ジャケットのアートワークが有名なアルバム
ジャケットのアートワークが有名なアルバムと聞くと、あなたはどんなジャケットを思い浮かべますか?
水中を泳ぐ赤ちゃんの写真やバナナのイラスト、メンバーが横断歩道を渡っている写真など、さまざまだと思います。
この記事では、そうしたどこかで目にしたことがあるジャケットの名盤を一挙に紹介していきますね!
中には「曲は聴いたことないけれど、ジャケットのデザインには見覚えがある」という作品もあるかもしれません。
それではさっそく見ていきましょう!
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ジャケットのアートワークが有名なアルバム(1〜10)
London CallingThe Clash

ロックやパンクを愛するベーシストであれば、ほとんどの方が心を奪われてしまうくらい抜群にかっこいいジャケット!
70年代ロンドン・パンクのアイコンであり、後にレゲエやスカにR&Bなどさまざまなジャンルを取り入れたサウンドを展開、イギリスが世界に誇るロック・バンドとして今も愛され続けているザ・クラッシュの名盤『ロンドン・コーリング』です。
1979年にリリースされた本作はバンドにとっては通算3枚目となるアルバムで、初期のストレートなパンク・ロックから大きく成長を遂げて世界的にも高い評価を得た作品なのですね。
そんな本作、ベーシストのポール・シムノンさんが名曲『白い暴動』の演奏中に突如ベースをステージにたたきつける寸前、パンク・バンドらしい生々しくも迫力の姿を捉えたアルバム・ジャケットは、当時クラッシュの専属カメラマンを務めていたペニー・スミスさんが偶然にもフィルムに収めたものだそうです。
特徴的なアルバム・タイトルのロゴは、エルヴィス・プレスリーさんのデビュー・アルバムのオマージュ。
古き良きロックンロールへの敬意と、偶然起こったステージ上のトラブルが合体して、歴史的なジャケットとなったのですから感慨深くなってしまいますよね。
余談ですが、当のポールさんはパフォーマンスの不調で八つ当たりのようにベースを壊してしまったことを、すぐに後悔したのだとか。
The Velvet Underground & NicoThe Velvet Underground

たとえバンドのことを知らずとも、このバナナのジャケットはほとんどの方が一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
1960年代のニューヨークが生んだ伝説のロック・バンドであるヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、後のソロ・アーティストとして成功を果たすルー・リードさんやジョン・ケイルさんといったロックの歴史において重要なアーティストが在籍しており、バンドとしての商業的な成功には恵まれなかった彼らの提示した音楽の持つ圧倒的な先鋭性や芸術性は、音楽界のみならずあらゆるポップ・カルチャーへ影響を及ぼしたといっても過言ではありません。
そんなヴェルヴェット・アンダーグラウンドによるレガシーの中でもとくに有名なものが、冒頭で述べた1967年にリリースされたデビュー・アルバム『The Velvet Underground and Nico』のバナナ・ジャケットでしょう。
アメリカン・ポップアートのカリスマ的な存在のアンディ・ウォーホルさんがデザインを手掛け、世界で最も有名なアルバム・ジャケットの1つとしてさまざまなパロディが生まれることとなったのです。
ジャケットに書かれた「peel slowly and see」の文字にあるように、初期のレコード盤でバナナのステッカーをはがせるといった仕掛けもありました。
後に紙ジャケットのCDなどでリイシューされた際に、そのギミックを再現したバージョンもいくつかありますからぜひチェックしてみてくださいね。
The NightflyDonald Fagen

レコード・プレイヤーの前でたばこを片手にマイクに向かって何か話しているダンディな男性……アルバム・ジャケットが生みだすイメージと作品の内容が完ぺきにリンクした素晴らしい傑作!
さまざまなジャンルを融合させたスタイルで大きな成功を収めたバンド、スティーリー・ダンの創設者であるドナルド・フェイゲンさんが1982年にリリースしたソロ・デビュー・アルバム『The Nightfly』は、デジタル録音時代に突入した最初期のポピュラー音楽作品とも言われており、その音質の素晴らしさでプロによるオーディオ機器のサウンドチェックなどにもよく使われているのだとか。
洗練を極めたバンド・アンサンブルと都会的なソングライティング・センスが高次元で融合したサウンドは、当時も今もドライブやカフェなど多くの場面で流れ続けていますね。
そんな名盤にふさわしいアルバム・ジャケットの男性、実はフェイゲンさんご本人自身なのですね。
フェイゲンさんが思い描く「夜のDJの姿」なのだそうで、あまりにもイメージとぴったり過ぎてため息が出てしまいます。
当然ながら多くのオマージュやパロディが生まれ、近年ではあのサザン・オールスターズの桑田佳祐さんが、雑誌の表紙を飾る際にこのアルバム・ジャケットのパロディ写真を使っていましたね。
ジャケットのアートワークが有名なアルバム(11〜20)
NevermindNirvana

おそらく、世界で最も有名なロック・アルバムのジャケットの一つではないでしょうか。
90年代においてグランジ・ブームをけん引したニルヴァーナが、1991年にリリースしたメジャー・デビュー作にして通算2枚目となる『Nevermind』は、その後の音楽シーンを塗り替えた偉大な作品にして歴史的なヒットを記録したアルバムです。
ジェネレーションXと呼ばれた世代の鬱屈した本音をさらけ出し、天才的なソングライティング・センスとトリオならではの絶妙なバンド・アンサンブル、名プロデューサーのブッチ・ヴィグさんやミキサーを担当したアンディ・ウォレスさんによる巧みなプロダクションから生まれた珠玉の名曲がずらりと並ぶ本作は、リリースから30年以上が過ぎた今もその輝きを失うことはありません。
「1ドル札に向かって水中を裸で泳ぐ赤ちゃん」を起用したジャケットのアートワークも伝説となり、多くの分野でパロディ化されましたね。
とはいえ、赤ちゃんだった本人にとって本作のジャケットに対する評価は複雑であったようで、2021年にはニルヴァーナを相手取って裁判所へ提訴しています。
Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex PistolsSEX PISTOLS

70年代ロンドンが生んだ世界で最も有名なパンク・バンド、セックス・ピストルズが1977年に発表した最初で最後のスタジオ・アルバム『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』は、その過激な内容から本国の高級百貨店での販売拒否、メディアにおけるプロモーションも拒否されるなど賛否両論を生みましたが、見事全英チャートで1位に輝いた作品です。
日本では何ともストレートな『勝手にしやがれ!!』という邦題でも知られていますよね。
偉大なアルバムには歴史に残るアルバム・ジャケットがデザインされる、というのは必然とも言えますから、もちろん本作のジャケットもパンク・カルチャーを飛びこえて多くの分野でオマージュされるなどの影響力を誇ります。
デザインを担当したのは、ピストルズの主要な作品のアートワークを手掛けたイギリス出身のジェイミー・リードさん。
脅迫文を模したという物騒なアイデアを、シンプルな形であくまでポップに仕上げた手腕は最高にクールですよね。
アメリカでリリースされた初版のLPは色違いのデザインということもあり、コレクターであればチェックしていただきたいところ。
ともあれ70年代の英国ポップ・カルチャーを知る上でも重要な作品と言えますし、他のピストルズのアートワークも過激で秀逸なものばかりですから、深掘りしていくとおもしろいですよ。
Aladdin SaneDavid Bowie

音楽性も自身のキャラクターも変化自在のスタイルで激動の時代を駆け抜け、音楽シーンのみならず多くのカルチャーへ多大なる影響を与えた不世出のアーティスト、デヴィッド・ボウイさん。
2016年に惜しくも亡くなられましたが、闘病生活の間も最後の最後まで現役のアーティストとして作品を制作、亡くなる2日前に遺作となったアルバム『ブラックスター』がリリースされたことは今も記憶に新しいですよね。
そんなボウイさんはアート全般に造詣が深く、自身の作品のアルバム・ジャケットはどれも有名なものばかりで1つだけ挙げるのはなかなか難しいのですが、今回は1973年にリリースされた名盤『Aladdin Sane』のジャケットを紹介しましょう。
前年にリリースされたコンセプト・アルバムの大傑作『ジギー・スターダスト』で大成功を果たしたボウイさんが次なる一手としてリリースした作品で、全英チャートでは1位を、全米チャートでも初のトップ20入りを果たすなどの成功をもたらしました。
ピエール・ラロシュさんによるあまりにも有名な赤と青の稲妻のようなメイクを施したボウイさん、というジャケットのインパクトは相当なもので、多くのパロディやオマージュ的な作品が生まれたのも当然と言えそうですね。
写真を撮影したのは写真家のブライアン・ダフィーさんで、アルバムのフォト・セッションの中で撮影されたものとのことです。
Weasels Ripped My FleshFrank Zappa & The Mothers of Invention

ロックの歴史の中でも屈指の天才にして、奇人・変人と評される不世出のアーティストであるフランク・ザッパさん。
破天荒な活動スタイルと検閲などの権力と徹底的に争う自由な思想を持ち、52年の人生の中でミュージシャンとしての卓越した才能に裏打ちされた膨大な楽曲を生み出し続けた存在です。
ザッパさんの残した名言の数々は、SNS時代においておそらく本人の意図とは違った形で広まってしまうほどのインパクトを放っているほどです。
そんなザッパさんは1964年から1975年にかけて「マザーズ・オブ・インヴェンション」というバンド名義で活動しており、本稿で紹介しているアルバム『Weasels Ripped My Flesh』は、1970年に同バンド名義でリリースされた作品です。
ザッパさんの作品の邦題はキャラクターに沿った形なのか、インパクトの強すぎるタイトルが多いことでも知られていますが、本作の邦題は『いたち野郎』です。
原題の意味そのままに「イタチが男性の頬肉を引き裂いている」という強烈なアルバムのアートワークを作成したのは、アメリカ人イラストレーターのネオン・パークさん。
後にリトル・フィートの作品のほぼすべてを手掛けたことでも著名なパークさんの名前を世に知らしめたのが、本作『いたち野郎』のデザインなのですね。
ザッパさんがどのような意図でパークさんに本作のアルバム・ジャケットのデザインを依頼したのか、といったエピソードも実にパンチのきいたものですから、ぜひ調べてみてくださいね!





