昭和40年代の日本のヒット曲
昭和40年代の日本と言えば、後に「いざなぎ景気」と言われる高度経済成長期に突入したり、1970年(昭和45年)には大阪万博が開催されたりと、非常に活気にあふれていた時代だったようなイメージがあります。
また、音楽的にもエレキギターのブーム、グループサウンズブーム、フォークソングブーム等の中から後の日本の音楽シーンに強く影響を与え、そしてまたリスナーの方たちの記憶に残る作品たちが数多く生まれた時代でした。
本特集では、そんな日本の昭和40年代の名曲たちをご紹介します。
当時をリアルタイムでご経験された方にも後追い世代の方にもお楽しみいただけるよう、できるだけ幅広く選曲してみました。
ぜひお楽しみくださいませ。
昭和40年代の日本のヒット曲(1〜10)
黒ネコのタンゴ皆川おさむ

昭和40年代に発売された童謡の名曲!
黒ネコを恋人に見立てた歌詞が、子供から大人まで幅広い世代の心をつかみました。
夜の街を歩くネコのかわいらしさと、気まぐれな性格をうまく表現しているんです。
皆川おさむさんが6歳でレコーディングし、260万枚以上を売り上げた大ヒット曲。
かわいらしい歌声と親しみやすいメロディが、聴く人の心を温かくしてくれますよ。
ブルー・シャトウジャッキー吉川とブルー・コメッツ

ジャッキー吉川とブルー・コメッツの8作目のシングルで初回リリースは1967年(昭和42年)3月。
同年の日本レコード大賞受賞曲で、150万枚以上の売り上げを記録し、同グループ最大のヒット曲となりました。
聴いているだけで夜の静かな森の中に月あかり照らされた青い古城が目に浮かぶような、ある意味、神秘的な魅力を放つ楽曲で、当時大ヒットしたのもうなづけてしまいますよね。
また曲中の色々な部分で多用されているメンバーによるコーラスワークも素晴らしく、これはリリースから半世紀以上を経過した現在(2022年)でもまったく色褪せないアレンジ、サウンドに仕上げられていると思います。
また、単にバンドアレンジではなく、ストリングスやホーン等、いわゆるオーケストラ楽器を効果的に使ったアレンジワーク、サウンドワークも秀逸な楽曲だと思います。
涙の連絡船都はるみ

1965年に発売された、都はるみさんの大ヒットソングです。
作詞は関沢新一さん、作曲は市川昭介さん。
失恋の痛みや別れの悲しみを連絡船というテーマに託して表現しています。
寂しさに耐え切れず、独り港にやってきた女性の前を悠々と行き交う連絡船。
別れた男性を思いながら船を眺める切ない情景が目の前に浮かんできます。
過去の悲しい恋愛を思い出して、うるっとしてしまう方もいらっしゃるのでは?
本作は1966年に映画化され、都はるみさん自身も出演しました。
モナリザの微笑みザ・タイガース

日本のグループサウンズ、ザ・タイガーズの3枚目のシングルで1967年(昭和42年)8月リリース。
この楽曲のリリース当時、まだ現在のオリコンチャートは存在しませんでしたが、『ヤング・ミュージック』誌(集英社発行)で1位を獲得したことあるそうです。
美しく切ないメロディーに乗ってステキに響く沢田研二(ジュリー)さんの歌声が非常に印象的です。
当時の音楽、現代の楽曲に比べると演奏時間も非常に短く、この曲も総演奏時間は3分弱ですが、短い曲の中でしっかりと起承転結があり、また楽曲世界観の情景描写なども存分に表現されているところが驚きです。
これもまた昭和の名曲!! ぜひお楽しみください!
夜霧よ今夜も有難う石原裕次郎

夜霧に包まれた恋人たちの切ない思いを歌った名曲です。
石原裕次郎さんの甘い歌声が、ひそかに愛し合う2人の心情を見事に表現しています。
1967年2月にリリースされ、同名映画の主題歌としても使用されました。
映画では石原裕次郎さんと浅丘ルリ子さんが主演し、ロマンチックな恋愛ストーリーが描かれています。
本作は、恋に悩む人や切ない気持ちを抱える人の心に寄り添う1曲。
夜霧の中で愛する人を思う、そんな甘美な気分に浸りたい時にピッタリの楽曲です。
うそ中条きよし

切ない恋心を描いた名曲です。
嘘をついている恋人に気づきながらも、その優しさに心を引かれてしまう女性の葛藤が歌われています。
1974年1月に発売されたこの楽曲は、中条きよしさんの再デビューシングルとして150万枚を超える大ヒットを記録。
第16回日本レコード大賞の大衆賞を受賞し、同年のNHK紅白歌合戦初出場も果たしました。
2007年放送のドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』ではオカンがよく歌う歌として描かれ、再び注目を集めました。
恋に悩む方はもちろん、人間関係の機微を感じたい方にもオススメの1曲。
耳に残るメロディとともに、恋の喜びと切なさを味わってみてはいかがでしょうか?
いいじゃないの幸せならば佐良直美

昭和40年代の日本を代表する名曲の一つが、佐良直美さんの大ヒット曲であるこちらです。
当時の社会規範に縛られない自由な生き方を歌った歌詞が、多くの人々の心に響きました。
1969年7月にリリースされたこの曲は、同年の第11回日本レコード大賞で大賞を受賞。
女性歌手初の快挙でした。
本作は、木の実ナナさんや桑田佳祐さんなど、さまざまなアーティストによってカバーされ、世代を超えて愛され続けています。
自分らしさを大切にしたい人や、人目を気にせず幸せを追求したい人にオススメの1曲です。
佐良直美さんの柔らかな歌声に包まれながら、自分の幸せについて考えてみるのはいかがでしょうか。