レコーディングのディレクションで大切なこと
レコーディングをスムーズに進行させるためには作業中のディレクションが大切です。
ではそもそもディレクションとはどんなことをするのでしょう?
作曲されている方や、レコーディングエンジニアの方は気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、レコーディング時のディレクションで大切なことをまとめました。
良いディレクションが求められている
音源作品において、レコーディング環境だけではなく、レコーディング自体の進行も侮ってはいけません。
中には限られた環境、そして限られた時間の中で、ベストな音を選択していかなければいけません。
今バンドをされている方のほとんどはセルフでプロデュースしている時代。
良い作品を作るために、効果的・効率的なディレクションがいつの時代も求められています。
ディレクションとは?
ディレクション【direction】1 指導。
管理。
監督。
演出。
指揮。
「本の―を手がける」2 方角。
方向。
3 傾向。
また、目的。
メジャーのレコード会社、プロのアーティストのレコーディングにはプロデューサーと連携し、作詞・作曲者の選定、スケジュール管理、ジャケット写真のプランニングなどレコーディングやプロモーションの一切をコーディネートする「レコーディングディレクター」と呼ばれる職種が存在します。
ただ、これらの仕事の一部、または全部を今では作曲者やアレンジャー、プロデューサー、そしてレコーディングエンジニアが行うことも少なくありません。
良いディレクションを行うためには、時間や予算の事まで考慮し作品全体を見て作業を進めていく技量が求められます。
そして豊かな音楽知識とコミュニケーション能力が必要不可欠なのです。
参考:レコーディングエンジニアとうまくコミュニケーションするコツ
レコーディング時には演奏者に対して演奏の仕方など指示を出したり、そこで生まれたテイクのジャッジを求められます。
特にボーカルやドラムのレコーディングに関しては、演奏者本人がリアルタイムでジャッジすることが難しい場合もあります。
自分の声や歌を客観的に判断する難しさ
ディレクションは、音源作品に関わるすべての「責任」を負っているといっても過言ではありません。
やり方は人それぞれなのですが、その中でも大切なことを数点まとめてみました。
曲の完成イメージを持つ

http://www.v3.co.uk/v3-uk/analysis/2317995/lies-damned-lies-and-broadband-statistics-telecoms-industry-cant-agree-on-speed-targets
これは一番大切なことだと思います。
事前のプリプロ段階で、曲全体に関わる部分はクリアにしておければベストです。
プリプロとはプリプロダクションの略称であります。
本番のレコーディングに入る前に、曲の構成を練り直したり、歌詞を手直ししたり、アレンジやテンポ確認・調整することで、レコーディングに取り掛かる前に曲のクオリティーを上げる作業。
演奏者を知る
どのような音を奏でる人なのかをしっかり見極めることが大切です。
そして演奏者の良い部分を最大限に生かすためには、その演奏者のコンディションにも配慮する必要があります。
場合によっては一時中断や、スケジュール変更などの判断をしなければならない時もあります。
スケジュール管理
レコーディング手順、進行、納期…などセッション全体のスケジュールを把握しておきましょう!
ライブスケジュールやプロモーションのスケジュールも同時進行していることがほとんどだと思うので、スケジュール管理はしっかりしておきたいですね。
テイクの管理
テイク管理はレコーディング作業でもっとも重要なものの一つです。
レコーディングエンジニアと共有してしっかり管理しましょう。
これはレコーディング作業時に集中して演奏できる環境作りの一環です。
分かりやすい言葉で演奏者に伝える
演奏者はブースの中に閉じこもったままなので、レコーディングルームの会話はヘッドホンからしか聞こえませんし、相手のしゃべっている顔も身近では見られません。
そんな中、演奏者が「大丈夫かな…?」と不安になったり自信がなくなる場面も多いと思います。
良いテイクが録音できたら「分かりやい言葉」「伝わりやすい言葉」で素直に褒めてあげることも、演奏者のモチベーションキープには大切なことです。
例:「今の最高!」「それ頂きます!」「OK!
次いきます!」…など
提案は積極的に
何度やってもなかなかよいテイクが生まれず、足踏み状態になる場面もあります。
そんな時は、こちらから積極的に改善方法を提案しましょう。
例えば「一旦休憩を挟む」「フレーズや歌詞を変えてみる」などです。
ただし進行のテンポを崩さない程度におさめるようにしましょう。
録音後はレコーディングエンジニアとの作業
録音後は、テイクの整理・修正などをレコーディングエンジニアと行います。
録音時の記憶が鮮明なうちに、この作業を終えるようにしましょう。
必要な道具
レコーディングする曲の進行表や歌詞カードはもちろん、紙、鉛筆…など、その場でメモできるものを用意しておきましょう。
あと音程を確認する小型鍵盤、あと時間をはかるストップウォッチなどもあると便利だと思います。
プリプロやデモ音源を確認するためのタブレットやノートパソコンも必需品です。
最後に
ディレクション作業にはマニュアルなどないので、レコーディングを何度も経験していくしか方法はありません。
バンドをされている方は、お互いのパートでディレクションをし合うなどの機会を積極的に作りましょう。
「自分のパートを終えたら終わり!」というわけではありません。
良い作品にしよう!
という気持ちを全員でキープできるようにレコーディング中は、元気よく進行していくことが大切です。
少しでも参考になれば幸いでございます。
ライタープロフィール
スタジオラグ スタッフ
きんや
京都河原町三条に位置する、リハスタのスタッフです。
バンド練習に適したデッドな音響のリハーサルスタジオ。
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