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【ギターピックアップレビュー】Seymour Duncan(セイモア・ダンカン)ハムバッカー編

自分で使ったもの、作ったギターに乗せただけのもの、多少温度差はあると思いますが、極力他のピックアップの名前を挙げて比較・評価をしやすくしているつもりです。

SH-8n/SH-8b|Invader

見た目通りの音です。

どう弾いてもローが響き続けます。

質量がないギターでも、ピックアップの地力で何とかしてくれます。

低域がベースの邪魔をするので、5/6弦ベースで音域を離した方が共存し易いと思います。

SH-10n/SH-10b|Full Shred

ダンカンっぽくない高域が特徴です。

ビンテージらしさはないです。

リア(SH-10b)は、前述のSH-6「Duncan Distortion」のフロント用(SH-6n)に近い印象です。

ややアタックがヒステリックだと思います。

フロントはミニハムみたいな音です。

極端な言い方をすれば、キレは抜群、コシは皆無という感じです。

SH-11|Custom Custom

まず、ダンカン公式のトーンチャートほど他とかけ離れた音ではないと思います。

マグネット違いのSH-5「Duncan Custom」よりは、SH-6「Duncan Distortion」に近い弾き心地です。

SH-4/5/6をパワフルと表現したら、SH-11はホットという感じでしょうか。

クリーンからクランチはSH-5「Duncan Custom」より膨らみがあります。

そこからさらに歪ませると、アルニコⅡ独特の線の細い倍音が存在感をあらわにします。

アルニコVみたいにバリバリ暴れず一貫性があるので、コントロールはしやすいです。

低域がスッキリしていてアタックもスムーズです。

DiMarzioのEvolutionをビンテージっぽくするとこんな感じになると思います。

ハイパワー系でマグネットがアルニコⅡのピックアップって珍しいですよね。

SH-12|George lynch Screamin’ Demon

SH-10「Full Shred」の中低域をビンテージに寄せつつ、高域をアグレッシブにした感じです。

派手ですが、スケール感はSH-4/5/6より二回りは小さいです。

通常とは逆に、六角スクリューポールピースをブリッジ側にしてマウントすると、キャラクターがかなり変わります。

また、ラインナップが少ないミドルパワーでヌケも良いので、フロントにマウントしてみるのもアリです。

SH-13|Dimebucker

当然と言えば当然なのですが、Bill Lawrence L-500系の音にダンカンテイストを加えた音です。

Bill Lawrence特有の高域のクセやコンプレッション感が薄く、よりアメリカンというか、開放的なイメージです。

低域はゴリゴリでタイト、高域もしっかり出るのですが、ワイドレンジではないです。

ピーキーな倍音が出て来ないので扱いやすい部類に入ります。

本家よりナチュラルです。

見た目とカタログスペックの割には「パワフル」ではないです。

それでも……というか、やはりアグレッシブで「ラウド」という表現が似合います。

SH-14|Custom 5

SH-5「Duncan Custom」のところで書きましたが、SH-1「’59 model」のハイゲイン版です。

パワーはあるのですが、SH-1「’59 model」と同じくストイックでクールな印象です。

SH-11「Custom Custom」より締まりが良く、骨格がしっかり見えます。

しかしSH-5「Duncan Custom」ほど骨太ではないです。

倍音がスッキリしていて歪み感が少なく、あまり暴れないのですが、常に狙ってピッキングハーモニクスを出したい人にとってはコントロールしやすいタイプです。

タイトで潰れないアタック、滲まず長いサスティンと、非常に高いレベルでまとまりが良いハムバッカーです。

個人的にはフロントポジションにも適性があると思います。

24フレットモデルやフロントピックアップ周りの質量に乏しいギターを使っている人は、ぜひ試してみてください。

SH-55n/SH-55b「Seth Lover model」

まず音の感想よりも、周りの評判が非常に良かったことが印象に残っているピックアップです。

SH-1「’59 model」の現代的にアレンジされた部分を消した感じでしょうか。

レンジが下に移動して密度も下がっています。

APH-1「Alnico II Pro」よりもGibsonの「Burstbucker TYPE1」に近いニュアンスです。

余計な厚みを感じるレンジはなく、やや開放的な雰囲気があります。

それが理由かは分かりませんが、クリーンは濁らずキレイに鳴ります。

同社のAQ-HM「Antiquity Humbucker」と比べると、ダンカンらしい扱いやすさが残っています。

SH-4「JB model」のパワーを下げたピックアップを作るとしたら、こんな感じの音になるんじゃないでしょうか。

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