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【ボロディンのピアノ曲】ロシア民謡を愛した作曲家による名曲を厳選

『ダッタン人の踊り』の作曲家として知られ、ムソルグスキーやバラキレフらとともに「ロシア5人組」のひとりとして活躍した帝政ロシアの作曲家、アレクサンドル・ボロディン。

ロシア民謡をこよなく愛しロシア音楽の作曲に打ち込んだ彼は、オペラをはじめ管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲、合唱曲といった幅広い作品を遺しています。

今回はそのなかからピアノソロのための作品やピアノを含む室内楽曲、ピアノでも演奏され世界中で親しまれているボロディンの代表曲など、ピアノ学習者や愛好家にオススメの曲をご紹介します!

【ボロディンのピアノ曲】ロシア民謡を愛した作曲家による名曲を厳選

小組曲 Op.1 第5曲「夢想」Alexander Borodin

ボロディンの「小組曲」より第5曲 Borodin’s Reverie from Petite Suite 遠藤史
小組曲 Op.1 第5曲「夢想」Alexander Borodin

アレクサンドル・ボロディンは、化学者、医師として活動する傍ら、ロシア民謡をこよなく愛し、それをヒントにした作品を数多く残しました。

彼の代表作のピアノ小品『小組曲 Op.1』の第5曲『夢想』は、繊細で叙情的なメロディから生まれる夢の中のような幻想的な雰囲気が魅力的な作品。

ボロディンの豊かな感性とロシア音楽らしい美しさが詰まった本作は、ロシア音楽の魅力を存分に味わいたい方や、叙情的な音楽が好きな方にぜひお楽しみいただきたい名曲です。

ピアノ五重奏曲 ハ短調Alexander Borodin

19世紀ロシアの国民主義的作曲家、化学者として知られるアレクサンドル・ボロディン。

1862年のイタリア滞在中に作曲された『ピアノ五重奏曲 ハ短調』は、彼の若き日の才能が光る初期の代表作です。

この作品は、スラブ風の情緒的な旋律とロマンティックな表現力が見事に融合した室内楽曲。

ピアノと弦楽器のために書かれた本作は、ボロディン音楽の中でも際立った繊細さと感情の深さをたたえています。

本作を通して、彼の創造した美しく情熱的な音楽世界を堪能できるでしょう。

オペラ「イーゴリ公」より「ダッタン人の踊り」Alexander Borodin

19世紀に活躍し、ロシア5人組の1人としてロシア民族主義音楽をけん引したアレクサンドル・ボロディン。

オペラ『イーゴリ公』のなかの1曲『ダッタン人の踊り』は、民族色豊かな旋律とリズムで多くの人々を魅了してきたクラシック界の名曲です。

劇中のポロヴェツ人たちの踊りは、力強さの中にも流麗さを感じさせ、コンチャック王への賛美と畏敬の念が込められています。

民族音楽の魅力を十分に味わえる本作は、クラシック音楽ファンはもちろん、初めてクラシックに触れる人にもオススメの名曲です。

小組曲 Op.1 第3曲「マズルカ(素朴なマズルカ)」Alexander Borodin

ボロディンの小組曲より第3曲 マズルカ Borodin, Mazurka (C dur) from Petite Suite 遠藤史
小組曲 Op.1 第3曲「マズルカ(素朴なマズルカ)」Alexander Borodin

『イーゴリ公』や『中央アジアの草原にて』など、ロシア音楽の傑作を生み出したロシア国民楽派の作曲家、アレクサンドル・ボロディン。

彼が遺した作品には、ロシアの民族音楽の要素が色濃く表れています。

1885年に発表された『小組曲 Op.1』に収められた『素朴なマズルカ』は、ポーランドに由来する舞曲をロシア風にアレンジした軽快な曲調が魅力。

舞踏会の情景を思い描きながら楽しめるこの作品は、ロマンティックな雰囲気がぜひとも演奏していただきたいピアノ曲です。

ピアノ三重奏曲 ニ長調Alexander Borodin

19世紀ロシアの作曲家アレクサンドル・ボロディンの作品には、ロシアの民謡の影響を受けたメロディアスでロマンティックな特徴があります。

『ピアノ三重奏曲 ニ長調』は、ボロディンが残した未完の室内楽作品の一つ。

各楽章は異なる情感と音楽的表現を見せており、彼の音楽的才能と科学者としての職業にもかかわらず音楽への深い情熱を持ち続けた生涯を反映しています。

本作は、ピアノ三重奏曲という編成の重要な作品の一つとして、室内楽を愛好する演奏者や聴衆にオススメです。

変化のない主題によるパラフレーズ 第3曲「葬送行進曲」Alexander Borodin

Marche funèbre by Alexander Borodin | Paraphrases | “Chopsticks” or “Tati-Tati” | Piano Synthesia
変化のない主題によるパラフレーズ 第3曲「葬送行進曲」Alexander Borodin

ロシアが生んだ19世紀の偉大な作曲家のひとり、アレクサンドル・ボロディン。

彼は、医師や化学者としての本業の傍ら音楽活動も行い、ロシアの伝統的な民謡の旋律をクラシック音楽に取り入れました。

『変化のない主題によるパラフレーズ』は、ボロディンが仲間の作曲家たちと共同で手がけたユニークな作品集です。

その第3曲『葬送行進曲』は、ボロディンならではのユーモアと創造性にあふれた、哀愁ただよう旋律と行進曲風のリズムが味わい深い1曲です。

本作の演奏や鑑賞を通じて、19世紀後半のロシア音楽界の息吹を感じてみてはいかがでしょうか?

おわりに

今回は、ロシア5人組のひとりとして知られるアレクサンドル・ボロディンのピアノ曲や、ピアノを含む編成で演奏される楽曲をご紹介しました。

ボロディンが遺した作品は決して多くはありませんが、いずれも民謡をベースに作曲した彼の世界観が反映された素朴な作品ばかり!

これを機に、ピアノ作品以外もチェックしてみてはいかがでしょうか?