ギターアンプ VOX AC30 60年代ブリティッシュ・ロックの生き証人
今回は世界のロック史にその名を刻むVOX AC30というギターアンプについてご紹介します。
ビートルズのライブ映像に度々映っていることから、一度は目にしたという方も多いのではないでしょうか。
VOX社はアンプやエフェクターを中心に販売しているイギリスのメーカーで、最近はギターやベースなども出しています。
もくじ
VOX AC30って？
watchdek.com/modules/com_seyret/vox-ac30-layout-564.html
VOX AC30は1959年に発売されたギターアンプです。
それまで発売されていたAC15の上位互換という形で世に送り出されました。
15Wから30Wにグレードアップした理由としては、当初は不良の音楽として認識されていたロックンロールですが、次第に人気を博しライブ会場がどんどん大きくなっていった結果、15Wではパワー不足を感じるようにになったからという時代的背景が理由になっています。
この改変によりVOXアンプは世界的シェアに登り上がり、60年代のギターアンプのトレードマークと呼ばれるまでになったのです。
基本的なスペックは以下の通りです。
- 出力：30W
- 12インチ・スピーカー×2
- 真空管：12AX7×3、EL84×4
- 寸法：702（W）×265（D）×556（H）mm
- 重量：32.2kg
- コントロール:ボリューム、トレブル、ベース、トーン・カット、トレモロ（スピード/デプス）、リバーブ（リバーブ/トーン）、マスター・ボリューム
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凝縮感のある中域、アタック感に定評
このアンプの音で一番特徴的であるといえるのは中域です。
非常に凝縮感のある中域がVOXアンプの唯一無二な点ですね。
また、アタック感にも定評があります。
なので、存在感のあるカッティングや奥行きのあるコード感を出すには最適ですね。
AC30を使っているギタリスト
AC30を使っていたとされる主なギタリストは以下の通りです。
ジョンレノン、ポールマッカトニー、ジョージハリスン（The Beatles）
リヴァプールに生まれた四人組、1962年にメジャーデビューし、1970年に解散するまでの8年間でロック/ポップスというものの概念を塗り替えた、伝説的なロックバンド。
http://www.guitarrista.com/phpbbforum/viewtopic.php?f=143&t=35623
キースリチャーズ（The Rolling Stones）
イギリスのミュージシャン。
ミック・ジャガー、ブライアン・ジョーンズと共にローリング・ストーンズを結成したロック史に残る偉大なる人物。
http://www.flickr.com/photos/reslosound/5778037643/%5B/caption%5Dブライアンメイ（QUEEN）
イギリスのミュージシャン、また天文学者。
ロックバンド・クイーンのギタリストであり、自作のギター「レッド・スペシャル」とピックの代わりに使用する硬貨により独特の音色を奏でるギタリストとして有名。
http://www.brianmayworld.com/Deacy.htm%5B/caption%5D相当なるメンツですね。
このアンプがロックンロールの歴史を作ったといっても過言ではない程です。
それ以外にも、主に使われているジャンルはやはりロックンロールが多く、メタルのような激しく歪ませるジャンルで使われることはあまりないようです。
VOX自体がそういったハイゲインにコミットする機能を付けていないという点も大きいです。
アンプシミュレータ「amplug」でAC30を体験しよう！
いきなり大きなアンプを買うのも気が引けるという方は、一度amplugでAC30のサウンドを体験されてはどうでしょうか。
amplugとは同じくVOX社が販売している小型のアンプシミュレータです。
「Lead」「Metal」「Classic Rock」等さまざまなモデルがあり、その中にAC30もあります。
同じVOX社によるモデリングであるだけあって、精巧にAC30のサウンドがモデリングされており評判も非常に高いです。
特にクランチサウンドの再現度が素晴らしいと言われています。
値段も4,000円くらいなのでとても経済的ですね。
AC30のサウンドチェックにはもちろん、宅録にも活用することができるクオリティです。
最後に
VOX AC30は、ロックの最初期から様々なギタリストに愛されているアンプです。
メタルのようなハイゲインサウンドを作る際には非力感が否めませんので、コンパクトエフェクターとの兼用も考えなくてはいけないでしょう。
しかし、通常のロックやグランジ、オルタナティブのサウンドには非常にマッチします。
パワーコードでリフを刻むというよりも、ローコードで奥行きのあるコード感を出したいという方には是非試してもらいたいアンプの1つです。
「歴代のAC30サウンド」を再現しつつ、現代のニーズにマッチした仕様を実現したAC30CCは、スタジオラグ伏見店 Aスタジオの常設機材の一つです。
次の週末は、久しぶりに気のいい音楽仲間たちと往年のブリティッシュ・ロックに酔いしれてみてはいかがでしょうか？
