【三善晃のピアノ曲】現代日本音楽の巨匠が手掛けた珠玉の作品を厳選
1933年に生まれ、2013年に惜しまれつつもこの世を去った現代日本を代表する作曲家、三善晃さん。
東京大学文学部仏文科に進学し、在学中にパリ音楽院に留学し研さんを積むという異色の経歴を持つ三善さんは、持ち合わせた音楽的才能と文才が遺憾なく発揮された多くの合唱曲を遺したことでも知られています。
本記事では、そんな彼の作品のなかでもピアノのために書かれた楽曲に焦点を当て、作曲の背景や作品の特徴とあわせてご紹介していきます。
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【三善晃のピアノ曲】現代日本音楽の巨匠が手掛けた珠玉の作品を厳選
ピアノ小品集「海の日記帳」第25曲「さよりっ子たちの訪問」三善晃

現代日本を代表する作曲家、三善晃さん。
東京大学文学部仏文科への進学、在学中のパリ音楽院留学など、異色の経歴を持つ彼は、類まれな音楽的才能と文才を遺憾なく発揮し、合唱曲をはじめ多くの名作を遺しました。
彼が手掛けたピアノ小品集『海の日記帳』は、現代のジャンルに分類される作品集で、海や水辺をテーマとした小品の数々からは、独創性あふれる音の世界が広がります。
第25曲『さよりっ子たちの訪問』は、かわいらしい曲想のなかに3度のレガートや豊かな表現といった音楽的要素が詰め込まれた魅力的な作品です。
ピアノ連弾組曲「音の手帳」第1曲 プレリュード三善晃

日本を代表する作曲家、三善晃さん。
東京大学文学部仏文科に進学し、在学中にパリ音楽院に留学して研鑽を積むという異色の経歴を持つ彼は、その後数多くの名曲を遺しました。
なかでもピアノ連弾組曲『音の手帳』は、繊細かつ情感豊かな作風に定評のある三善さんの音楽世界が凝縮された作品。
第1曲『プレリュード』は、開放的で穏やかな雰囲気を背景に、まるで人生の新たな旅立ちを予感させるような期待と希望に満ちた美しいメロディが印象的です。
古典的な構成を持ちつつも自由な表現が融合した三善さんらしい世界観を堪能できる1曲です。
アン・ヴェール三善晃

現代日本を代表する作曲家の1人、三善晃さん。
彼はパリ音楽院に留学し研さんを積み、日本に帰国後は合唱曲をはじめ、器楽曲、管弦楽曲、電子音楽などの多岐にわたるジャンルで作品を発表。
なかでもピアノ曲『アン・ヴェール』は、三善さんが「見えないもの」や「人と自然の関係」をテーマに据え、その独自の世界観を見事に表現した曲として知られています。
繊細さと激しさを兼ね備えたこの曲は、ピアニストの卓越したテクニックを要する難曲ですが、三善さんの思想や美学に触れることのできる意欲作。
現代音楽になじみのある上級者の方にぜひオススメしたい1曲です。
ソナタ形式による練習曲三善晃

現代日本を代表する作曲家の1人、三善晃さん。
東京大学文学部仏文科出身という異色の経歴を持ち、パリ音楽院で研さんを積んだ彼は、西洋音楽と日本の伝統音楽の融合を図った独自の音楽スタイルを確立。
『ソナタ形式による練習曲』は、そんな三善さんがピアノのために書き下ろした練習曲です。
1967年に発表されたこの作品は、古典的なソナタ形式を用いつつも、彼独特の緻密な動機の展開と豊かな音色が織り成す魅力にあふれています。
深い音楽的素養に裏打ちされた、この練習曲への取り組みは、まさに現代の名曲と向き合う喜びを感じさせてくれることでしょう。
ピアノを学ぶすべての方に、ぜひ弾いていただきたい作品です。
主題と変奏三善晃

現代日本音楽を代表する作曲家、三善晃さん。
東大仏文科を卒業後パリ音楽院に留学し、文才と音楽的才能を遺憾なく発揮した合唱曲で名高い彼が手掛けたピアノのための『主題と変奏』は、多様な音楽的技法が駆使され、伝統的な変奏曲の枠を超えた音楽的風景を描き出す、三善晃らしさ全開の作品です。
緻密な構造に裏打ちされた情感豊かな表現は、聴く者の想像力をかき立て、演奏する人の感性を揺さぶります。
クラシカルでありながらどこか新しい、彼ならではの世界観を堪能できるでしょう。