アレクサンドル・ボロディンの名曲。人気のクラシック音楽
クラシック音楽界で「ロシア5人組」の一人と言われる作曲家、アレクサンドル・ボロディンを紹介します。
さまざまなクラシック作曲家は演奏したり作曲で生計を立てている本業が音楽家であることが多いのですが、ボロディンはサンクトペテルブルク大学の医学部に入り、最優秀で卒業したり、卒業した大学の医学部生化学の助教授、教授として勤めるなど本職は化学者という異例な作曲家です。
日曜作曲家と自称するほどで、化学者としての仕事の間で作曲活動していたため、作品数は多くはないのですが、『だったん人』や『弦楽四重奏曲第2番』など素晴らしい作品も多く残しています。
そんなボロディンの名曲を名演奏とともに各楽章に分けて紹介します。
本職が化学者とは思えない秀逸な作品をぜひお聞きください!
アレクサンドル・ボロディンの名曲。人気のクラシック音楽(1〜20)
チェロソナタ ロ短調Alexander Borodin

ロシアの国民主義音楽を代表する作曲家の一人、アレクサンドル・ボロディン。
本職は化学者でありながら、音楽への情熱を捨てきれず、休日を利用して作曲活動していました。
そんなボロディンの初期の作品である本作は、バッハからの影響を受けつつも、ロマンティックな雰囲気が漂う秀作です。
1860年にドイツで構想されたこの曲は、ボロディンのチェロへの愛情が感じられる温かみのある旋律が特徴的です。
バッハの厳格な主題から始まり、次第にロシアの民俗音楽を思わせる叙情的な展開へと変化していく様は、まさに聴く人の心を魅了します。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、ロシア音楽の魅力を知りたい方にもおすすめの一曲です。
歌劇「イーゴリ公」より、だったん人の踊りAlexander Borodin

ロシアの5人組の一人、アレクサンドル・ボロディンの代名詞となっている名曲です。
その曲名にある『だったん人』とは、チュルク語族の言語を使用する民族集団のことを『タタール』と呼び、日本では、中国から伝わった韃靼(だったん)という表記を用いたため、『だったん人の踊り』、または『ポロヴェツ人の踊り』というタイトルになっています。
オペラ『イーゴリ公』の第2幕に含まれる曲で、ボロディンの中では最も有名な曲であり、この曲を良く知っているとボロディンという作曲家も知るべき楽曲です。
オーケストラのコンサートなどで、オペラとは独立に演奏されることも多く、年末の東急ジルベスターコンサートでは2016年から年越しのカウントダウン曲に選ばれ、大友直人指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏によって大成功を収めました。
弦楽四重奏曲第1番イ長調 第3楽章 Scherzo: Prestissimo.Alexander Borodin

本業が化学者という異色の経歴の持ち主、19世紀のロシアを代表する音楽家アレクサンドル・ボロディン。
ボロディンの初期作品である本作は、弦楽器のみで構成された四重奏曲で、特に第3楽章はスケルツォという軽快な形式で書かれています。
非常に速いテンポで演奏され、弦楽器間で急速に変化するリズムが特徴的です。
ボロディンは西洋的なクラシック音楽の形式を重視しつつ、独自のメロディー感覚を活かしています。
1879年8月に完成し、翌年12月にサンクトペテルブルクで初演された本作は、クラシック音楽愛好家はもちろん、弦楽四重奏の魅力を知りたい方にもおすすめの1曲です。
歌劇「イーゴリ公」序曲Alexander Borodin

ミリイ・バラキレフを中心とした19世紀のロシアの作曲集団『ロシア5人組』の一人であるアレクサンドル・ボロディンは、化学者としての本業を持ちながら音楽活動していた異色の作曲家です。
1833年生まれのボロディンは、サンクトペテルブルク大学の医学部を最優秀で卒業し、化学の教授として活躍しました。
そんなボロディンが18年の歳月をかけて作曲したのが本作です。
12世紀のロシアを舞台に、イーゴリ公の遠征と捕虜、そして脱出を描いた壮大な物語は、ロシアの民族的アイデンティティを色濃く反映しています。
愛と名誉、忠誠心といったテーマを織り交ぜた歌劇は、ロシア音楽の発展に大きく寄与しました。
化学と音楽の両立を見事に成し遂げたボロディンの才能が光る本作は、ロシア音楽に興味のある方にぜひおすすめです。
スケルツォ 変イ長調Alexander Borodin

19世紀ロシアの偉大な作曲家アレクサンドル・ボロディンは、化学者として成功を収めながらも音楽への情熱を捨てませんでした。
本業の傍らで作曲活動を続け、ロシア国民楽派の一員として重要な作品を残しています。
ピアノのために書かれたこの曲は、ボロディンらしい活気があるリズムと官能的なメロディーが融合した魅力的な作品です。
わずか3分ほどの短い曲ながら、ボロディンの音楽性が凝縮されており、ピアニストの技巧を存分に引き出します。
本作は、クラシック音楽に親しみたい方や、ロシア音楽の魅力を味わいたい方におすすめです。
1885年のベルギー訪問中に書かれたこの曲は、ボロディンの才能と情熱を今に伝える貴重な遺産となっています。