調性のない「無調」の音楽を追求した現代音楽を代表するオーストリアの作曲家、アルノルト・シェーンベルクさん。
1オクターブ内の音を均等に扱う「十二音技法」の創始者でもある彼の音楽は非常に難解なことで知られており、演奏される機会はそれほど多くありませんが、無意識のうちに独特の世界観に引き込まれる不思議な魅力をたたえています。
本記事では、そんなシェーン・ベルクさんの作品のなかから、ピアノ独奏曲やピアノが重要な位置を占める作品を厳選してご紹介します!
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【シェーンベルクのピアノ曲】十二音技法の創始者による無調の作品たち
ピアノ組曲 Op.25Arnold Schönberg

『ピアノ組曲 Op.25』を通して、シェーンベルクの革新的な音楽スタイルを味わってみませんか?
十二音技法の創始者として知られる彼は、1921年から1923年にかけてこの組曲を作曲。
6つの楽章はそれぞれ異なる表情を見せつつ、音列の可能性を存分に引き出しています。
例えば、メヌエットのトリオ部分では「鏡像カノン」と呼ばれる技法を用いることで、一つの音列から新たな表現を生み出すことに成功。
シェーンベルクの創造性あふれる作品世界を、存分に堪能できる1曲です。
現代音楽になじみのない方にとっても、彼の独創的な音楽観に触れるまたとない機会になるはず!
3つのピアノ小品 Op.11Arnold Schönberg

20世紀を代表するオーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルクさん。
彼は調性のない「無調」の音楽を追求し、「十二音技法」を考案した革新的な人物です。
1909年に完成された『3つのピアノ小品 Op.11』は、シェーンベルクが従来の調性概念から離れ、より自由な音楽表現を模索した意欲作。
全3曲それぞれに独自の音楽的テクスチャーとダイナミクスが施され、新たな音楽の形式と可能性を感じさせます。
シェーンベルクの内面に迫る濃密な音楽は、一聴しただけでは理解しがたいかもしれませんが、現代音楽に興味のある方にとっては、挑戦心をかきたてられる作品といえるでしょう。
バイオリンとピアノのための幻想曲 Op.47Arnold Schönberg

アーノルト・シェーンベルクは、オーストリア出身の作曲家で、無調の音楽や12音技法などの革新的な手法で知られています。
彼の『バイオリンとピアノのための幻想曲 Op.47』は、晩年の1949年に作曲された作品。
技巧的な要求と表現の豊かさから、多くの演奏家に愛されています。
一つの楽章からなるこの曲は、完全な形のスケルツォとトリオを含み、情熱的で優雅な表現指示が特徴的。
モーツァルトやシューベルトの幻想曲との関連性も指摘されています。
現代音楽に興味がある方、バイオリンの表現力を堪能したい方にオススメの1曲です。
5つのピアノ小品 Op.23Arnold Schönberg

20世紀の先駆的な作曲家アルノルト・シェーンベルクさんの1920年代初頭の作品で、十二音技法への過渡期に位置づけられる『5つのピアノ小品 Op.23』。
それぞれ異なる音楽的アプローチを試みた5つの小品は、シェーンベルクさんの革新的なスタイルの発展過程を示しています。
『非常に遅く』では複数のピッチシリーズを用いた新しいテクスチャ、『ワルツ』では12音による音列を探求するなど、実験的な手法が凝縮された興味深い作品群です。
現代音楽になじみのある上級者の方は、ぜひ演奏にチャレンジしてみてください。
ピアノ協奏曲 Op.42Arnold Schönberg

20世紀を代表する作曲家のひとりとして音楽史に名を刻んだ、アルノルト・シェーンベルクさん。
調性を持たない音楽「無調」の探求や、12音技法の確立など、常に未知の領域に挑戦し続けた彼の姿勢は、アルバン・ベルクら多くの弟子たちに受け継がれ、現代音楽の礎を築きました。
晩年に書かれた『ピアノ協奏曲 Op.42』は、シェーンベルクさんの集大成ともいえる大作。
一つの楽章でありながら四つの性格の異なる部分から成り、円熟した彼の作曲技術が遺憾なく発揮されています。
複雑な構成と和声、高度な演奏技術を要するこの曲に挑戦するのは容易ではありませんが、聴く者を知的な興奮で満たしてくれることでしょう。
4つの歌曲 Op.2Arnold Schönberg

オーストリアの作曲家アーノルト・シェーンベルクさんは、現代音楽の革新者として知られています。
若くしてオペレッタの編曲で才能を発揮し、マーラーから後見人としての支援を受けました。
『4つの歌曲 Op.2』は、シェーンベルクの初期作品のひとつであり、ロマン派の影響から脱却しつつ、独自の音楽スタイルへの移行を示しています。
恋人への切ない思いや、自然との一体感など、表現主義的な歌詞の世界観に、シェーンベルクならではの革新的な和声が見事にマッチしています。
シェーンベルクの音楽的進化の過程を感じられる本作は、現代音楽に興味のある方にぜひオススメしたい1曲です。
6つのピアノ小品 Op.19Arnold Schönberg

現代音楽を代表するオーストリアの作曲家、アルノルト・シェーンベルクさん。
彼の作品のなかでも、ピアノ独奏曲を集めた『6つのピアノ小品 Op.19』は印象的です。
この一連の小品は、独自の雰囲気をたたえた短い楽曲から成り、シェーンベルクさんの無調音楽の初期スタイルを示しています。
極めて簡潔ながらも、一つひとつの音に思いを込めた表現が魅力的。
なかでも第6曲は、親交のあったグスタフ・マーラーをしのんで作曲されたといわれ、深い感慨が感じられます。
音楽理論に興味のある方にもオススメしたい、示唆に富む作品集です。