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【デュティユーのピアノ曲】20世紀後半のフランスを代表する作曲家による名作

アンリ・デュティユーさんは、20世紀後半から21世紀初めにかけてのフランスを代表する作曲家のひとり。

1916年にフランス西部のアンジェで生まれ、パリ音楽院での学びを経て、作曲家、音楽教師、コンクールの審査員として活躍しました。

1994年には「第6回高松宮殿下記念世界文化賞音楽部門」を受賞しており、日本にゆかりのある音楽家としても知られています。

本記事では、そんなデュティユーさんの作品のなかから、ピアノのために書かれた楽曲をピックアップ!

作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介します。

【デュティユーのピアノ曲】20世紀後半のフランスを代表する作曲家による名作(1〜10)

ブラックバードHenri Dutilleux

20世紀後半のフランスを代表する作曲家アンリ・デュティユーさんによるピアノ曲『ブラックバード』は、ドビュッシーやラヴェルなどの影響を受けつつ、独自の音楽語法を確立した彼の作風が色濃く反映された作品といえるでしょう。

本曲は複雑なリズムと洗練された和声が特徴的で、鳥の内面的な特性を捉えることを目指した非自然主義的なアプローチが魅力です。

音が黒いキャンバスに描かれる光のように共鳴し、深い表現力をたたえた音楽が聴く者の心を揺さぶります。

現代音楽に興味のある方にオススメしたい、アーティスティックな1曲です!

ピアノソナタ 第2楽章Henri Dutilleux

20世紀後半フランスを代表する作曲家、アンリ・デュティユーさんのピアノソナタ第2楽章は、彼の音楽的探求を象徴する作品です。

デュティユーさんは、ドビュッシーやラヴェルの影響を受けつつ、バルトークやストラヴィンスキーのエコーも感じさせる独自のスタイルを確立しました。

この楽章は、穏やかな変ニ長調を基調としながらも、曖昧さが際立つA-B-Aの三部形式。

極端な音域の使用やトリトーンの強調など、彼らしい音楽的特徴が随所に見られます。

内省的で繊細な音楽の流れは、時間や記憶への関心を反映し、深い芸術的感受性を感じさせるでしょう。

ピアノを学ぶすべての人に、ぜひ演奏していただきたい名曲です。

扇状の小前奏曲Henri Dutilleux

Dutilleux, Henri (1987): Mini-prélude en éventail pour piano — Vittoria Quartararo
扇状の小前奏曲Henri Dutilleux

フランスを代表する20世紀の作曲家アンリ・デュティユーさん。

パリ音楽院で学んだのち、作曲家として活躍するかたわら、音楽教師やコンクールの審査員としても活動しました。

1994年には「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞するなど、国際的にも高く評価された人物です。

そんなデュティユーさんのピアノのために書かれた小品『扇状の小前奏曲』は、ラヴェルやドビュッシーからの影響を感じさせつつも、色彩感あふれる独自の世界を作り出している作品。

扇を思わせるようなユニークな構成で、わずか1分ほどの演奏時間でありながら、彼の芸術性が凝縮された1曲といえるでしょう。

【デュティユーのピアノ曲】20世紀後半のフランスを代表する作曲家による名作(11〜20)

眠りを誘うそよ風Henri Dutilleux

Henri Dutilleux – Petit air à dormir debout (1981)
眠りを誘うそよ風Henri Dutilleux

20世紀後半のフランスを代表する作曲家、アンリ・デュティユーさん。

パリ音楽院での学びを経て、作曲家、音楽教師、コンクールの審査員として活躍しました。

1981年に発表されたピアノ独奏用の小品『眠りを誘うそよ風』は、デュティユーさんの独創的な音楽世界を堪能できる1曲です。

繊細で美しいメロディに、深い感情と複雑な和声が織り成す音の彩りは、まるで夢見心地のような幻想的な魅力を放ちます。

穏やかでリラックスした雰囲気に包まれる本作で、デュティユーさんの世界観を体感してみてはいかがでしょうか?

波のまにまに(ピアノのための6つの小品集)第1曲「子守歌の前奏曲」Henri Dutilleux

フランスの作曲家アンリ・デュティユーさんは、20世紀を代表する音楽家のひとり。

パリ音楽院で学んだ彼は、フランス近代音楽の流れをくみつつ、独自の世界を築き上げました。

『波のまにまに』は、1940年代に書かれた6つの小品からなるピアノ曲集。

その1曲目『子守歌の前奏曲』は、繊細で美しい旋律が印象的な作品です。

ゆったりとしたテンポのなかに、わずかな揺らぎを感じさせるリズムが、まるで穏やかな波のように、音の一つひとつがあたたかく包み込んでくれます。

ピアノ演奏に慣れている方はもちろん、初めてデュティユーさんの曲に触れる方にもオススメの1曲です。

全ての道は、ローマに通ずHenri Dutilleux

Henri Dutilleux – Tous les chemins … menent a Rome (Queffelec) (1947)
全ての道は、ローマに通ずHenri Dutilleux

アンリ・デュティユーさんは、20世紀後半のフランスを代表する作曲家のひとりです。

彼の音楽は、デビュッシーやラヴェルの影響を受けつつも、独自のモダニズムスタイルを確立しました。

『全ての道は、ローマに通ず』は、デュティユーのピアノ作品のなかでも注目すべき傑作の一つ。

精緻に構築された対称性と構造に特徴があり、繊細なタッチと複雑な和声が織りなす音の色彩は、聴き手の心を深く揺さぶります。

彼の音楽は「音の絵画」とも称されるように、詩的な美しさと豊かな感情表現に満ちています。

クラシック音楽に親しみのある方はもちろん、現代音楽に興味のある方にもぜひオススメしたい、珠玉の1曲です。

響きHenri Dutilleux

20世紀後半を代表するフランスの作曲家アンリ・デュティユーさんの『響き』は、音の響きや共鳴の探求を試みた意欲作。

伝統的な調性にとらわれず、音色やテクスチャーを重視する彼独自のアプローチが光る1曲です。

静寂と音のバランス、動と静の対比を通じて深いめい想的な雰囲気を醸し出しており、2台のピアノが織りなす複雑で多層的な音響空間は、まるで「音の彫刻」のよう。

印象派的な要素を持ちつつ、視覚芸術との深い結びつきが感じられるのも魅力です。

現代音楽に興味のある方にぜひ弾いていただきたい名曲ですね。