【90年代の洋画】主題歌・挿入歌。懐かしの名曲たち
90年代の洋画はメジャーの大作が爆発的なヒットを記録するのと同時進行で、いわゆるミニシアター系の映画が人気を集めていたことが特徴の1つです。
ハリウッドの大作映画であれば、サブカルチャー的な観点で愛されたインディーズの作品であれば、そこには素晴らしい音楽がセットとなっていましたよね。
本稿では、そんな90年代の洋画で使われた主題歌や挿入歌に注目、大御所のミュージシャンが手掛けて大ヒットした楽曲から、インディーズ・シーンのアーティストによる根強い人気を誇る名曲まで、バラエティに富んだラインアップでお届けします。
90年代カルチャーを知る上でも役立つ内容となっていますから、若い映画・音楽ファンも要チェックです!
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【90年代の洋画】主題歌・挿入歌。懐かしの名曲たち(11〜20)
Gangsta’s ParadiseCoolio

海兵隊出身という異色の作家、ルアン・ジョンソンさんの自伝的小説『ルアン先生に逆らうな』を原作とした1995年公開の映画『デンジャラス・マインド/卒業の日まで』は、主人公のルアン役を演じたミシェル・ファイファーさんの生真面目で心優しい、カッコいい女性教師っぷりが印象的な作品です。
問題児が集められたクラスの中で奮闘する、というありがちなストーリーではありますが、生徒たちの興味を引くためにボブ・ディランさんの詩を教材とするなどの独自の教育や、必ずしもすべてがハッピーに展開していくわけではない、という物語も含めて本作が青春の1本だと感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな本作の主題歌として起用されたのが、アメリカのラッパーであるクーリオさんの大ヒット曲にしてアカデミー賞を受賞した名曲『Gangsta’s Paradise』です。
1995年にリリースされた同名のアルバムの表題曲であり、アルバムも世界中で大ヒットとなりました。
ソウル・ミュージックに詳しい方であれば、この曲がスティーヴィー・ワンダーさんの『Pastime paradise』を大胆に引用していることはすぐに分かるでしょう。
歌に比重を置いたサウンドですし、ヒップホップをあまり聴かないという方であっても聴きやすい名曲ですよ。
Kiss from a RoseSeal

DCコミックスの代表的な作品であり、2022年には最新の実写映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が公開された『バットマン』シリーズ。
1990年代には3本の実写映画が公開されていますが、今回取り上げている楽曲『Kiss from a Rose』は、1995年に公開された『バットマン フォーエヴァー』の主題歌です。
前作『バットマン リターンズ』からスタッフとキャストを一新、前作以上のヒットを記録した映画であり、当時は子どもで家族で見に行ったという方も多いのではないでしょうか。
映画のフッテージをふんだんに盛り込んだMVも印象的なこちらの『Kiss from a Rose』は、イギリス出身のソウル~R&Bシンガーソングライターのシールさんが1994年に発表したセカンド・アルバム『Seal』に収録された楽曲で、後にシングル・カットされて映画の主題歌としても起用された大ヒット曲です。
全米チャート1位、全英チャート4位をマーク、第38回グラミー賞において最優秀レコード賞を含む3部門を制覇したシールさんにとっても代表曲と言える名曲なのですね。
3拍子のソウルフルな王道バラードといった趣で、名匠トレヴァー・ホーンさんのプロデュース仕事もさすがの一言ですね。
そんな名曲ですが、実はこの曲はシールさんのデビュー以前に書かれたもので、当時は気に入らずにボツとしたのだとか。
日の目を見て本当に良かったな、とホッとしちゃいますよね。
Miss MiseryElliott Smith

インディペンデント映画で人気を博し、ハリウッドに進出後も独自のスタイルで名作を生み出し続けている名匠ガス・ヴァン・サントさんが監督、無名時代のマット・デイモンさんが出演だけではなく映画の脚本も執筆した1997年公開の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は、アカデミー賞やゴールデングローブ賞において脚本賞を受賞、共演したロビン・ウィリアムズさんがアカデミー助演男優賞を受賞するなど高い評価を得た名作です。
その名作の主題歌として起用されたのが、当時は知る人ぞ知るアーティストだったエリオット・スミスさんの楽曲『Miss Misery』なのですね。
スミスさんらしい美しいメロディと内省的かつさまざまな暗喩を用いた歌詞を軸とした見事なポップソングであり、こういう曲が映画の主題歌として起用されるのも90年代らしさと言えるかもしれません。
34歳の若さで亡くなったエリオット・スミスさんは今でこそ伝説的なシンガーソングライターとして若い音楽ファンからもリスペクトされる存在ですが、ヒートマイザーというバンドでの活動と、ソロとしてインディーズで2枚のアルバムを出しただけのスミスさんに、直々にサウンドトラックの依頼をしたガス・ヴァン・サントさんの審美眼の確かさに驚かされます。
スミスさんはこの楽曲をきっかけとして知名度を上げ、メジャーへと進出を果たします。
そのことが彼にとって幸せであったかどうかは何とも言えませんが……。
My Heart Will Go OnCéline Dion

ホイットニー・ヒューストンさんの『I Will Always Love You』と並んで、90年代の洋画の主題歌に起用されたバラードの名作中の名作といえば、セリーヌ・ディオンさんの『My Heart Will Go On』をおいて他にないでしょう。
1997年に公開されて記録的な商業的成功を収めた、ジェームズ・キャメロンさん監督作でレオナルド・ディカプリオさん主演の映画『タイタニック』の主題歌であり、アカデミー歌曲賞やグラミー賞における最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀女性ポップ歌手など主要な部門を総なめにした90年代を代表する大ヒット・バラードです。
『タイタニック』の音楽を担当したジェームズ・ホーナーさんが作曲、セリーヌ・ディオンさんのキャリアの中で最もヒットした楽曲でもあり、日本でも当時は街中で流れていましたね。
この曲で初めて洋楽をチェックするようになった、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
悲劇的なテーマを内包した映画本編のストーリーを思い出しながら、セリーヌさんのすべてを包み込むような伸びやかな美声を聴いているだけで泣けてしまいますね……。
I Can See Clearly NowJimmy Cliff

2022年2月、北京五輪開催を記念して日本テレビ系「金曜ロードショー」にて名作映画『クール・ランニング』が放送され、SNSなどで話題を集めたことは記憶に新しいですよね。
1993年に公開された『クール・ランニング』はジャマイカのボブスレー選手団の実話を映画化したもので、コメディタッチの作風で笑いあり涙ありの映画として今も根強い人気を誇る作品です。
ジャマイカのチームをテーマとしていることもあって、劇中では多くのレゲエ・サンドが起用されているというのも特徴的で、夏っぽいレゲエと雪景色という一見相反するコントラストが見ていて不思議とマッチしているというのも楽しいですよね。
そんな名作映画の主題歌は、ジャマイカ人レゲエ・シンガーの生き字引、ジミー・クリフさんの『I Can See Clearly Now』です。
オリジナル・バージョンはアメリカ出身でレゲエ・シンガーとして大成したジョニー・ナッシュさんが1972年に自らが作曲などを手掛けて発表したもので、スタンダードナンバーとして愛されている名曲なのですね。
歌詞はさまざまな解釈が可能なものではあるのですが、映画のテーマはもちろん、ジミーさんの優しげな歌声とメロディにあふれるポジティブなバイブスも含めて「希望を持って前を向いて生きる」といった形で受け止めましょう。
SpeedBilly Idol

70年代英国パンクロック・バンドのジェネレーションXを率いて世に登場、ソロに転じてからはスーパースターとしてシーンを席巻して1980年代に大ヒットを飛ばした永遠の「反逆のアイドル」ことビリー・アイドルさん。
1990年代は商業的な失敗もあって一時期は音楽活動を停止していた時期もあったビリーさんですが、活動停止前の1994年に発表してヒットを飛ばした楽曲が『Speed』です。
タイトル通り、同年に公開されたキアヌ・リーヴスさんとデニス・ホッパーさんが共演した大ヒット映画『スピード』の主題歌で、盟友ギタリストのスティーヴ・スティーヴンスさんによるハードなギター・サウンドとビリーさんの熱唱がストレートにカッコいい、これ以上はないほどに映画の作風と合致したハードロックの名曲!
映画自体も本作が初の監督作となったヤン・デ・ボンさん、主演を務めたキアヌさんや共演したサンドラ・ブロックさんといった面々にとっても出世作となった名作ですから、映画とセットで記憶されている方も多いのではないでしょうか。
この曲を車で聴く際には、スピードの出し過ぎに要注意です!
【90年代の洋画】主題歌・挿入歌。懐かしの名曲たち(21〜30)
Can’t Take My Eyes Off Of YouLauryn Hill

メル・ギブソンさんとジュリア・ロバーツさんが共演した1997年のサスペンス映画『陰謀のセオリー』。
そのエンディングロールで流れる『Can’t Take My Eyes Off Of You(邦題:君の瞳に恋してる)』は、フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズが1967年に発表した楽曲を、ローリン・ヒルさんがカバーしたものです。
映画とともに、この楽曲が収録されているローリン・ヒルさんの1998年のアルバム『ミスエデュケーション』も大ヒットを記録。
ちなみに、ローリン・ヒルさんは1993年の映画『天使にラブ・ソングを2』の高校生役で出演するなど女優としても活躍していましたが、このアルバムをきっかけにミュージシャンとしても高い評価を受けることとなりました。