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【シマノフスキのピアノ曲】激動の時代を生きた作曲家が遺した名作

カロル・シマノフスキさんは、第一次世界大戦やポーランドの独立といった世情に翻ろうされながらも、交響曲や協奏曲、ピアノ曲、歌曲などのさまざまなジャンルの作品を遺した作曲家。

激動の時代に合わせるかのように、作風を何度も変えた点は、彼の作曲活動のおける大きな特徴であるといわれています。

本記事では、そんなシマノフスキさんの作品のなかから、ピアノ曲やピアノを含む編成で演奏される作品をピックアップ!

時代背景や作品の特徴とともにご紹介します。

【シマノフスキのピアノ曲】激動の時代を生きた作曲家が遺した名作

変奏曲 変ロ短調 Op.3Karol Szymanowski

シマノフスキ/変奏曲 変ロ短調 Op.3/演奏:尾崎未空
変奏曲 変ロ短調 Op.3Karol Szymanowski

ポーランドを代表する20世紀初頭の作曲家、カロル・シマノフスキさんは、ワーグナーやシュトラウス、そしてドビュッシーやラヴェルの影響を受けつつ、同郷のショパンやポーランド民俗音楽からもインスピレーションを得て、独自の音楽スタイルを確立しました。

『変奏曲 変ロ短調 Op.3』は、彼の作曲家としての出発点に位置する重要な作品。

伝統的な変奏曲という形式を用いながらも、主題をあえて間接的に提示したり、調性を探求するなど、彼の創造性が存分に発揮されています。

クラシック音楽になじみのある方はもちろん、まだあまり聴いたことがない方にもオススメしたい、シマノフスキさんの魅力が詰まった1曲です。

ピアノソナタ 第2番 Op.21Karol Szymanowski

20世紀初頭のポーランドを代表する作曲家カロル・シマノフスキさんは、ロマン派から印象主義、民族主義まで幅広いスタイルを取り入れた作品を生み出しました。

彼の代表作のひとつ『ピアノソナタ第2番』は、情熱的な第1楽章と主題と変奏で構成された第2楽章からなる大作。

技巧的にも音楽的にも難易度の高いこの曲は、シマノフスキさんの独創的なアプローチと豊かな表現力が随所に感じられます。

クラシック上級者の腕試しにピッタリの1曲といえるでしょう。

4つのエチュード Op.4 第1番 変ホ短調Karol Szymanowski

20世紀初頭のポーランドを代表する作曲家、カロル・シマノフスキさんが1902年に完成させた練習曲集『4つのエチュード Op.4』の第1番は、変ホ短調の憂うつな主題が特徴的な作品。

右手の平行6度が華麗並び、クライマックスでは、フランツ・リストの超絶技巧作品をほうふつとさせる劇的な表現力が発揮されます。

シマノフスキさん自身のルーツであるポーランドの民族音楽の影響を感じつつ、彼が若き日の情熱を込めて書き上げた意欲作を、じっくり味わってみてはいかがでしょうか?

交響曲 第4番「協奏交響曲」Op.60Karol Szymanowski

Szymanowski – Symphony No. 4 “Symphonie concertante”, Op. 60 (1932)
交響曲 第4番「協奏交響曲」Op.60Karol Szymanowski

カロル・シマノフスキさんは、第一次世界大戦やポーランドの独立といった激動の時代を生き抜き、多彩なジャンルの作品を残した20世紀を代表するポーランドの作曲家です。

彼の『交響曲 第4番「協奏交響曲」Op.60』は、ピアノとオーケストラによる協奏的なシンフォニーで、彼の後期のモダンなスタイルを体現しています。

繊細かつ情熱的な感情表現と、ピアノとオーケストラの対話が魅力の本作は、シマノフスキさんの芸術性と個性が際立った重要な作品。

クラシック音楽愛好家はもちろん、感性豊かな音楽ファンにこそ聴いていただきたい名曲です。

9つの前奏曲 Op.1 第1番 ロ短調Karol Szymanowski

ポーランドの作曲家カロル・シマノフスキさんが19世紀末から20世紀初頭に学んだ音楽教育を反映した、初期のピアノ曲集『9つの前奏曲 Op.1』。

第1番は、ロマン派音楽の影響を感じつつも、シマノフスキ独自の感性が発揮されています。

深い感情表現と繊細なテクスチャーが特徴の本作は、彼の音楽的才能と個性が初めて顕著に表れた1曲。

作品の背景にある作曲家の内面世界に思いをはせながら聴くのもオススメです。

ピアノ音楽におけるシマノフスキさんの足跡をたどる第一歩として、ぜひ味わってみてくださいね。