BOSSブランドとしての第1号機が、かの有名なOD-1だったことからも象徴されるように、歪み系エフェクトのサウンドには定評があるBOSS。
現在の歪み系コンパクト・エフェクターの充実度には目を見張るものがあります。
マイルドな歪みのオーバードライブから伝統的なファズ・サウンド、そして過激なディストーション・サウンドまで、幅広いラインナップの中から選ぶことが可能です。
今回はメタリックで攻撃的な歪みが特徴のML-2 Metal Coreの特徴や機能について紹介していきます。
ロックの進化がもたらした過激な歪みに対応
歪み系エフェクターの進化の歴史は、やはりロック・ミュージックによって牽引されてきたと言っても過言ではありません。
マイルドな歪みが主流だったロック創世記から、時代が進むに連れてギターのサウンドも過激になり、真空管アンプやファズで得られる歪みでは飽き足らず、より強い歪みをギタリストが求めるようになりました。
その背景は、メロディー・ラインを犠牲にしてでも過激に進化した楽曲だけでなく、7弦ギターの出現など、よりヘヴィなサウンドに対応した機材の進化が無視できません。
よりハイ・ゲインなサウンドへ進化
その流れは現代に至るまで留まることを知らず、近年のディストーション・サウンドは非常に金属的かつ重厚で、ヘヴィ・ロックを中心とした多くのジャンルのギタリスト達から支持を得ています。
BOSS社においても、最初のディストーションとして1978年に発表されたDS-1から進化を遂げ、ML-2の他、MT-2やMD-2という非常にハイ・ゲインなサウンドが特徴のディストーションがラインナップされています。
ML-2はデジタル技術の進化により、重厚でありながら音の輪郭が潰れることの無いシャープな歪みを得ることができます。
低音弦でのリフ演奏がカギとなるジャンルにおいて、ギタリストが求めるサウンドを高品質で実現しています。
ヘヴィなサウンドに対応したEQコントロール
ML-2のコントロール・ツマミは左から
- エフェクト音の音量を調整するLEVEL
- 低音域の音質を調整するLOW
- 高音域の音質を調整するHIGH
- 歪みの強さを調整するDIST
という構成になっています。
特に、今風の強い歪みを生み出すエフェクターながら、イコライザーについてはLOWとHIGHの二つというシンプルな構成です。
しかし、この二つのイコライザーこそML-2の特徴である金属的かつ重厚なサウンドをコントロールするポイントなのです。
LOWコントロールでは低音域の太い音圧感を作り、HIGHコントロールでは高音域に金属的な響きを与えることが出来ます。
例えばドロップ・チューニングをした場合、物理的に弦のテンションは緩くなり、低音は出ますが音圧が得られないことがあります。
そのようなときにML-2のLOWで音圧を増し、相互的にHIGHを調整することで低音域でも一音一音の粒立ちを際立たせるように使うと効果的です。
ハイ・ゲイン・ディストーションながらノイズの少なさも特徴
デジタル技術が進んだ現代でも、歪み系エフェクターにおいてはハイ・ゲインになればなる程、ノイズの問題が少なからず発生します。
その点、ML-2においてはDISTコントロールを上げてもノイズが非常に少ないのが特徴です。
ディストーション系のエフェクターを使用する際、ノイズ対策用のエフェクトが欠かせないというギタリストの悩みを解決してくれます。
また、ハイ・ゲインなディストーションでは、ギターのピックアップをフロント・ポジションにしてハイ・ポジションで演奏するという、特にギター・ソロを弾く時に多い音作りの際に、低音でリフを弾く時より明らかに音質が良くないと感じることが少なくありません。
ML-2は、そのようなセッティングでも歪みを保ったままマイルドなトーンを得ることが出来ます。