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ジャケットのアートワークが有名なアルバム

ジャケットのアートワークが有名なアルバムと聞くと、あなたはどんなジャケットを思い浮かべますか?

水中を泳ぐ赤ちゃんの写真やバナナのイラスト、メンバーが横断歩道を渡っている写真など、さまざまだと思います。

この記事では、そうしたどこかで目にしたことがあるジャケットの名盤を一挙に紹介していきますね!

中には「曲は聴いたことないけれど、ジャケットのデザインには見覚えがある」という作品もあるかもしれません。

それではさっそく見ていきましょう!

ジャケットのアートワークが有名なアルバム(11〜20)

Blood Sugar Sex MagikRed Hot Chili Peppers

日本では「レッチリ」の愛称で親しまれ、2020年代の今もバリバリの現役として活動する世界的なロック・バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ。

おそらくは洋楽初心者の方であっても、バンド名くらいは一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

高度かつ変態的なテクニックから繰り出されるファンキーなミクスチャー曲から、哀愁を誘う素晴らしいメロディが際立つバラードまで、幅広い音楽性を武器に全世界で8,000万枚以上というトータル・セールスを誇る彼らの作品の中でも、とくに初期の作品は破天荒なメンバーのキャラクターに沿ったインパクトの強いジャケットが多く起用されていましたね。

本稿で取り上げている通算5枚目のアルバム『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』は、後の彼らの代表曲となる『Give It Away』や『Under the Bridge』など多くの名曲が収録されている傑作です。

初期の彼ららしい過激さはもちろん、シリアスな面も見せて視野の広がった作風を提示した本作のアルバム・ジャケットもまた、多くのパロディが生まれた傑作デザインの1つとして知られています。

ファン人気も高く、このアートワークを起用したアパレルを着用しているファンも多くいますよね。

こちらはオランダのタトゥー・アーティストのHenky Penkyさんが手掛けたものだそうで、その原型となった映画監督のガス・ヴァン・サントさんによるメンバー4人の写真も現存しています。

Sticky FingersThe Rolling Stones

大写しのジーンズにYKKのジッパー、というロックンロールの濃厚な香りが匂い立つようなジャケットはいつ見てもカッコいいですね!

現存する最古のロック・バンド、1962年の結成から2020年代の現在に至るまで、多くのトラブルに見舞われながらも一度も解散せずに活動を続け、バリバリの現役としてシーンに君臨し続けるローリング・ストーンズが1971年に発表した大名盤『Sticky Fingers』です。

オリジナル・メンバーのブライアン・ジョーンズさんの悲劇的な死を乗りこえて、新たに加入したミック・テイラーさんがメンバーとして参加した初の作品でもあり、現在もライブの定番曲となった多くの名曲を収録した傑作アルバムとして、全英・全米チャートともに1位を獲得したバンドにとっても代表作の1つなのですね。

そんな名盤と同じくアルバム・ジャケットも名作といえる本作ですが、レコード時代には本物のジッパーが取り付けられており、CDとしてリイシューした際にもいくつかのバージョンではそのままのギミックが再現されています。

仕掛け人はポップ・アートのカリスマであるアンディ・ウォーホルさんですが、実際にデザインしたのはカーペンターズの諸作品にもクレジットされているグレッグ・ブラウンさんです。

余談ですが、当時のスペインではこのアルバム・ジャケットのデザインはNGとされ、まったく違うジャケットとして流通しました。

そのジャケットの方が問題なのでは、と感じる人も多そうなデザインですから、興味のある方はチェックしてみてください!

WeezerWeezer

冴えない自分を赤裸々にさらけだした歌詞と圧倒的にキャッチーな泣きのメロディ、オルタナティブロック~グランジ以降のノイジーなギターを融合させたスタイルでシーンに衝撃を与えたウィーザーは、ここ日本でも多くのファンを持つロック・バンドです。

彼らに影響を受けたミュージシャンも多く、ウィーザー自体も日本にちなんだジャケットを起用したセカンド・アルバム『Pinkerton』をリリースするなど、親日家として知られていますよね。

とくにソングライティングを担当するボーカリスト兼ギタリストのリヴァース・クオモさんは日本人女性と結婚、同じく親日家のミュージシャンとタッグを組んで日本語の楽曲をリリースしたこともあるほどです。

そんなウィーザーのデビュー・アルバムにして300万枚をこえるヒットを記録した1994年の『Weezer』は、その後のキャリアでも数枚のセルフタイトルの作品を出していることもあって、通称「ザ・ブルー・アルバム」とも呼ばれ、日本ではシンプルに「青盤」と呼ばれて親しまれている大名盤です。

内容の素晴らしさはもちろん、ロックスターとはかけ離れた地味なメンバー4人が所在なさげに立ち尽くしているジャケットは、派手な80年代メタルを一掃してしまったグランジ・ブームの終わりとともに生まれた、非常にエポックメイキング的なものだと言えましょう。

余談ですが、このジャケットにはメンバーの全体像が写っているバージョンも存在しており、アナログで本作を探されている方は要チェックです!

Aladdin SaneDavid Bowie

音楽性も自身のキャラクターも変化自在のスタイルで激動の時代を駆け抜け、音楽シーンのみならず多くのカルチャーへ多大なる影響を与えた不世出のアーティスト、デヴィッド・ボウイさん。

2016年に惜しくも亡くなられましたが、闘病生活の間も最後の最後まで現役のアーティストとして作品を制作、亡くなる2日前に遺作となったアルバム『ブラックスター』がリリースされたことは今も記憶に新しいですよね。

そんなボウイさんはアート全般に造詣が深く、自身の作品のアルバム・ジャケットはどれも有名なものばかりで1つだけ挙げるのはなかなか難しいのですが、今回は1973年にリリースされた名盤『Aladdin Sane』のジャケットを紹介しましょう。

前年にリリースされたコンセプト・アルバムの大傑作『ジギー・スターダスト』で大成功を果たしたボウイさんが次なる一手としてリリースした作品で、全英チャートでは1位を、全米チャートでも初のトップ20入りを果たすなどの成功をもたらしました。

ピエール・ラロシュさんによるあまりにも有名な赤と青の稲妻のようなメイクを施したボウイさん、というジャケットのインパクトは相当なもので、多くのパロディやオマージュ的な作品が生まれたのも当然と言えそうですね。

写真を撮影したのは写真家のブライアン・ダフィーさんで、アルバムのフォト・セッションの中で撮影されたものとのことです。

Weasels Ripped My FleshFrank Zappa & The Mothers of Invention

ロックの歴史の中でも屈指の天才にして、奇人・変人と評される不世出のアーティストであるフランク・ザッパさん。

破天荒な活動スタイルと検閲などの権力と徹底的に争う自由な思想を持ち、52年の人生の中でミュージシャンとしての卓越した才能に裏打ちされた膨大な楽曲を生み出し続けた存在です。

ザッパさんの残した名言の数々は、SNS時代においておそらく本人の意図とは違った形で広まってしまうほどのインパクトを放っているほどです。

そんなザッパさんは1964年から1975年にかけて「マザーズ・オブ・インヴェンション」というバンド名義で活動しており、本稿で紹介しているアルバム『Weasels Ripped My Flesh』は、1970年に同バンド名義でリリースされた作品です。

ザッパさんの作品の邦題はキャラクターに沿った形なのか、インパクトの強すぎるタイトルが多いことでも知られていますが、本作の邦題は『いたち野郎』です。

原題の意味そのままに「イタチが男性の頬肉を引き裂いている」という強烈なアルバムのアートワークを作成したのは、アメリカ人イラストレーターのネオン・パークさん。

後にリトル・フィートの作品のほぼすべてを手掛けたことでも著名なパークさんの名前を世に知らしめたのが、本作『いたち野郎』のデザインなのですね。

ザッパさんがどのような意図でパークさんに本作のアルバム・ジャケットのデザインを依頼したのか、といったエピソードも実にパンチのきいたものですから、ぜひ調べてみてくださいね!

Definitely MaybeOasis

1990年代のイギリスが生んだ最強のロック・バンドにして、カリスマティックなボーカリストであるリアムさんと天才的なソングライターのノエルさんというギャラガー兄弟が率いたオアシスの作品のアートワークは、破天荒なバンドのイメージとは反するようにアルバムにしてもEP作品にしても実に英国的でオシャレなものが多いです。

初期メンバーのギタリスト、ボーンヘッドさんの家のリビングルームで撮影された写真が起用された、イギリスのロック史に残る伝説のデビュー・アルバム『Definitely Maybe』のアルバム・ジャケットも最高にクールでカッコいいですよね。

のんびりと午後の一時を過ごすバンド・メンバーといったような雰囲気のアルバム・ジャケットには、偉大な作曲家のバート・バカラックさんや地元マンチェスター・シティの選手として知られるロドニー・マーシュさんの写真が置かれ、部屋の奥にはエピフォンのギター、テレビに映っているのはクリント・イーストウッドさんの若き日の名作映画『続・夕陽のガンマン』など、彼らの趣味が伝わってくるようなアートワークとなっているのですね。

その他にも、回転している地球儀や無造作に置かれたグラスなど、さまざまなイメージを想起させるちょっとしたセンスも絶妙です。

なお、寝転がっているリアムさんのポーズもちゃんとした意味がありますから、興味を持たれた方は調べてみるとおもしろいですよ。

おわりに

ジャケットのアートワークが有名な名盤を一挙に紹介しました。

曲は聴いたことがなくてもジャケットだけは見たことがあるものがたくさんあったと思います。

この記事で紹介した曲はジャケットにまつわるエピソードやそのデザインセンスだけで話題になっているわけではなく、もちろん収録楽曲の魅力もあって現在まで名盤として語られてきました。

かつてジャケ買いという言葉があったように、もし気に入ったジャケットのアルバムがあれば実際に楽曲を聴いてみてくださいね。