ジャケットのアートワークが有名なアルバム
ジャケットのアートワークが有名なアルバムと聞くと、あなたはどんなジャケットを思い浮かべますか?
水中を泳ぐ赤ちゃんの写真やバナナのイラスト、メンバーが横断歩道を渡っている写真など、さまざまだと思います。
この記事では、そうしたどこかで目にしたことがあるジャケットの名盤を一挙に紹介していきますね!
中には「曲は聴いたことないけれど、ジャケットのデザインには見覚えがある」という作品もあるかもしれません。
それではさっそく見ていきましょう!
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もくじ
- ジャケットのアートワークが有名なアルバム
- Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club BandThe Beatles
- In the Court of the Crimson KingKing Crimson
- NevermindNirvana
- The Velvet Underground & NicoThe Velvet Underground
- Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex PistolsSEX PISTOLS
- In RockDeep Purple
- DookieGreen Day
- St. AngerMetallica
- The Dark Side Of The MoonPink Floyd
- Cool Struttin’Sonny Clark
- London CallingThe Clash
- Rage Against the MachineRage Against The Machine
- The NightflyDonald Fagen
- WeezerWeezer
- Aladdin SaneDavid Bowie
- Weasels Ripped My FleshFrank Zappa & The Mothers of Invention
- Blood Sugar Sex MagikRed Hot Chili Peppers
- GooSonic youth
- Sticky FingersThe Rolling Stones
- Definitely MaybeOasis
ジャケットのアートワークが有名なアルバム
The NightflyDonald Fagen

レコード・プレイヤーの前でたばこを片手にマイクに向かって何か話しているダンディな男性……アルバム・ジャケットが生みだすイメージと作品の内容が完ぺきにリンクした素晴らしい傑作!
さまざまなジャンルを融合させたスタイルで大きな成功を収めたバンド、スティーリー・ダンの創設者であるドナルド・フェイゲンさんが1982年にリリースしたソロ・デビュー・アルバム『The Nightfly』は、デジタル録音時代に突入した最初期のポピュラー音楽作品とも言われており、その音質の素晴らしさでプロによるオーディオ機器のサウンドチェックなどにもよく使われているのだとか。
洗練を極めたバンド・アンサンブルと都会的なソングライティング・センスが高次元で融合したサウンドは、当時も今もドライブやカフェなど多くの場面で流れ続けていますね。
そんな名盤にふさわしいアルバム・ジャケットの男性、実はフェイゲンさんご本人自身なのですね。
フェイゲンさんが思い描く「夜のDJの姿」なのだそうで、あまりにもイメージとぴったり過ぎてため息が出てしまいます。
当然ながら多くのオマージュやパロディが生まれ、近年ではあのサザン・オールスターズの桑田佳祐さんが、雑誌の表紙を飾る際にこのアルバム・ジャケットのパロディ写真を使っていましたね。
WeezerWeezer

冴えない自分を赤裸々にさらけだした歌詞と圧倒的にキャッチーな泣きのメロディ、オルタナティブロック~グランジ以降のノイジーなギターを融合させたスタイルでシーンに衝撃を与えたウィーザーは、ここ日本でも多くのファンを持つロック・バンドです。
彼らに影響を受けたミュージシャンも多く、ウィーザー自体も日本にちなんだジャケットを起用したセカンド・アルバム『Pinkerton』をリリースするなど、親日家として知られていますよね。
とくにソングライティングを担当するボーカリスト兼ギタリストのリヴァース・クオモさんは日本人女性と結婚、同じく親日家のミュージシャンとタッグを組んで日本語の楽曲をリリースしたこともあるほどです。
そんなウィーザーのデビュー・アルバムにして300万枚をこえるヒットを記録した1994年の『Weezer』は、その後のキャリアでも数枚のセルフタイトルの作品を出していることもあって、通称「ザ・ブルー・アルバム」とも呼ばれ、日本ではシンプルに「青盤」と呼ばれて親しまれている大名盤です。
内容の素晴らしさはもちろん、ロックスターとはかけ離れた地味なメンバー4人が所在なさげに立ち尽くしているジャケットは、派手な80年代メタルを一掃してしまったグランジ・ブームの終わりとともに生まれた、非常にエポックメイキング的なものだと言えましょう。
余談ですが、このジャケットにはメンバーの全体像が写っているバージョンも存在しており、アナログで本作を探されている方は要チェックです!
Aladdin SaneDavid Bowie

音楽性も自身のキャラクターも変化自在のスタイルで激動の時代を駆け抜け、音楽シーンのみならず多くのカルチャーへ多大なる影響を与えた不世出のアーティスト、デヴィッド・ボウイさん。
2016年に惜しくも亡くなられましたが、闘病生活の間も最後の最後まで現役のアーティストとして作品を制作、亡くなる2日前に遺作となったアルバム『ブラックスター』がリリースされたことは今も記憶に新しいですよね。
そんなボウイさんはアート全般に造詣が深く、自身の作品のアルバム・ジャケットはどれも有名なものばかりで1つだけ挙げるのはなかなか難しいのですが、今回は1973年にリリースされた名盤『Aladdin Sane』のジャケットを紹介しましょう。
前年にリリースされたコンセプト・アルバムの大傑作『ジギー・スターダスト』で大成功を果たしたボウイさんが次なる一手としてリリースした作品で、全英チャートでは1位を、全米チャートでも初のトップ20入りを果たすなどの成功をもたらしました。
ピエール・ラロシュさんによるあまりにも有名な赤と青の稲妻のようなメイクを施したボウイさん、というジャケットのインパクトは相当なもので、多くのパロディやオマージュ的な作品が生まれたのも当然と言えそうですね。
写真を撮影したのは写真家のブライアン・ダフィーさんで、アルバムのフォト・セッションの中で撮影されたものとのことです。
Weasels Ripped My FleshFrank Zappa & The Mothers of Invention

ロックの歴史の中でも屈指の天才にして、奇人・変人と評される不世出のアーティストであるフランク・ザッパさん。
破天荒な活動スタイルと検閲などの権力と徹底的に争う自由な思想を持ち、52年の人生の中でミュージシャンとしての卓越した才能に裏打ちされた膨大な楽曲を生み出し続けた存在です。
ザッパさんの残した名言の数々は、SNS時代においておそらく本人の意図とは違った形で広まってしまうほどのインパクトを放っているほどです。
そんなザッパさんは1964年から1975年にかけて「マザーズ・オブ・インヴェンション」というバンド名義で活動しており、本稿で紹介しているアルバム『Weasels Ripped My Flesh』は、1970年に同バンド名義でリリースされた作品です。
ザッパさんの作品の邦題はキャラクターに沿った形なのか、インパクトの強すぎるタイトルが多いことでも知られていますが、本作の邦題は『いたち野郎』です。
原題の意味そのままに「イタチが男性の頬肉を引き裂いている」という強烈なアルバムのアートワークを作成したのは、アメリカ人イラストレーターのネオン・パークさん。
後にリトル・フィートの作品のほぼすべてを手掛けたことでも著名なパークさんの名前を世に知らしめたのが、本作『いたち野郎』のデザインなのですね。
ザッパさんがどのような意図でパークさんに本作のアルバム・ジャケットのデザインを依頼したのか、といったエピソードも実にパンチのきいたものですから、ぜひ調べてみてくださいね!
Blood Sugar Sex MagikRed Hot Chili Peppers

日本では「レッチリ」の愛称で親しまれ、2020年代の今もバリバリの現役として活動する世界的なロック・バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ。
おそらくは洋楽初心者の方であっても、バンド名くらいは一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
高度かつ変態的なテクニックから繰り出されるファンキーなミクスチャー曲から、哀愁を誘う素晴らしいメロディが際立つバラードまで、幅広い音楽性を武器に全世界で8,000万枚以上というトータル・セールスを誇る彼らの作品の中でも、とくに初期の作品は破天荒なメンバーのキャラクターに沿ったインパクトの強いジャケットが多く起用されていましたね。
本稿で取り上げている通算5枚目のアルバム『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』は、後の彼らの代表曲となる『Give It Away』や『Under the Bridge』など多くの名曲が収録されている傑作です。
初期の彼ららしい過激さはもちろん、シリアスな面も見せて視野の広がった作風を提示した本作のアルバム・ジャケットもまた、多くのパロディが生まれた傑作デザインの1つとして知られています。
ファン人気も高く、このアートワークを起用したアパレルを着用しているファンも多くいますよね。
こちらはオランダのタトゥー・アーティストのHenky Penkyさんが手掛けたものだそうで、その原型となった映画監督のガス・ヴァン・サントさんによるメンバー4人の写真も現存しています。
GooSonic youth

このアルバム・ジャケットの存在を知らなくとも、アパレルなど多くのデザインでオマージュされていますから、なんとなく目にしたことがある方も多そうですね。
オルタナティブロックの先駆的な存在であり、既存の音楽理論にとらわれない先鋭的なスタイルでニューヨークが生んだインディーズ・シーンの王者、ソニック・ユースが1990年にまさかのメジャー・デビューを果たした記念すべき名盤『Goo』のアルバム・ジャケットもまた、ロック史に残る名作ジャケットとして愛され続けています。
このような文字通りの「オルタナティブ」なサウンドでメジャー・デビューすること自体が画期的であり、翌年にリリースされてオルタナティブロック~グランジ・ブームが爆発する起爆剤となったニルヴァーナの名盤『Never Mind』が世に送り出されるための、いわば布石のような作品といっても過言ではありません。
そんな歴史的な名盤のジャケットを飾るデザインは、伝説的なハードコア・バンドとして知られるブラック・フラッグの創設者であるグレッグ・ギンさんの実弟、レイモンド・ペティボーンさんが手掛けたもので、モノクロのラフなイラストに描かれた男女と英文というクールさとオシャレさに目を引かれますね。
とはいえ、デザインの大元となるネタはイギリスで起きた凄惨な事件であり、そのことを理解した上で英文を訳すと思わずぞっとしてしまうかもしれません。