1875年にウィーンの開業医の息子として誕生し、幼い頃からバイオリンの神童として注目を集めていたフリッツ・クライスラーさん。
時代を一変させた2つの世界大戦にほんろうされ、交通事故で重傷を負いながらも、体の動く限り放送への出演やリサイタルの開催など精力的に活動を続けた彼は、作曲家としても『愛の喜び』『愛の悲しみ』『美しきロスマリン』をはじめとするロマンティックな名作を世に送り出しました。
本記事ではそんなクライスラーさんの作品のなかから、ピアノ曲やピアノ編曲版で親しまれている作品をご紹介します。
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もくじ
【クライスラーのピアノ曲】愛の三部作で知られる作曲家による名作
美しきロスマリン(「ウィーン古典舞曲集」より)Fritz Kreisler

幼少期から音楽の才能を発揮し、バイオリンの神童と呼ばれたフリッツ・クライスラー。
彼の作品のなかでも、ピアノ曲やピアノ編曲版で特に親しまれているのが『ウィーン古典舞曲集』に収められた3曲です。
なかでも『美しきロスマリン』は、優雅で軽快なメロディが印象的。
甘美な旋律に乗せて、まるで美しい恋人への愛を歌っているかのような雰囲気が漂います。
シンプルな曲ながら、クライスラーさんならではの豊かな表現力が感じられる本作は、バイオリンだけでなく、ピアノでも人気の高い作品で、演奏会などでもよく取り上げられます。
愛の悲しみ(「ウィーン古典舞曲集」より)Kreisler=Rachmaninov

フリッツ・クライスラーさんとセルゲイ・ラフマニノフさん、20世紀前半を代表する巨匠たちのコラボレーションによって生まれた『愛の悲しみ』。
オリジナルのバイオリン版をラフマニノフさんがピアノ独奏版に編曲したこの作品は、哀愁漂うメロディに華やかさも感じられる独特の雰囲気が魅力です。
イ短調の曲調に、半音階の音型やフラジオレットなどの技巧的な要素が効果的に織り交ぜられ、聴き手の心を深く揺さぶります。
恋する者の悲しみと憧れを繊細に、そしてドラマティックに描いたこの名曲は、テクニックと表現力が求められる上級者向けの1曲。
恋愛に悩むすべての人に、ぜひ聴いていただきたい作品です。
愛の喜び(「ウィーン古典舞曲集」より)Kreisler=Rachmaninov

19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したオーストリア出身の作曲家、フリッツ・クライスラーさん。
彼はバイオリニストとしても名声を博しましたが彼が作曲した『愛の喜び』は、クライスラーさんの作曲家としての才能を示す名品です。
後にロシアの巨匠ラフマニノフさんによってピアノ独奏版に編曲されたこの作品は、愛する人との出会いの喜びをウィンナ・ワルツ風に描いた晴れやかな曲調が魅力。
クラシック音楽ファンのみならず、ドラマの挿入歌としても起用されるなど幅広い層から支持される、クライスラーさんの代表的な楽曲の一つといえるでしょう。
小ワルツFritz Kreisler

オーストリア出身の作曲家兼バイオリニスト、フリッツ・クライスラーさんは、幼少期から音楽の才能を示し、ウィーン音楽院やパリ音楽院で学びました。
彼の演奏スタイルはウィーンの特徴を強く反映しており、拡張されたテンポ、表現豊かなフレージング、そしてバイブラートが特徴です。
『小ワルツ』はそんな彼が手掛けた3拍子のワルツ形式で、哀愁漂うメロディと明るく希望に満ちたメロディによって、愛の喪失と回復の感情が見事に表現されています。
シンプルでありながらも感動的なこの作品は、一度聴くと忘れられない美しさがあり、演奏する人にも聴く人にも深い印象を与えます。
クラシック音楽を気軽に楽しみたい方にオススメの1曲です。
ウィーン奇想曲 ロ短調 Op.2Fritz Kreisler

オーストリア出身のバイオリニスト兼作曲家、フリッツ・クライスラーさん。
彼が生涯をかけて追求したのは、バイオリンの華麗なる技巧と叙情性に満ちた音楽表現でした。
代表作の一つ『ウィーン奇想曲 ロ短調 Op.2』は、1910年に発表された魅力的な作品。
ウィーンの街の雰囲気やカフェ文化、音楽の伝統を感じさせる曲調は、クライスラーならではの洗練されたセンスが光ります。
自由な形式と即興的な要素がちりばめられた本作は、軽やかなピアノの音色とも相性抜群。
クラシック音楽ファンだけでなく、心に響く音楽を求めるすべての人にオススメしたい1曲です。