして「金管楽器は最初が肝心だから早めにプロのレッスンを受けましょう!」って良く言われますが、初心者だからこそ思い思いに楽しんで欲しいと思っています!
僕も昔は最初からプロに習うのが良いと思っていましたが、ちょっと違うなと思う様になりました。
出ましたか?
もし出し難かったら次の事を試してみてください。
人によっては唇をペロっと舐めて湿らせると良いかも。
1. 息を優しく流す
最初から音を出したいと思うかもしれませんが、まずは息だけを優しく「フー」と吹きます。
ベルの出口から生温かい空気が出てくると思います。
小さい子は全力で誕生日ケーキのろうそくの火を消しますが、大人なので必要最低限の強さで消す、くらいの息で大丈夫です。
2. 唇を少しずつ閉じる
息を流しつつ上下方向を意識して唇を閉じてみてください。
人によっては少し前に突き出しながら閉じると良いかもしれません。
すると、唇が勝手に振動をし始めます!
なかなか音が鳴らなかった人は唇を固め過ぎていたのかもしれませんね。
3. マウスピースの密着度を変化させる
1と2を10回試しても出ない!
って人はもう少しマウスピースを密着させてみるとどうでしょうか?
もしかすると簡単に出てしまうかも。
人によっては押しつけ過ぎている可能性もあるので、逆に密着を弱めてみる。
息が流れていないと音は出ないので息は流しっぱなし。
その上で丁度良い唇の閉じ具合と密着具合を見つけてみてください!
もしツバ(正確には水蒸気)が溜まったらスライドの先端にあるウォーターキーのレバーを押して捨てます。
タンギングで音を区切る
先ほどは、まず息を流してから音にする吹き方を試してもらいました。
(ノータンギング、エアタンギングと言います)
今度は発音をハッキリさせる、音の粒をしっかりさせるためにタンギング(タング(舌)+ing)をします。
息の流れを舌で遮る事で発音を良くしたり、音を切ったりします。
まずは楽器無しで練習。
- 無声音で「タタタ、トゥトゥ、ティティ」無声音(ヒソヒソ声)で軽く「タタタタ」としゃべってみます。
タチツテトではなく外人っぽく「タァ、ティ、トゥ」と息多めに発音すると良いです。
慣れてきたら最初の音は基本どの音もタンギングして吹く様にします。
そうすると最初から「パーン」と吹けます。
- 息を吹きながら舌で息を止める「フーーー」と息を吹きっぱなしにし、舌を口の天井あたりに当てて息を遮ります。
これを何回か繰り返します。
- 舌を離して息を流す
2で息を止めたらそのまま舌を離して息を吹くのを再開します。
2,3を組み合わせて練習する時は息を流しっぱなしにします。
舌を離す時に自然とタンギングになります。
あとはこの1、2、3を楽器でも練習します。
(息を流しっぱなし→音を吹きながら、に置き換えて)
音を出す時の注意事項
あまり禁止事項は書きたくないのですが、世間一般的な誤解を解いていきます。
最初からたくさん吸わない
現代人の呼吸は浅いので無理に吸うと力みにつながります、徐々に吸えるようになれば大丈夫です。
息をはき切るとたくさん吸えるようになるので、まずはロングトーン競争をすると楽しくていいかも。
酸欠注意!
唇を横に引っ張らない
上手な人は思いっきり引っ張っている様に見えますが先ほども書いた様に上下に閉じている結果そうなっているだけです。
唇を痛める原因にもなります。
「息を吹いて唇を振動させる」とは思わない
振動は息を吹いた結果起きるので、音が鳴らないからと無理やり振動させないように。
マウスピースを押しつけ過ぎない、離しすぎない
密着具合は人によって、レベルによって変わってきます。
ちゃんと吹けているのならマウスピースの跡が付くからといって密着を弱めないように!
参考:マウスピースの跡が付く=押しつけ・プレスしすぎ ではない
全力で吹きこまない
これもさっき書きましたが、金管楽器は思った以上に少ない息で鳴ります。
参考:トランペットを息で満たしなさい、管いっぱいに息を入れなさい←チューバにも同じ事いえるの?
音を変えよう:スライドを動かす
トランペットはピストンを押すと、今までつながっていなかった管とつながり全長が伸びて音が変わります。
トロンボーンはスライドで全長を変える事で音を変えます。
最初は自由に長さを変えて遊んでみてください。
1つの音を吹きのばしながらスライドを一番遠くまで伸ばしてまた手前に戻すと楽しいです。
トロンボーンのポジションは7つあり1ポジ、2ポジなんて呼びます。
初めて吹くと1ポジはスライドを全部入れた状態と思いがちですが、5~10ミリくらい抜いた場所が1ポジです。
詳しいポジションはこちら
参考:トロンボーンの運指表 – 楽器解体全書 – ヤマハ株式会社
音を変えよう:息と舌を変える
今度はポジションを変えずに音を変えます。
トランペットはピストンが3つしかないのにどうやって音を変えるの?
なんてよく言われますが息や舌などを変えて音を変えます。
ピストンやスライドを使わずに音を変える事をリップスラーと言います。
でも、まずは自由に吹いてみてください!
練習というよりも遊び感覚で楽しむのが良いと僕は思っています。
1. 徐々に息を強くする
ある音を吹いたらそのまま息を強めます。
音がどんどん大きくなり、あるポイントで上の音が出ると思います。
1ポジで最初の音がド(チューナー表示はB♭)の場合ソ(F)が出ると思います。
ソから息を強くすると上のド(B♭)が出ます。
2. 徐々に息を弱くする
今度は逆に息を弱めて行きます。
音が小さくなり、あるポイントで下の音が出ると思います。
1ポジでソ(チューナー表記はF)を吹いたまま息を弱めると下のドになります。
もし下のドのまま息を弱めると音が止まるか、下のソ(F)が出ると思います。
まずは息を強めて上の音を吹いてから息を弱める……と遊ぶと良い練習になると覆います。
もし息の強さを変えても音が変わらない場合は次を試してみてください。
3. 少し舌を上げ下げする
口笛吹けますか?
口笛の音程を変える時に舌が上下(前後)に動くのを感じると思います。
金管奏者は大なり小なりこの動きをしています。
この動きを1、2と組み合わせます。
息を強める時に舌を上(前)に動かすと上の音を吹き易くなると思います。
逆に息を弱める時に舌を下(後ろ)に動かすと舌の音に移動し易くなります。
これも参考になるかも
参考:リップスラー攻略!
3つのお助けアイディア
pBoneのお手入れ
最後にメンテナンス方法を。
といってもプラスチックなので分解して軽く水洗い、水分を簡単に拭き取って乾かせばOKです。
面倒なら分解せずに水道水を直接マウスピースに流し込むのもありです。
ベルから水が出てきます。
そのまま息吹きこんでお終い。
グリスやオイルなど使用しないのでゴミも溜まり難いですし、面倒なら1年水通ししなくても良いかも?
僕は1週間に1度分解して洗っています。
しばらく使わないなら水洗いしてから乾かして保管します。
注意点としてはスライドの内管に唯一真鍮が使われているのでサビない様に水洗い後はきっちり拭き取る、乾燥させる。
pBone入門は以上です!
素敵なpBoneライフを!
思ったより長くなったので、トランペット吹きのためのpBone講座は後半へ