昭和初期に流行した歌、ヒット曲【日本の歌】
昭和の曲でも初期の曲が知りたい!そんな方に見ていただきたい昭和初期のヒット曲をまとめました。
昭和元年〜昭和20年の楽曲をセレクト。
時代が変わってなお、多く親しまれるようになった1970年代以降の昭和歌謡とまた違った魅力があるかと思います。
ゆったりした曲調が多くどっしりと構えた雰囲気で、まさしく「歌を聴く」といった内容の曲がたくさんです。
日本語の奥深い言葉の響きも感じながら、ぜひゆっくりと耳を傾けてみてくださいね。
昭和初期に流行した歌、ヒット曲【日本の歌】(11〜20)
蘇州夜曲渡辺はま子、霧島昇
『蘇州夜曲』は1940年、映画『志那の夜』の挿入歌として作られ、同年に渡辺はま子さんと霧島昇さんの歌唱でレコード発売された昭和の流行歌です。
映画の中では、戦前の中国で生まれ、激動の時代を生きた女優、李香蘭こと山口淑子さんが歌っています。
この歌は、そもそもが映画スター「李香蘭」が歌うことを前提として作られた歌だそうです。
「東洋の水の都」と言われる蘇州や男女の心情が、昭和の流行歌ならではの美しい歌詞で描かれています。
君恋し二村定一

海外のポピュラーソングからの影響で独学による歌唱法を習得し、日本有数のジャズシンガーとして活躍した二村定一さん。
昭和3年12月20日にリリースされた楽曲『君恋し』は、昭和初期を代表するヒットとなったことから二村定一さんの代表曲として知られています。
どこか憂いを感じさせるリリックやメロディーは、大正から昭和の空気感にあふれていますよね。
昭和の後期にはさまざまなアーティストによってカバーされた、時代を越えて愛されているナンバーです。
湖畔の乙女菊池章子

6歳で琵琶の免許皆伝となり、1939年に歌手としてのデビューを果たしたシンガー、菊池章子さん。
1942年11月15日にリリースされたシングル曲『湖畔の乙女』は、映画『湖畔の別れ』の主題歌として大ヒットとなりました。
透明感のある伸びやかなハイトーンボイスと叙情的なメロディーは、古き良き日本の音楽を感じさせられるのではないでしょうか。
日本語の美しさが詰まったリリックにも注目して聴いてほしい、エモーショナルなナンバーです。
鈴懸の径灰田勝彦

ハワイアン、ヨーデル、流行歌で人気を博し、俳優としても活躍したシンガー、灰田勝彦さん。
第二次世界大戦中であった1942年9月にリリースされた『鈴懸の径』は、戦時中としては珍しい軍隊色が感じられない数少ない楽曲としてヒットを記録しました。
ウクレレとストリングスをフィーチャーしたアンサンブルと奥行きのある歌声のコントラストは、ダークな空気感でありながらも惹きつけられる魅力がありますよね。
藤圭子さんや石川さゆりさんなど名だたるアーティストにもカバーされている、昭和初期を代表するナンバーです。
波浮の港藤原義江

「吾等のテナー」の愛称で親しまれ、さまざまな国を渡り歩きながら戦前戦後とオペラ界で人気を博した声楽家、藤原義江さん。
1928年7月にリリースされた楽曲『波浮の港』は、高額な赤盤レコードとしてリリースされたことも当時話題となりました。
ピアノのみのアンサンブルに乗せたふくよかな歌声は、楽曲の舞台である波浮港村の情景をイメージさせる表現力がありますよね。
哀愁を感じさせるメロディーが印象的な、ノスタルジックなナンバーです。