【90年代の洋画】主題歌・挿入歌。懐かしの名曲たち
90年代の洋画はメジャーの大作が爆発的なヒットを記録するのと同時進行で、いわゆるミニシアター系の映画が人気を集めていたことが特徴の1つです。
ハリウッドの大作映画であれば、サブカルチャー的な観点で愛されたインディーズの作品であれば、そこには素晴らしい音楽がセットとなっていましたよね。
本稿では、そんな90年代の洋画で使われた主題歌や挿入歌に注目、大御所のミュージシャンが手掛けて大ヒットした楽曲から、インディーズ・シーンのアーティストによる根強い人気を誇る名曲まで、バラエティに富んだラインアップでお届けします。
90年代カルチャーを知る上でも役立つ内容となっていますから、若い映画・音楽ファンも要チェックです!
もくじ
- 【90年代の洋画】主題歌・挿入歌。懐かしの名曲たち
- I Will Always Love YouWhitney Houston
- Shape of My HeartSting
- I Don’t Want to Miss a ThingAerosmith
- SheElvis Costello
- Stay (I Missed You)Lisa Loeb
- Born SlippyUnderworld
- It Must Have Been LoveRoxette
- TornNatalie Imbruglia
- Hold Me, Thrill Me, Kiss Me, Kill MeU2
- Gangsta’s ParadiseCoolio
- Kiss MeSixpence None The Richer
- Miss MiseryElliott Smith
- Kiss from a RoseSeal
- My Heart Will Go OnCéline Dion
- I Can See Clearly NowJimmy Cliff
- SpeedBilly Idol
- I’m DerangedDavid Bowie
- IrisGoo Goo Dolls
- Where Is My Mind?Pixies
- BreathPearl Jam
- Can’t Take My Eyes Off Of YouLauryn Hill
- Til I Hear It From YouGin Blossoms
【90年代の洋画】主題歌・挿入歌。懐かしの名曲たち(1〜20)
I Will Always Love YouWhitney Houston

90年代において記録的なヒットとなった洋画の主題歌と言われて、真っ先に思い浮かぶのがホイットニー・ヒューストンさんによる永遠の名曲『I Will Always Love You』でしょう。
ホイットニーさん自身がケビン・コスナーさんと共演して映画は初出演を果たした1992年の映画『ボディガード』の主題歌であり、デイヴィッド・フォスターさんが編曲を務めてホイットニーさん歌唱による主題歌や挿入歌も収録されたサウンドトラックは、世界中で4,500万枚を売り上げ「史上最も売れたサウンドトラック」としても知られています。
バラードの最高峰といっても過言ではないほどの素晴らしい楽曲を、驚異的な歌唱力で永遠のものとしたホイットニーさんの歌声は、いつの時代であっても聴く人の心の深いところにまで響き渡りますよね。
実はこちらの『I Will Always Love You』はホイットニーさんのバージョンがオリジナルというわけではなく、アメリカが誇る女性シンガーソングライターにして女優や作家など多くの分野で活躍するドリー・パートンさんが1974年に作詞作曲したものなのです。
ゆったりとしたカントリーミュージック調のオリジナル版『オールウェイズ・ラヴ・ユー』も、ぜひチェックしてみてくださいね!
Shape of My HeartSting

ジャン・レノさんが演じる孤独なプロの殺し屋レオンと、当時12歳のナタリー・ポートマンさんによる当時不幸な生い立ちの少女マチルダ、という異色のコンビが主役の映画『レオン』は、リュック・ベンソン監督にとってのハリウッド初監督作品にして大ヒットを記録した名作です。
ストーリー設定や2人のキャラクター像などは、日本のクリエイターたちにも大いに影響を与えたように感じますね。
そんな名作『レオン』の主題歌といえば、ポリスのフロントマンとして活躍、ソロ・アーティストとなってからも世界的なヒットを飛ばし続けるイギリスを代表するシンガーソングライター、スティングさんによる『Shape of My Heart』です。
1993年にリリースされたアルバム『Ten Summoner’s Tales』に収録されたのが初出で、同年にはシングル・カットもされた楽曲でここ日本でもヒットを記録した名バラードです。
当時は本国イギリスではそれほどのヒットは記録しなかったのですが、映画に起用されたこともあって後にスティングさんの楽曲の中でもクラシックな名曲として高く評価されることとなりました。
哀愁を帯びたメロディとスティングさんらしい一筋縄ではいかない歌詞は、レオンのハッピーとはいえない結末とも絶妙にマッチしていますよね。
余談ですが、特徴的なクリーン・トーンのギターのリフはあのジュース・ワールドさんの楽曲『Lucid Dreams』でサンプリングされていますよ。
I Don’t Want to Miss a ThingAerosmith

1990年代の洋画の主題歌は、ホイットニー・ヒューストンさんの『I Will Always Love You』を皮切りに壮大な名バラードが多く生まれた印象ですが、世界的なロック・バンドのエアロスミスによる『I Don’t Want to Miss a Thing』もその代表的な楽曲の1つと言えるでしょう。
2022年の3月、惜しくも俳優業の引退がアナウンスされたブルース・ウィリスさんが主演を務めた大ヒット映画『アルマゲドン』の主題歌であり、1970年代のデビューからすでに長いキャリアを持っていたエアロスミスにとって、意外にもこの楽曲でバンド史上初となる全米チャート1位をマークしています。
スティーブン・タイラーさんの熱唱が光る文句のつけようがないほどのストレートな王道のロック・バラードなのですが、実はこの楽曲はタイラーさんとギタリストのジョー・ペリーさんによるソングライティング・コンビが手掛けたものではなく、外部ライターとして迎えられたダイアン・ウォーレンさんが作詞と作曲を務めた曲なのですね。
ベテランのロック・バンドがあえて外部のヒットメイカーから楽曲を提供してもらう、という柔軟な姿勢があってこそ生まれた珠玉の名曲とも言えそうです。
SheElvis Costello

エルヴィス・コステロさんといえば、1977年のイギリスにおけるパンク・ブームの真っ只中にデビューを果たし、突出したソングライティングを武器としてニューウェーブなセンスで名盤を多くリリース、ブリティッシュロック好きにとってはアイドルのような存在です。
そんなコステロさんですが、こちらで紹介しているヒット曲『She』で彼の存在を知った方々は、大人向けの成熟したサウンドを聴かせるアーティストというイメージの方が強いかもしれませんね。
1999年に公開されたイギリスのロマンティック・コメディ映画『ノッティングヒルの恋人』の主題歌および挿入歌であり、切々と歌い上げるコステロさんの歌唱と上品なストリングスに彩られたこちらの曲を耳にすると、映画本編におけるジュリア・ロバーツさんとヒュー・グラントさんの姿を思い出すという方も多いことでしょう。
『She』はコステロさんのオリジナル曲ではなく、フランスが誇るシンガーソングライターにして俳優としても著名なシャルル・アズナヴールさんが1974年に歌った『Tous les visages de l’amour』のカバーなのですね。
『忘れじのおもかげ』という邦題でも知られ『ノッティングヒルの恋人』においても国によってはオープニング曲として、こちらのオリジナル版が使われています。
Stay (I Missed You)Lisa Loeb

1990年代に青春を過ごされて、同時代の洋楽を熱心に聴いていた方であれば、眼鏡がトレードマークのシンガーソングライター、リサ・ローブさんをご存じでしょう。
現在も第一線で活躍する彼女の出世作といえば、いわゆるジェネレーションX世代を描いたベン・スティラーさんの初の監督作品『リアリティ・バイツ』の主題歌として起用された『Stay (I Missed You)』です。
映画に出演したイーサン・ホークさんとリサさんが友人だったという縁から、彼女の楽曲がサウンドトラックに収録、当時はレコード会社との契約もなかったにもかかわらず、全米チャートで1位を記録するという史上初の快挙を成し遂げた楽曲でもあります。
当時のリサさんのプライベートに恋愛関係における心情を素直に吐き出した歌詞も相まって、軽やかなフォーク・ポップでメロディアスながらもどこか物悲しい雰囲気も漂わせているというのが特徴的ですね。
揺れ動く感情に寄り添うようにさまざまな表情を見せるリサさんのボーカルも素晴らしく、映画の思い出とともにこの曲を思い出される方も多くいることでしょう。
Born SlippyUnderworld

ハリウッドの大作映画だけではなく、いわゆる単館系とも呼ばれるミニシアターで上映されるタイプの映画が大いに盛り上がったのも90年代洋画カルチャーの特徴です。
そういった作品にはオルタナティブ系やインディーズのアーティストやバンドの楽曲が使われて人気を集めましたが、1996年に公開されたイギリス映画『トレインスポッティング』はまさにその最もたるタイトルの1つでしょう。
破滅的なライフスタイルを過ごすスコットランドの若者たちを衝撃的な映像で描き、かつて渋谷のミニシアター界をけん引したシネマライズにおいて8週間に及ぶロングランを記録して当時のミニシアターの歴史にその名を刻んだ名作中の名作です。
無名時代のユアン・マクレガーさんの出世作としても知られ、新旧のアーティストが参加したサウンドトラックも高い評価を得ています。
中でも、映画のラスト・シーンで流れるテクノ・ミュージックの代表的なユニットであるアンダーワールドによる『Born Slippy』は、彼らの出世作にしてテクノの歴史に残る大名曲。
実はこの曲、映画でも使われてよく知られているバージョンは、1995年にリリースされた『Born Slippy』のB面曲『Born Slippy Nuxx』なのですね。
現在はこちらのバージョンが事実上『Born Slippy』として表記されています。