【シェーンベルクのピアノ曲】十二音技法の創始者による無調の作品たち
調性のない「無調」の音楽を追求した現代音楽を代表するオーストリアの作曲家、アルノルト・シェーンベルクさん。
1オクターブ内の音を均等に扱う「十二音技法」の創始者でもある彼の音楽は非常に難解なことで知られており、演奏される機会はそれほど多くありませんが、無意識のうちに独特の世界観に引き込まれる不思議な魅力をたたえています。
本記事では、そんなシェーン・ベルクさんの作品のなかから、ピアノ独奏曲やピアノが重要な位置を占める作品を厳選してご紹介します!
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【シェーンベルクのピアノ曲】十二音技法の創始者による無調の作品たち
ピアノ曲 Op.33bArnold Schönberg

アルノルト・シェーンベルクさんが晩年に至るまで探求し続けた「十二音技法」。
その技法を駆使し、1931年にわずか3日間で作曲された『ピアノ曲 Op.33b』は、彼のピアノソロ作品としては最後の曲として知られています。
この曲には、伝統的な音楽形式に斬新なアイディアを織り交ぜながら、独自の音楽性を追求するシェーンベルクの姿勢が如実に表れています。
十二音列を逆行形や反転形などさまざまな形で用いることで、多彩な音の組み合わせを生み出したり、再現部で第二主題が第一主題に先駆けて登場したりといったシェーンベルク作品ならではの手法も見られる、難解な現代音楽に挑戦してみたいピアニストの方にぜひオススメしたい1曲です。
ピアノ曲 Op.33aArnold Schönberg

20世紀を代表する作曲家のひとり、アルノルト・シェーンベルクさん。
彼は無調音楽の探求者として知られ、十二音技法の創始者でもあります。
『ピアノ曲 Op.33a』は、そんなシェーンベルクが晩年に手掛けたピアノソロ作品。
1928年に作曲されたこの曲は、彼の革新的な音楽語法が凝縮された名曲として高く評価されています。
一聴すると難解に感じるかもしれませんが、十二音技法によって生み出される独特の響きは、聴く者を異次元の世界へいざなってくれることでしょう。
ピアノ音楽の可能性を広げたこの曲は、現代音楽に興味がある方にぜひ聴いていただきたい1曲です。
歌とピアノのための3つの歌曲 Op.48Arnold Schönberg

オーストリアの作曲家アーノルト・シェーンベルクさんは、「十二音技法」の創始者として知られ、20世紀の音楽に大きな影響を与えました。
ユダヤ系の家庭に生まれ、主に独学で音楽を学んだ彼は、調性を持たない音楽の実験的な作品を次々と発表。
『歌とピアノのための3つの歌曲 Op.48』は、彼がアメリカに亡命する直前の1933年に作曲された歌曲集で、夏の終わりの疲労感や死の静寂、少女の明るい希望など、深い感情が音楽で表現されています。
一見難解に感じられるかもしれませんが、シェーンベルクの革新的な音楽は、現代音楽ファンにはもちろん、まだ彼の作品に触れたことがない方にもぜひ聴いていただきたい一作です。
おわりに
「無調」の世界、いかがでしたか?
調性音楽に親しんでいる私たちにとって、はじめは違和感のある音楽に思えるかもしれませんが、耳が慣れてくるとなぜかクセになる……調性に捉われない音楽には、そんな魅力があります。
シェーンベルクさんの作品に興味が湧いた方は、ぜひ演奏にも挑戦しながら、不思議な魅力をじっくり味わってみてくださいね。