【ワルツの名曲】ピアノのために書かれたクラシック作品を一挙紹介!
3拍子の淡々とした舞曲「ワルツ」。
クラシック作品の中には、ピアノやヴァイオリン独奏、オーケストラのために書かれたワルツが数多く存在します。
本記事では、そんなワルツの中から「ピアノ独奏のために作曲されたワルツ」をピックアップ!
「ワルツの世紀」とも呼ばれる19世紀以降に生まれた曲を中心に、定番作品から隠れた名曲まで幅広くご紹介します。
3拍子という枠はあれど、曲調や醸し出す雰囲気はさまざま!
ぜひ、それぞれのワルツの良さを味わいながらお聴きください。
【ワルツの名曲】ピアノのために書かれたクラシック作品を一挙紹介!(1〜10)
ワルツ 変ホ長調 Op.18「華麗なる大円舞曲 」Frederic Chopin

「ピアノの詩人」と称されるポーランド出身の作曲家、フレデリック・ショパンが作曲したワルツの中で最も知られている作品の一つです。
ショパンがワルシャワからウィーンにやって来た頃、ウィーンではワルツが流行していました。
この曲はショパンがウィーンを訪れた後に書かれたもので、ウィンナー・ワルツの影響を最も受けた作品とされています。
ワルツらしい軽やかなリズムと華やかなメロディが特徴的で、とても親しみやすい1曲です!
スケルツォ・ヴァルスEmmanuel Chabrier

エマニュエル・シャブリエは、19世紀のフランスを代表する作曲家の一人。
生涯のほとんどを公務員として過ごしながらも、オペラや管弦楽曲などを発表し、独自の音楽スタイルを確立しました。
『絵画的小品集』に収められているピアノ曲『スケルツォ・ヴァルス』は、シャブリエらしい粋な雰囲気とユーモアにあふれた作品。
スケルツォらしい跳躍的なリズムとワルツ独特の3拍子が組み合わさることで生まれる、予測不可能な展開が聴き手を楽しませてくれます。
高度な技術を要求されるこの曲に挑戦するからには、細部にこだわるだけでなく、シャブリエの意図をくみ取ることが大切。
さまざまな表情に富む、不思議な魅力を持つ名曲といえるでしょう。
高雅で感傷的なワルツMaurice Ravel

モーリス・ラヴェルは、スイス・バスク系の血を引くフランスの作曲家。
印象主義を代表する作曲家の1人で、工芸的な緻密さと形式の完璧さが特徴です。
1911年にピアノ用の組曲として作曲された『高雅で感傷的なワルツ』は、シューベルトの『高雅なワルツ』と『感傷的なワルツ』へのオマージュとして名付けられました。
全8曲のワルツとエピローグから構成される本作は、調性から逸脱した独特の響きを持ちます。
特に第5ワルツは、繊細な半音の変化を通じて心の奥深い感情を表現し、第7ワルツは特徴的な1曲としてラヴェル自身も指摘しています。
非調性と調性の間を自在に行き来しながら、さまざまな音楽的表情を見せる本作は、ラヴェルの音楽的探求を象徴する作品といえるでしょう。
ワルツ 第9番 変イ長調 Op.69-1「告別」Frederic Chopin

フレデリック・ショパンの『ワルツ 第9番 変イ長調 Op.69-1「告別」』は、別れた恋人への思いを込めた名曲です。
この作品は1835年にショパンがドレスデンを去る際に作曲され、ショパンが亡くなった後の1853年に友人のフォンタナによって出版されました。
曲はレントで始まるロンド形式で、切ないメロディやポーランドの民族色を感じさせるマズルカのリズムが印象的。
楽しい思い出と寂しい現在が交錯する心情がつづられているため、さまざまな感情を体感できる作品といえるでしょう。
6つの小品 Op.51 第6曲「感傷的なワルツ」Pyotr Tchaikovsky

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーは、バレエ音楽の巨匠として知られるロシアの作曲家。
1882年に作曲された『6つの小品 Op.51』の第6曲『感傷的なワルツ』は、ヘ短調の切ないメロディが特徴的な1曲です。
作品のタイトルどおり、ワルツらしい軽やかなフレーズと憂愁に満ちた旋律が交互に現れ、さまざまな感情を演じている演奏者を連想させます。
ピアノの発表会曲としても人気があり、クラシックを堪能するファンからも評価の高い作品となっています。
サロン小品集 Op.10 第2曲「ワルツ」Sergei Rachmaninov

セルゲイ・ラフマニノフが20代前半の頃に作曲したピアノ曲集『サロン小品集 Op.10』。
その第2曲『ワルツ』は、ラフマニノフ初期の作品らしい、親しみやすさと華やかさを兼ね備えた1曲です。
3拍子の軽快なリズムに乗せて奏でられる上品なメロディは、まるでサロンの舞踏会を思わせるよう。
一方で所々に見られるクロマティックな和声進行は、ラフマニノフならではの深みを感じさせてくれます。
コンパクトでありながらも、優雅な旋律と洗練された和声が見事に織り成す品格は、後年の名曲を予感させるものがあります。
情緒豊かなピアノ音楽の魅力を、心地よく味わえる名作です。
感傷的なワルツ D 779 Op.50-13Franz Schubert

フランツ・シューベルト作曲の『感傷的なワルツ D 779 Op.50-13』は、ゆったりとしたテンポと優美なメロディが心地よい印象を与えるピアノ作品。
1825年に出版され、作曲された1823年当時からシューベルトの人気作品として評価されていたそうです。
この曲の魅力は、ワルツの基本である3拍子のリズムを踏まえつつ、メロディの起伏やフレーズの流れに合わせてテンポや抑揚を自由に付けられるところ。
伴奏の和音の響きを意識し、右手と左手のバランスに気を付けながら演奏すれば、格調高い優雅なサロン音楽の雰囲気を存分に楽しめるでしょう。





