理想と苦悩の間で母国のために戦った、軍人・山本五十六の名言
太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令官として知られ、真珠湾攻撃を指揮したことでも有名な軍人、山本五十六さん。
卓越した先見性を持ち、正義感に満ちた人物と言われながら、圧倒的戦力差がある相手に世紀の奇襲攻撃を仕掛けるなど、謎が多いことやドラマチックな人生が、現代でも人気の秘密となっています。
今回は、そんな山本五十六さんが遺した名言の数々をご紹介します。
リーダーシップや人間としてのあり方など、時代を感じさせない珠玉の言葉ばかりですので、要チェックですよ!
理想と苦悩の間で母国のために戦った、軍人・山本五十六の名言(1〜10)
人は神ではない。誤りをするというところに、人間味がある。山本五十六

間違わないことに気を取られすぎて、自由に動けなかったり、新しい事に挑戦できない方も多いのではないでしょうか。
しかし、人は誰しも間違うものなのです。
間違ってこそ新しい発見があったり、正しい道が見えてくる事もあるでしょう。
そう考えると、自分の失敗も、周囲の失敗も、否定せず許容できるのではないでしょうか。
自分を認めるために、相手を受け入れるために、必要な事が何かを教えてくれるすばらしい名言だと思います。
人は誰でも負い目を持っている。それを克服しようとして進歩するものなのだ。山本五十六

人生そのもの……と言える名言ではないでしょうか。
他人から見れば何も悩みがないように思えても、実はその笑顔の下で苦しんでいる人って意外に多いですよね。
大なり小なり、誰もが悩みを抱え、戦っている事でしょう。
この言葉は、それを乗り越えてこそ成長……進歩できると教えてくれています。
つまり、つらい時こそ成長できる機会だ、という事ですね。
落ち込んでいる時にこの言葉を思い出せば、苦しみの中にも希望が見えてくるかもしれません。
中才は肩書によって現はれ、大才は肩書を邪魔にし、小才は肩書を汚す。山本五十六

才能と肩書のバランスについて説いた、深い言葉です。
中ぐらいの才能のある方は、肩書を持つことで自身の持つ才能が生きてくることがある。
しかし、大きな才能を持つ人は、肩書を持つことで逆に才能と肩書がケンカしてしまい、悪い部分が見えてしまったりする可能性もある。
そして、小さい才能を持っている人はその肩書をムダにしたり、汚したり、肩書を与えた人の顔に泥をぬってしまうかもしれないとしています。
肩書を与える立場にいる方にとっては、納得する部分もあるかもしれませんね。
肩書をもつのがいいのか、肩書がなくても才能を生かす生き方がいいのか、考えさせられる深い言葉です。
もらった恩は岩に刻め、与えた恩は水に流すべし山本五十六

誰もが人とのかかわりを持ちながら日々を過ごしているもので、お互いに恩を与え合いながら生きているかと思います。
そんな人から受けた恩を心に刻むことの大切さと、恩を人に与えていくことの大切さを伝えている言葉です。
受けた恩よりも大きな恩を周りには与えていくべきで、それには固執せずに忘れてしまうことが重要だと語りかけています。
それぞれの恩に対する向き合い方を比較しているからこそ、どのように立ち振る舞うべきなのかも分かりやすい言葉ですね。
百年兵を養うは、ただ平和を守るためである。山本五十六

兵士といえば攻め込む人というイメージも強いですが、実際には国を守るために尽力している部分も強いですよね。
そんな兵士を育てることの重要性、何のために育てていくのかという考え方を示した言葉です。
いざという時に国を守れる存在があることで、攻め込むことをためらわせれば、平和にもつながっていくのだと主張しています。
平和という大きな目標のために何ができるのかという、考え方がしっかりと伝わってくるような内容ですね。
世の中に立って、国の為に尽くすことが、先生に対する生徒の、第一の恩返しになる。山本五十六

先生は生徒の人生にも大きな影響を与える存在で、強い感謝の気持ちを持っているという人も多いかと思います。
そんな生徒ができる先生に向けた最大の恩返しが何かという部分に注目して、考え方を示した言葉です。
先生に直接恩を返すのではなく、得た学びを大きなもののために活用すること、その活躍こそが恩返しになるのだと語りかけています。
学んだことを大切に進んでいるのだということを、どのような形で知ってもらうのかが重要なのかもしれませんね。
人はみな、それぞれ与へられた天職がある。職分を如何に巧みに処理するかによって、その人の値打ちがきまる。山本五十六

人はそれぞれに向きや不向きがあり、それを見極めることがより大きな成果にもつながるのだと語りかけている言葉です。
現状で思うような成果が出せない場合は他に向いているものを考えてみる、より成果が出るような動き方を考えてみるという、物事への向き合い方を呼びかけていますね。
やりたいこととできることにギャップを感じる場合もありますが、できることを伸ばした方が自分の価値を高めるのことにつながるのだという現実を突きつけるような一面も持っているような印象です。
自分はどのように先に進んでいくべきなのか、将来を考えるきっかけとしてぴったりの言葉ですね。
国大なりといえども戦好まば必ず滅ぶ 国安らかなりといえども戦忘れなば必ず危うし。山本五十六

国を平和に保っていくために、どのような考え方を持つのが大切かということを表現した言葉です。
『藝文類聚』という中国の書物から引用した言葉で、国としての心構えと備えの大切さを伝えています。
強い国だとしても戦争を続けている限りは滅びの道が待っているということと、安らかな国であっても戦争が起こることを忘れてしまうといつかは危機がやってくるのだということを語りかけていますね。
現状をしっかりと分析して、どのように平和に向けて歩んでいくべきなのかを考えさせられるような言葉ですね。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。山本五十六

誰かを指導することに悩んでいる方に読んでほしいのが、こちらの言葉です。
人に指導をする際は、まず自分でやってみて、どのようにやればいいかを伝える。
次に、どのようにやればいいのか、ポイントなどを言葉にして教える。
それから、やってみるように伝え、できたものをほめるというところまでやって初めて人は動くようになるのだと伝えています。
リーダーシップを発揮し戦った彼ならではの言葉には、説得力がありますね。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
実年者は、今どきの若い者などということを絶対に言うな。山本五十六

若い方がおこなう行動に対して「今どきの若者は」なんて言葉をつい言っていませんか?
でも、そう言っているあなた自身もかつては若者であり、実年者の方々からそう言われてきているはずです。
若い人たちのことをそうした言葉で否定してしまうのではなく、受け入れ、そんな若い人には何ができるかを見つけてあげましょうと、この言葉の続きで伝えています。
ときには若い方に対して受け入れられないこと、怒りが湧いてくることもあるかもしれませんが、真っ向から怒ったり、嘆くのではなく、この言葉にならって、一度立ち止まって考え方を変えてみましょう。