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ジャケットのアートワークが有名なアルバム

ジャケットのアートワークが有名なアルバムと聞くと、あなたはどんなジャケットを思い浮かべますか?

水中を泳ぐ赤ちゃんの写真やバナナのイラスト、メンバーが横断歩道を渡っている写真など、さまざまだと思います。

この記事では、そうしたどこかで目にしたことがあるジャケットの名盤を一挙に紹介していきますね!

中には「曲は聴いたことないけれど、ジャケットのデザインには見覚えがある」という作品もあるかもしれません。

それではさっそく見ていきましょう!

ジャケットのアートワークが有名なアルバム(1〜10)

St. AngerMetallica

真っ黒なジャケットに蛇が描かれたシンプルな『Metallica』、メンバー自身の写真が起用された『Load』に『Reload』といったアルバムをへて、オリジナル・アルバムとしては約6年ぶりのリリースとなった2003年作の『セイント・アンガー』は、メタリカ史上でも非常にインパクトの強いジャケットが印象深い1枚です。

長年ベースを務めたジェイソン・ニューステッドさんの脱退、メンバーの人間関係の悪化など多くの問題を抱えながら制作された本作は、初期の疾走感とアグレッシブさを取り戻しながらも複雑に展開していく楽曲構成は一筋縄ではいかないメタリカらしさがあり、賛否両論となった特徴的なスネアの音などの生々しいサウンド・プロダクションも含めて、さまざまな意味で問題作と言われることも多いです。

そんなアルバムのアートワークを手掛けたのは、ハードコアやメタルといったジャンルではトップクラスの知名度を誇るアーティストのパスヘッドさん。

バンド名やアルバムのタイトルすら書かれず、ロープに縛られた拳のみというデザインの潔さは、メタリカの本作に対する姿勢の表れなのかもしれません。

Cool Struttin’Sonny Clark

『Cool Struttin’』というアルバム・タイトルにして、このオシャレすぎるアートワーク!

まさに50年代ジャズの粋が詰まった最高にクールとしか言いようがない、本国よりも日本で大人気となった1958年リリースの大名盤です。

31歳の若さで亡くなったジャズ・ピアニストの巨人、ソニー・クラークさんによるソロ・アルバムで、ハード・パップ~ファンキー・ジャズの古典的な傑作としていつまでも語り継がれる傑作であるということは、今さら説明するまでもないでしょう。

音もオシャレなアルバムはジャケットもオシャレと言わんばかりのアートワークは、スリットの入ったタイトなスカートとハイヒールというスタイルで街を歩く女性の足をフィーチャーしたもので、「世界で最も有名な女性の脚」とも言われているのだとか。

名門ブルーノートからリリースされるジャズ・アルバムはオシャレなジャケットの作品が多いイメージですが、本作はジャズに興味がなくとも「ジャケ買い」したくなるほどに魅力的ですね。

The Velvet Underground & NicoThe Velvet Underground

たとえバンドのことを知らずとも、このバナナのジャケットはほとんどの方が一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

1960年代のニューヨークが生んだ伝説のロック・バンドであるヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、後のソロ・アーティストとして成功を果たすルー・リードさんやジョン・ケイルさんといったロックの歴史において重要なアーティストが在籍しており、バンドとしての商業的な成功には恵まれなかった彼らの提示した音楽の持つ圧倒的な先鋭性や芸術性は、音楽界のみならずあらゆるポップ・カルチャーへ影響を及ぼしたといっても過言ではありません。

そんなヴェルヴェット・アンダーグラウンドによるレガシーの中でもとくに有名なものが、冒頭で述べた1967年にリリースされたデビュー・アルバム『The Velvet Underground and Nico』のバナナ・ジャケットでしょう。

アメリカン・ポップアートのカリスマ的な存在のアンディ・ウォーホルさんがデザインを手掛け、世界で最も有名なアルバム・ジャケットの1つとしてさまざまなパロディが生まれることとなったのです。

ジャケットに書かれた「peel slowly and see」の文字にあるように、初期のレコード盤でバナナのステッカーをはがせるといった仕掛けもありました。

後に紙ジャケットのCDなどでリイシューされた際に、そのギミックを再現したバージョンもいくつかありますからぜひチェックしてみてくださいね。

ジャケットのアートワークが有名なアルバム(11〜20)

The NightflyDonald Fagen

レコード・プレイヤーの前でたばこを片手にマイクに向かって何か話しているダンディな男性……アルバム・ジャケットが生みだすイメージと作品の内容が完ぺきにリンクした素晴らしい傑作!

さまざまなジャンルを融合させたスタイルで大きな成功を収めたバンド、スティーリー・ダンの創設者であるドナルド・フェイゲンさんが1982年にリリースしたソロ・デビュー・アルバム『The Nightfly』は、デジタル録音時代に突入した最初期のポピュラー音楽作品とも言われており、その音質の素晴らしさでプロによるオーディオ機器のサウンドチェックなどにもよく使われているのだとか。

洗練を極めたバンド・アンサンブルと都会的なソングライティング・センスが高次元で融合したサウンドは、当時も今もドライブやカフェなど多くの場面で流れ続けていますね。

そんな名盤にふさわしいアルバム・ジャケットの男性、実はフェイゲンさんご本人自身なのですね。

フェイゲンさんが思い描く「夜のDJの姿」なのだそうで、あまりにもイメージとぴったり過ぎてため息が出てしまいます。

当然ながら多くのオマージュやパロディが生まれ、近年ではあのサザン・オールスターズの桑田佳祐さんが、雑誌の表紙を飾る際にこのアルバム・ジャケットのパロディ写真を使っていましたね。

Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex PistolsSEX PISTOLS

70年代ロンドンが生んだ世界で最も有名なパンク・バンド、セックス・ピストルズが1977年に発表した最初で最後のスタジオ・アルバム『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』は、その過激な内容から本国の高級百貨店での販売拒否、メディアにおけるプロモーションも拒否されるなど賛否両論を生みましたが、見事全英チャートで1位に輝いた作品です。

日本では何ともストレートな『勝手にしやがれ!!』という邦題でも知られていますよね。

偉大なアルバムには歴史に残るアルバム・ジャケットがデザインされる、というのは必然とも言えますから、もちろん本作のジャケットもパンク・カルチャーを飛びこえて多くの分野でオマージュされるなどの影響力を誇ります。

デザインを担当したのは、ピストルズの主要な作品のアートワークを手掛けたイギリス出身のジェイミー・リードさん。

脅迫文を模したという物騒なアイデアを、シンプルな形であくまでポップに仕上げた手腕は最高にクールですよね。

アメリカでリリースされた初版のLPは色違いのデザインということもあり、コレクターであればチェックしていただきたいところ。

ともあれ70年代の英国ポップ・カルチャーを知る上でも重要な作品と言えますし、他のピストルズのアートワークも過激で秀逸なものばかりですから、深掘りしていくとおもしろいですよ。

Blood Sugar Sex MagikRed Hot Chili Peppers

日本では「レッチリ」の愛称で親しまれ、2020年代の今もバリバリの現役として活動する世界的なロック・バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ。

おそらくは洋楽初心者の方であっても、バンド名くらいは一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

高度かつ変態的なテクニックから繰り出されるファンキーなミクスチャー曲から、哀愁を誘う素晴らしいメロディが際立つバラードまで、幅広い音楽性を武器に全世界で8,000万枚以上というトータル・セールスを誇る彼らの作品の中でも、とくに初期の作品は破天荒なメンバーのキャラクターに沿ったインパクトの強いジャケットが多く起用されていましたね。

本稿で取り上げている通算5枚目のアルバム『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』は、後の彼らの代表曲となる『Give It Away』や『Under the Bridge』など多くの名曲が収録されている傑作です。

初期の彼ららしい過激さはもちろん、シリアスな面も見せて視野の広がった作風を提示した本作のアルバム・ジャケットもまた、多くのパロディが生まれた傑作デザインの1つとして知られています。

ファン人気も高く、このアートワークを起用したアパレルを着用しているファンも多くいますよね。

こちらはオランダのタトゥー・アーティストのHenky Penkyさんが手掛けたものだそうで、その原型となった映画監督のガス・ヴァン・サントさんによるメンバー4人の写真も現存しています。

Aladdin SaneDavid Bowie

音楽性も自身のキャラクターも変化自在のスタイルで激動の時代を駆け抜け、音楽シーンのみならず多くのカルチャーへ多大なる影響を与えた不世出のアーティスト、デヴィッド・ボウイさん。

2016年に惜しくも亡くなられましたが、闘病生活の間も最後の最後まで現役のアーティストとして作品を制作、亡くなる2日前に遺作となったアルバム『ブラックスター』がリリースされたことは今も記憶に新しいですよね。

そんなボウイさんはアート全般に造詣が深く、自身の作品のアルバム・ジャケットはどれも有名なものばかりで1つだけ挙げるのはなかなか難しいのですが、今回は1973年にリリースされた名盤『Aladdin Sane』のジャケットを紹介しましょう。

前年にリリースされたコンセプト・アルバムの大傑作『ジギー・スターダスト』で大成功を果たしたボウイさんが次なる一手としてリリースした作品で、全英チャートでは1位を、全米チャートでも初のトップ20入りを果たすなどの成功をもたらしました。

ピエール・ラロシュさんによるあまりにも有名な赤と青の稲妻のようなメイクを施したボウイさん、というジャケットのインパクトは相当なもので、多くのパロディやオマージュ的な作品が生まれたのも当然と言えそうですね。

写真を撮影したのは写真家のブライアン・ダフィーさんで、アルバムのフォト・セッションの中で撮影されたものとのことです。