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【アルカンのピアノ曲】世界一難しい!?ピアニスト泣かせの難曲を厳選

磨き抜かれたテクニックを持つピアニストであっても、完璧に弾きこなすのは容易ではないといわれる、シャルル・ヴァランタン・アルカンのピアノ作品。

アルカンは1813年生まれの作曲家、ピアニストで、その演奏技術は同時代を生きたピアノの魔術師、フランツ・リストと肩を並べるほどであったといわれています。

本記事では、超絶技巧をいとも簡単に弾きこなしていたアルカン自身が作曲したピアノ曲のなかから、演奏会などでとりあげられることの多い人気作品をご紹介します!

もくじ

【アルカンのピアノ曲】世界一難しい!?ピアニスト泣かせの難曲を厳選

演奏会用練習曲「騎士」Op.17Charles Valentin Alkan

19世紀の作曲家兼ピアニストであるシャルル=ヴァランタン・アルカンは、フランツ・リストと同等の演奏技術を持つ超絶技巧の巨匠として知られています。

彼の代表作『演奏会用練習曲「騎士」Op.17』は、ロマン派の情熱と壮大さをたたえた非常に技巧的な練習曲。

全編を通してピアノの表現力が存分に発揮される作品となっています。

本作の演奏は非常に難易度が高いものの、アルカンの革新的な音楽言語と独自の表現が随所に感じられる、クラシック音楽の愛好家にぜひ触れていただきたい曲です。

サルタレッロ ホ短調 Op.23Charles Valentin Alkan

19世紀フランスの作曲家シャルル=ヴァランタン・アルカンの『サルタレッロ ホ短調 Op.23』は、1844年に発表された独奏曲で、8分の6拍子のリズミカルな舞曲です。

アルカンはリストと肩を並べる鋼の指の持ち主で、その超絶技巧は現代のピアニストをも悩ませるほど。

本作の冒頭から飛ぶように駆け抜ける音階にも、その特徴が色濃く表れており、演奏者の手さばきと体力を試すかのような超絶技巧に、聴く者はくぎ付けになるでしょう。

アルカンの作品は現代でも人気が高く、ピアノの限界に挑戦したい上級者にオススメです。

全ての長調による12の練習曲 Op.35 第5番 ヘ長調「アレグロ・バルバロ」Charles Valentin Alkan

超絶技巧を要する難易度の高い作品で知られる、フランスの作曲家シャルル=ヴァランタン・アルカンの『全ての長調による12の練習曲 Op.35』。

第5番『ヘ長調「アレグロ・バルバロ」』は、白鍵を使った平行オクターブで演奏される、野蛮で高揚感あふれる1曲です。

アルカンの作品は技術的に非常に難しく、「凶暴で演奏不可能」とさえ評されるほど。

極端な速度、大きな跳躍、速い連打など、驚異的な技巧を要求します。

しかし、彼の演奏は人間味があり感動的だったといわれています。

『アレグロ・バルバロ』は技術的な練習曲を超えた、情熱的で挑戦的な音楽。

アルカンの技術と音楽性の深さを感じられる作品です。

全ての長調による12の練習曲 Op.35 第7番 変ホ長調「隣村の家事」Charles Valentin Alkan

19世紀フランスの作曲家、シャルル=ヴァランタン・アルカンの作品『全ての長調による12の練習曲 Op.35』の第7番は、隣村で発生した火事をモチーフにした曲で、ドラマティックな展開が印象的です。

ゆったりと始まり、快速なテンポを経てまたゆったりとした曲調に戻る構成は、情景を音で描写しているかのよう。

超絶技巧を要するアルカンならではの練習曲ですが、単なるテクニックの見せ所ではなく、物語性のある作品に仕上がっています。

ピアノ上級者はもちろん、まだまだ修行中の方にもチャレンジしていただきたい1曲です。

追憶:悲愴的ジャンルの3曲 Op.15 第3曲「死せる女」Charles Valentin Alkan

19世紀パリの音楽界を代表する作曲家シャルル=ヴァランタン・アルカンの作品のなかでも、技巧的な難易度と感情表現の深さが際立つ『追憶:悲愴的ジャンルの3曲 Op.15』の第3曲『死せる女』。

変ホ短調で書かれたこの曲は、グレゴリオ聖歌『ディエス・イレ』を引用しつつ、死と悲哀を象徴する重厚な雰囲気に満ちています。

リストへの献呈作品らしく、ベルを模した連打や、情熱的で激しいクライマックスへの展開など、演奏技術を駆使した表現が随所に見られる傑作。

独自の感情表現と技術的革新性が光る、アルカンならではの世界をぜひ堪能してみてください。