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ジャケットのアートワークが有名なアルバム

ジャケットのアートワークが有名なアルバムと聞くと、あなたはどんなジャケットを思い浮かべますか?

水中を泳ぐ赤ちゃんの写真やバナナのイラスト、メンバーが横断歩道を渡っている写真など、さまざまだと思います。

この記事では、そうしたどこかで目にしたことがあるジャケットの名盤を一挙に紹介していきますね!

中には「曲は聴いたことないけれど、ジャケットのデザインには見覚えがある」という作品もあるかもしれません。

それではさっそく見ていきましょう!

ジャケットのアートワークが有名なアルバム

DookieGreen Day

永遠のポップパンク・アルバムの金字塔にして、世界中で2,000万枚以上を売り上げたグリーン・デイの通算3枚目にしてメジャー・デビュー作『Dookie』は、ここ日本においてはメロコア・ブームを巻き起こした作品でもあり、多くのバンド・キッズたちに楽器を持たせるきっかけを作ったアルバムでもありますね。

『バスケット・ケース』や『ロングヴュー』に『ウェルカム・トゥ・ザ・パラダイス』など、2020年代を過ぎた今も色あせないパンク・アンセムが多く生まれた本作ですが、コミック風のキャッチーなアルバム・ジャケットに心を奪われて本作を手に取ったという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

こちらのアートワークを手掛けたアーティストのリッチー・バッカーさんによれば、本作のデザインはグリーン・デイが初期の活動拠点としたベイ・エリアのパンク・シーンを描いたものだそうです。

よく見てみると、AC/DCのアンガス・ヤングさんやビッグ・スターのアレックス・チルトンさん、パティ・スミスさんといった著名なミュージシャンが描かれており、その他にもさまざまなカルチャー作品からの引用なども発見できます。

リッチーさん自身がベイエリア・シーンにおいてミュージシャンとしても活動しており、ローカルなバンドのジャケットなども多く手掛けている存在ですから、そういったアーティストのデザインをメジャー・デビュー作品のアートワークに起用したグリーン・デイの心意気なんかも伝わってくるというものでしょう。

St. AngerMetallica

真っ黒なジャケットに蛇が描かれたシンプルな『Metallica』、メンバー自身の写真が起用された『Load』に『Reload』といったアルバムをへて、オリジナル・アルバムとしては約6年ぶりのリリースとなった2003年作の『セイント・アンガー』は、メタリカ史上でも非常にインパクトの強いジャケットが印象深い1枚です。

長年ベースを務めたジェイソン・ニューステッドさんの脱退、メンバーの人間関係の悪化など多くの問題を抱えながら制作された本作は、初期の疾走感とアグレッシブさを取り戻しながらも複雑に展開していく楽曲構成は一筋縄ではいかないメタリカらしさがあり、賛否両論となった特徴的なスネアの音などの生々しいサウンド・プロダクションも含めて、さまざまな意味で問題作と言われることも多いです。

そんなアルバムのアートワークを手掛けたのは、ハードコアやメタルといったジャンルではトップクラスの知名度を誇るアーティストのパスヘッドさん。

バンド名やアルバムのタイトルすら書かれず、ロープに縛られた拳のみというデザインの潔さは、メタリカの本作に対する姿勢の表れなのかもしれません。

The Dark Side Of The MoonPink Floyd

イギリスが世界に誇るプログレッシブロック・バンドのピンク・フロイドが1973年にリリースした『The Dark Side Of The Moon』は、全世界で5,000万枚以上も売り上げた世界で最も売れたアルバムの1つとして知られる作品です。

日本では『狂気』という邦題でも有名ですが、コンセプト・アルバムの金字塔でもあり、通算8枚目のアルバムにして創設メンバーの1人であるロジャー・ウォーターズさんがすべての楽曲の作詞を手掛けた最初の作品であるといったように、バンドにとって1つの転機となったアルバムでもあります。

ピンク・フロイドの主な作品のジャケットと言えば、レッド・ツェッペリンなど多くのバンドによる名作アルバムのアートワークを手掛けているイギリス出身のデザイン集団、ヒプノシスが手掛けていることは非常に有名な話ですね。

本作『狂気』もヒプノシス・デザインであり、このジャケットも含めて音楽の歴史の中で永遠にその価値が刻印された最高の作品の1つであることは今さら言及するまでもないでしょう。

真っ黒な背景と三角のプリズム、白色光と虹色……どこか美しくも不気味にも感じられるアートワークがどのような意味を持つのか、多種多様な魅力を放つアルバムを聴きながらいろいろと想像してみてください。

Cool Struttin’Sonny Clark

『Cool Struttin’』というアルバム・タイトルにして、このオシャレすぎるアートワーク!

まさに50年代ジャズの粋が詰まった最高にクールとしか言いようがない、本国よりも日本で大人気となった1958年リリースの大名盤です。

31歳の若さで亡くなったジャズ・ピアニストの巨人、ソニー・クラークさんによるソロ・アルバムで、ハード・パップ~ファンキー・ジャズの古典的な傑作としていつまでも語り継がれる傑作であるということは、今さら説明するまでもないでしょう。

音もオシャレなアルバムはジャケットもオシャレと言わんばかりのアートワークは、スリットの入ったタイトなスカートとハイヒールというスタイルで街を歩く女性の足をフィーチャーしたもので、「世界で最も有名な女性の脚」とも言われているのだとか。

名門ブルーノートからリリースされるジャズ・アルバムはオシャレなジャケットの作品が多いイメージですが、本作はジャズに興味がなくとも「ジャケ買い」したくなるほどに魅力的ですね。

London CallingThe Clash

The Clash – London Calling (Subtítulos en Español)
London CallingThe Clash

ロックやパンクを愛するベーシストであれば、ほとんどの方が心を奪われてしまうくらい抜群にかっこいいジャケット!

70年代ロンドン・パンクのアイコンであり、後にレゲエやスカにR&Bなどさまざまなジャンルを取り入れたサウンドを展開、イギリスが世界に誇るロック・バンドとして今も愛され続けているザ・クラッシュの名盤『ロンドン・コーリング』です。

1979年にリリースされた本作はバンドにとっては通算3枚目となるアルバムで、初期のストレートなパンク・ロックから大きく成長を遂げて世界的にも高い評価を得た作品なのですね。

そんな本作、ベーシストのポール・シムノンさんが名曲『白い暴動』の演奏中に突如ベースをステージにたたきつける寸前、パンク・バンドらしい生々しくも迫力の姿を捉えたアルバム・ジャケットは、当時クラッシュの専属カメラマンを務めていたペニー・スミスさんが偶然にもフィルムに収めたものだそうです。

特徴的なアルバム・タイトルのロゴは、エルヴィス・プレスリーさんのデビュー・アルバムのオマージュ。

古き良きロックンロールへの敬意と、偶然起こったステージ上のトラブルが合体して、歴史的なジャケットとなったのですから感慨深くなってしまいますよね。

余談ですが、当のポールさんはパフォーマンスの不調で八つ当たりのようにベースを壊してしまったことを、すぐに後悔したのだとか。

Rage Against the MachineRage Against The Machine

ロック・アルバム史上、これほど衝撃的なアルバム・ジャケットはそう何枚もあるものではないと断言しましょう。

「機械に対する怒り」という強烈すぎる名前を名乗ってシーンに殴り込みをかけた、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが1992年に放ったセルフ・タイトルのデビュー・アルバムです。

カリスマティックなザック・デ・ラ・ロッチャさんによる政治的な思想を込めた歌詞を叫ぶラップと激烈なアジテーション、政治家の秘書というインテリジェンスな経歴を持ち、奇想天外なギター・プレイで後続のアーティストたちに多大なる影響を与えたトム・モレロさん、緩急自在の骨太なグルーヴを生み出す鉄壁のリズム隊を担うティム・コマーフォードさんとブラッド・ウィルクさんという、最強の4人が生み出したミクスチャー~オルタナティブロックは、あまりの完成度の高さに多くの人が度肝を抜かれ、過激な内容ながらも世界中で爆発的なヒットを記録した大傑作です。

アルバムの内容にまったく負けないインパクトを放つ本作のジャケットは、1963年にベトナム僧侶のティック・クアン・ドックさんが米大使館の前で行った政権からの弾圧に対する抗議の姿を、アメリカ人ジャーナリストのマルコム・ブラウンさんが撮影した有名な写真を起用したもの。

その時点で、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンというバンドがどのような思想を持っているのか、どのようなスタンスでバンド活動をしているのかが理解できるはず。