【超上級】上級者でも難しい!難易度の高いピアノ曲を厳選
ピアノは指先や腕などの繊細な運動能力を巧みに使いながら、楽譜に書いてある指示とともに作曲家の意図を読み取り、ピアニスト自らの感性も表現しつつ非常に多くの音符を一人で奏でる楽器です。
美しく繊細な表現や熱情的でまるで打楽器のように鍵盤を弾くような曲も多く存在します。
今回は数あるピアノ作品の中から上級者、プロでも難しいと言われる作品をセレクトし紹介します。
一般的に難しいと言われている有名な作品から、演奏映えはしないけれど非常に難しいマイナーな作品までをピックアップしました。
ぜひチェックしてみてください!
【超上級】上級者でも難しい!難易度の高いピアノ曲を厳選(1〜10)
東洋風幻想曲「イスラメイ」Mily Balakirev

ロシアを代表する偉大な作曲家たち、通称「ロシアの5人組」のまとめ役として知られている作曲家、ミリイ・バラキレフ。
まとめ役としての功績は大いに称えられているものの、バラキレフが作曲した作品の多くは現在では消えてしまっています。
そんなバラキレフの数少ない作品の一つが、こちらの『東洋幻想曲「イスラメイ」』。
いくつものピアノ曲のなかで、史上最も演奏が難しい作品といわれているほど、全ての要素で圧倒的な難易度をほこる作品です。
8つの演奏会用練習曲 作品40 第5曲:冗談Nikolay Kapustin

12小節のブルース形式をベースに、ブギウギのリズムとバレルハウス風のフレーズが絶妙に織り込まれた小粋な一曲です。
ニコライ・カプースチンの代表作であるアルバム『8つの演奏会用練習曲』から、わずか2分19秒ながら、クラシックとジャズの融合を見事に体現しています。
クラシック音楽の厳格な構造美とジャズの躍動感が見事に調和し、スリリングな展開が次々と繰り広げられます。
本作は高度なテクニックと即興的な表現力を要するチャレンジングな楽曲ですが、ユーモアと活気に満ちた音楽性が魅力です。
クラシック、ジャズの両方の世界に足を踏み入れたい意欲的な演奏家や、ジャンルの垣根を超えた革新的な音楽を求める聴き手におすすめの1曲です。
English Country TunesMichael Finnissy

8つの楽章からなるこの大作は、イギリスの民謡をモチーフにしながらも、複雑で斬新なアレンジで生まれ変わった現代ピアノ音楽の傑作です。
1977年に作曲された本作は、リストを彷彿とさせる圧倒的な音域の広がりと、瞑想的なメロディから爆発的なパッセージまでを織り交ぜた約53分に及ぶ壮大な音の世界を展開します。
鐘のように響き渡る音色と激しい打鍵が交錯する中で、ポリフォニックな旋律が重なり合い、まるで音楽という宇宙を探検するような体験ができます。
マイケル・フィニッシーの作品の中でも、技巧的な難しさと芸術的な深みを兼ね備えた本作は、挑戦を求めるピアニストや、新しい音楽表現の可能性を探求したい方にぴったりの曲といえるでしょう。
パガニーニ大練習曲 S.141 第3曲 「ラ・カンパネラ」Franz Liszt

難しいピアノ曲と聴いて、多くの方はこちらの『ラ・カンパネラ』をイメージするのではないでしょうか?
この作品は、超絶技巧を要する数々のピアノ作品を残したことで有名な偉大な作曲家、フランツ・リストによって作られました。
その難易度は非常に高く、しっかりとしたレベルで演奏するとなると、上級者でも難しいでしょう。
特に指数の多さと鍵盤の飛び方に関してはすさまじく、おまけに高い表現力も求められます。
この作品をうまく演奏できれば、胸をはって自分はうまいピアニストだと言っても問題ないでしょう。
メフィスト・ワルツ 第1番 s.514 『村の居酒屋での踊り』Franz Liszt

ピアノ演奏史に残る超絶技巧の名曲として知られる悪魔的な舞曲です。
1861年に公開された本作は、村の居酒屋での妖艶な舞踏会を題材に、冒頭から激しいリズムと五度の和音で聴き手を魅了します。
中間部では夜鶯のさえずりを模した繊細な音の表現があり、情熱的なワルツと対照的な美しさを放ちます。
管弦楽曲からピアノ独奏用に編曲された本作は、ヴラディーミル・アシュケナージなど、世界的なピアニストたちによって演奏されています。
ロマン派音楽の革新的な和声進行と、狂おしいまでの技巧が渦巻く本作は、華麗なステージを目指すピアニストや、クラシック音楽の極みに挑戦したい方におすすめの一曲です。
ピアノソナタ ロ短調 S.178Franz Liszt

1849年から1853年にかけて作曲され、ピアノ音楽の金字塔として知られる名作です。
従来のソナタ形式を革新し、単一楽章でありながら伝統的な4楽章構成を内包する斬新な構造が特徴です。
冒頭の静かな下降音型から力強いオクターブ、荘厳な旋律まで、音楽的なコントラストに富んでいます。
緻密な構造と深い表現力を持つ本作は、クラウディオ・アラウやマルタ・アルゲリッチなど、多くの名手たちによって演奏されてきました。
壮大な音楽建築のような構造と高度な技巧を要する演奏は、ピアノの表現力を極限まで追求したい方におすすめです。
1857年、ベルリンでハンス・フォン・ビューローによって初演された際は評価が分かれましたが、現代では重要な作品として認識されています。
熊蜂の飛行Rimsky-Korsakov-Cziffra

熊が飛び回るような動きのある音の連なりが印象的なリムスキー=コルサコフのオーケストラ作品を、ジョルジュ・シフラがピアノ独奏用に編曲した音の奔流。
16分音符の連打と跳躍するオクターブが印象的で、指の独立性と正確性が極限まで試される傑作です。
1956年にEMIレーベルから発売された本作は、シフラの卓越した技巧と表現力により、原曲の持つ躍動感とスピード感がピアノ一台で見事に表現されています。
超絶技巧を駆使したアレンジは、ピアノの可能性を最大限に引き出し、技術の限界に挑戦したい上級ピアニストにぴったり。
聴衆を魅了する華麗な演奏効果も魅力的です。
8つの演奏会用練習曲 作品40 第3曲:トッカティーナNikolay Kapustin

クラシックとジャズが見事に融合した練習曲の集大成から選ばれた傑作です。
1984年に作曲され、ラテン音楽のリズムとガーシュウィンの影響を感じさせるシンコペーション、そしてスクラビンのような情熱的な旋律が見事に調和しています。
本作は、音域を大胆に飛び越える反復音と複雑なリズムパターンが特徴的で、ジャズ、ブルース、ラグタイムなどさまざまなスタイルが織り込まれています。
演奏には高い技術力が求められ、クラシックの形式美を重んじながらも、ジャズのような自由な表現力を持ち合わせたピアニストにぴったりの作品といえます。
イソップの饗宴 作品39-12Charles Valentin Alkan

主題と25の変奏で構成される壮大な変奏曲は、まるでさまざまな動物たちが楽器を通して語りかけてくるような神秘的な作品です。
1857年当時に公開されたこの作品は、ピアノを芸術の極みまで高めた究極の表現と言えるでしょう。
オクターブの連打や急速なスケール、複雑なリズムなど、ピアノが持つあらゆる可能性に挑戦しています。
本作の魅力は、ユーモラスな表情から荘厳な曲調まで、25の変奏が織りなす豊かな音楽世界にあります。
ピアノコンクールでも取り上げられる名曲で、演奏技術の向上を目指す熱心なピアニストや、ロマン派音楽の奥深さに触れたい音楽愛好家におすすめです。
半音階的大ギャロップFranz Liszt

リストの名作『半音階的大ギャロップ』。
『超絶技巧練習曲』の『マゼッパ』や『鬼火』とともに、リストの難曲として名高い作品ですね。
そんな本作の難所はなんといっても4-5指を用いた細かい動きではないでしょうか?
指がつりそうになるいやらしい構成に加えて、幅広い跳躍やオクターブも連発します。
並の上級者では正しく演奏することが難しい作品です。
他のリストの作品に比べると、演奏効果がやや低く、芸術性の観点では低い評価を受けることもある作品ですが、増三和音や全音音階の響きが好きな方にとってはツボに入る1曲といえるでしょう。
【超上級】上級者でも難しい!難易度の高いピアノ曲を厳選(11〜20)
8つの演奏会用練習曲 作品40 第1曲:前奏曲Nikolay Kapustin

ジャズとクラシックの融合を極限まで追求した傑作です。
リオのカーニバルを思わせる華やかな導入から、猛烈な勢いでピアノが奏でられていきます。
優美なクラシックの技巧とジャズの躍動感が見事に調和し、まるで1台のピアノから2つの音楽世界が同時に広がるかのような斬新な表現力を持っています。
1984年に書き下ろされた楽曲で、マルク=アンドレ・アムランなど世界的なピアニストたちが挑戦を続けています。
超絶技巧を駆使しながらも音楽性を失わない本作は、ピアノの可能性を追求したい意欲的な演奏家に強くおすすめです。
クラシックやジャズの新境地を開拓したいという探究心が旺盛な聴き手も必聴の1曲といえるでしょう。
ポロネーズ第3番 「英雄ポロネーズ」イ長調 作品40-1Frederic Chopin

ピアノの詩人フレデリック・ショパンのポロネーズといえば真っ先に挙がってくるのがこの英雄ポロネーズである。
長い前奏の後にまるで英雄の到着を告げるかのような壮大で煌びやかな待ち構えているこの曲は、クラシック音楽は好きでない方でも一度は耳にしたことがあるでしょう。
聴いての通りその演奏には高度な技術と表現力が求められ、まさに英雄さながらである。
ショパンの中でも有名曲ですが難易度は高い曲としても知られています。
さまざまなピアニストが挑戦しますが、ピアノ一台でオーケストラ並みの迫力がある演奏を続けるパフォーマンスはなかなか難しいものがあります。
メロディが有名なほどミスをしたときの失敗も大きく目立ってしまいます。
最後までかっこよく弾き通したい曲ですね。
60の大練習曲 第60番 アレグロ・アッサイJean-Amédée Méreaux

19世紀フランスを代表する音楽作品の一つが、アルバム『60の大練習曲』の最終曲です。
この楽曲の見どころは、左手に配置されたオクターブ連打や両手の交差による目まぐるしい演奏の瞬間です。
ピアノの鍵盤を余すことなく使い切る、まさに大技巧の極みとも言えるでしょう。
本作は1855年に公開された作品で、同時代のピアニストたちを驚かせたことでも知られています。
急速なテンポと力強いリズムが特徴的で、まるで打楽器を演奏しているかのような迫力があります。
技巧派ピアニストの腕の見せどころとなる華麗な演奏は、観客を魅了する要素に満ちています。
高度な技術を持つピアニストや、挑戦的な練習曲を求めるクラシック音楽愛好家にぜひおすすめしたい一曲です。
ピアノソナタ第17番「テンペスト」第3楽章Op.31-2Ludwig van Beethoven

正確にはベートベン作曲のピアノソナタ第17番「テンペスト」第3楽章Op.31-2です。
このソナタクラスの曲は全てが難易度はとても高くなっており、冒頭はベートーベンの同作「エリーゼのために」を思わせるような美しいフレーズが続きます。
次第に変奏するように熱情的なパッセージが続き、力強いメロディを奏でていきます。
慣れたピアニストであれば容易く弾けるように見えますが、16分音符が追いかけるように続きテンポキープや右手と左手のアルペジオの繋ぎなど意識しないと一気に楽曲の魅力を損なう演奏になりかねない曲です。
この曲が作られた頃にベートベンは難聴に悩まされ遺書を書いています。
同じモチーフが全曲通して続くのはベートーベンらしいですね。
8つの演奏会用練習曲 作品40 第8曲:終曲Nikolay Kapustin

クラシックとジャズを見事に融合させたピアノ曲で、1984年に作曲された傑作です。
スウィングのリズムとクラシックの構造が織りなすアップテンポな楽曲は圧倒的な技巧性を持ち合わせています。
プレストで奏でられる爆発的なパッセージ、そこに巧みに組み込まれた複雑なジャズのハーモニーが絶妙なバランスで重なります。
まるで弾いているのが1人とは思えないほどの多彩な音色と緻密な表現力、そして決めの細かい指先のコントロールが必要な本作は、ヴィルトゥオーゾのピアニストでも唸る難易度を持っています。
ニコライ・カプースチンの音楽性が余すところなく詰まった、まさにピアノの極みともいえる一曲です。
高度な技術を持つピアノ愛好家や、伝統的な形式を大切にしながらも斬新な表現を求める音楽家にぜひおすすめしたい作品です。
60の大練習曲 第24番 「ブラヴーラ(勇壮に)」Jean-Amédée Méreaux

華麗で力強いピアノ演奏の極致を追求した作品です。
アルバム『60の大練習曲』からの一曲で、勇壮な演奏を要求する大作として知られています。
1855年に出版されたこの楽曲は、アレグロ・マエストーソのテンポで紡がれ、両手が同時に交差するパッセージや、急速な音階、広い跳躍など、演奏者に高度な技巧を要求します。
本作は、パリ音楽院でも教材として採用され、その芸術的価値は当時の音楽評論家アントワーヌ・マルモンテルから「クレメンティの『グラドゥス・アド・パルナッスム』に並ぶ重要性を持つ」と高く評価されました。
高い技術力を持つピアニストの方や、ピアノ演奏の新たな挑戦を求める方におすすめの一曲です。
喜びの島Claude Debussy

フランスの印象派音楽の作曲家クロード・ドビュッシーを代表するピアノ曲である喜びの島は、煌びやかなトリルと装飾音が印象的、かつ幻想的な曲である。
その演奏には高い技術力が求められることはもちろんの事、官能的かつ情緒的な表現力が試される難曲中の難曲でもある。
冒頭は一見するときれいなピアノ曲ですが、後半になるにつれて技巧なところが増えていきます。
また、ただ強く弾くだけではなく、印象派ということで奏でる一音すべてに風景のようなイメージを持った弾き方が要求され、現実的というよりも夢の中で何かが落ちる、常に夢の中のようなニュアンスが出るように弾くことが難しく、ピアニストの感性が問われるドビュッシーの名曲です。
ピアノ協奏曲第2番第1楽章Sergei Rachmaninov

セルゲイ・ラフマニノフ作曲の『ピアノ協奏曲第2番第1楽章』です。
ドラマ『のだめカンタービレ』でも披露され、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
ピアノだけではなくオーケストラと一緒に演奏するピアノコンチェルトですが、ラフマニノフ独特の甘いメロディーと、美しい旋律が良いですね。
オーケストラとの音のハーモニーも素晴らしく、音を紡いでいくような感じが魅力的な曲です。
ピアノパートは美しい一方で難易度はもちろん高いものがあります。
オーケストラと共演を夢見るピアニストはこぞってチャレンジしますが、技術だけではなく指揮者やオーケストラからのアプローチがないと難しいので単に弾くだけではなく音楽の環境的な良さも求められます。
指揮者に合わせて弾くという経験が出来るのもコンチェルトの醍醐味ですが、自分のテンポだけではいけないので合わせる難しさもあることでしょう。
超絶技巧練習曲 S.139 第4番「マゼッパ」Franz Liszt

クラシック音楽史に燦然と輝く巨匠、フランツ・リストの代表作の一つがこの曲です。
若き日の15歳のときに生み出され、後に改訂を重ねて完成した本作。
ヴィクトル・ユーゴーの叙事詩に触発された壮大な物語を、超絶技巧を駆使して描き出しています。
鐘の音や馬の足音を模した音型、3段譜による複雑な構成など、技術的にも音楽的にも非常に難易度の高い作品となっています。
7分30秒ほどの演奏時間の中に、マゼッパの壮絶な冒険が凝縮されており、ピアノの技巧を極めたい方はもちろん、音楽で物語を表現する妙を味わいたい方にもオススメの1曲です。
超絶技巧練習曲 S.139 第5曲「鬼火」Franz Liszt

世界でも圧倒的に難しいピアノ曲として知られている作品『鬼火』。
偉大な作曲家、フランツ・リストが作曲した悪魔のような作品です。
この作品の難しさはなんといっても、圧倒的な音数の多さにあります。
とにかく速弾きが多く、鍵盤の飛びも激しいため、上級者でなければ弾くことすらかないません。
表現力よりも、テクニックや持久力などの基礎的な部分が求められるタイプの作品といえるでしょう。
テクニックの限界に挑みたい方は、ぜひチャレンジしてみてください!
【超上級】上級者でも難しい!難易度の高いピアノ曲を厳選(21〜30)
エチュード作品10の12「革命」Frederic Chopin

『エチュード作品10の12「革命」』激しいはじまりから、いっきに駆け抜けてゆく音の嵐は、まさしく「革命」というタイトルにふさわしいフレデリック・ショパンを代表とする名曲です。
小柄なフレデリック・ショパンは手が小さいことを武器にして、細かく速い曲を得意としていたようです。
冒頭から早いパッセージに圧倒されそうですが、中には小学生からチャレンジして弾ける子もいるということから驚きです。
有名な曲ですが難易度は高いのでこれを弾ける子はかなりピアノが上手な方です。
自信を持ってください。
ピアノソナタ第23番 ヘ短調 作品57 熱情Ludwig van Beethoven

ピアノソナタ第23番ヘ短調『熱情』第三楽章。
激しく、どこまでも情熱的な曲は、ドイツの楽聖ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品です。
聴力を失っていくベートーヴェンの苦しみや悲しみが聴こえてきそうな曲です。
タイトル『熱情』にふさわしい、熱く素晴らしい旋律が魅力の名曲です。
弾くには難易度が高いですが、上級者にはぜひチャレンジしてほしい曲です。
上級者となるとある程度の楽譜はさらさら弾けるようになっていくと思いますが、ピアノソナタやコンチェルトクラスになっていくとプロのピアニストでも毎日練習しても弾けるようにならないくらい難易度が跳ね上がります。
このクラスになるとピアニスト同士でも弾けることがすごいという言葉が出てきます。
幻想曲 ハ長調 作品15 D 760「さすらい人幻想曲」Franz Schubert

フランツ・シューベルトの『幻想曲 ハ長調 作品15 D760』は、4楽章構成の高度なピアノ曲です。
シューベルト本人も上手く弾けず「こんな曲は悪魔にでも弾かせてしまえ」と言ったという逸話もあるそうで、とくに第4楽章の左手のアルペジオが演奏者を悩ませます。
しかし技巧だけでなく、深い音楽性も求められる作品。
シューベルトの情熱と技術が見事に融合した本作は、ピアノ演奏の真髄を体感したい方にもぴったりです。
フランツ・リストによる編曲版も存在するので、聴き比べてみるのもオススメです。
ペトルーシュカからの3楽章Igor Stravinsky

原始主義、新古典主義、セリー主義を中心とした音楽性でいくつもの名作を残してきたロシアの偉大な作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキー。
こちらの『ペトルーシュカからの3楽章』はストラヴィンスキーを代表するピアノ曲の一つです。
偉大なピアニストであるアルトゥール・ルビンシュタインが「今までにないほどの難しい楽曲を作ってくれ」とお願いしたことがきっかけで作られたそうで、高度な演奏技巧を必要とします。
指の俊敏性、持久力、鍵盤の飛び、表現、すべてにおいて難しい作品といえるでしょう。
練習曲 Op.10-4Frederic Chopin

ショパンの難曲『練習曲 Op.10-4』。
複合的な技術が求められる作品で、あらゆるところで難所が登場します。
その中でも特に難しい部分は、やはり29~30小節目の右手ではないでしょうか。
手首を柔らかく使いながら指をさばいていかなければならないのですが、レガートでつなげにくいため、ガチガチの演奏になりがちです。
プロでも硬い演奏になりがちな難曲なので、ぜひチェックしてみてください。
死の舞踏 S.555 R.240Saint-Saëns=Liszt

フランスの作曲家サン=サーンスの代表作である交響詩を、フランツ・リストがピアノ独奏用に編曲した作品。
原曲は、死神の奏でるヴァイオリンに合わせて骸骨が不気味なワルツを踊る様子を描いています。
1876年に編曲され、オーケストラで表現されていた非現実的な世界を彩る音が、ピアノ版でも忠実に再現されています。
骨がこすれる音や、骸骨がガチャガチャ骨をぶつけながら踊る音、雄鶏が夜明けを告げる音……。
物語をイメージしながら、高度な技術を駆使して演奏に挑戦してみてはいかがでしょうか?
トリッチ・トラッチ・ポルカ Op.214Johann Strauss II

ヨハン・シュトラウス2世が1858年に作曲した名作『トリッチ・トラッチ・ポルカ Op.214』。
軽快で威勢が良い曲調が特徴で、日本では小学校の運動会などでよく使用されていますね。
複合的な技術が登場するタイプの作品ではないものの、パッセージの速さは間違いなく上級クラスです。
マイナーな作品ですが、演奏効果も高いので、発表会やコンクールの課題曲としても十分に使えると思います。
ぜひチェックしてみてください。
ピアノソナタ第29番 変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィーア」Ludwig van Beethoven

音楽史に燦然と輝く巨匠、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。
彼が聴力を失いつつある頃に生み出した傑作、「ハンマークラヴィーア」は、壮大さと技術的な難易度から「ピアノソナタのエベレスト」とも称される作品です。
第1楽章の力強い開始から、悲哀に満ちた第3楽章、そして複雑なフーガで締めくくる第4楽章まで、まさに音楽の頂点を極めた作品。
技術的な難しさだけでなく深い感情表現も求められる、ピアニストにとって究極の挑戦となる1曲です。
壮大な規模と革新的な音楽表現は、聴く者も圧倒します。
ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30Sergei Rachmaninov

ラフマニノフが1909年に作曲したピアノ協奏曲第3番は、演奏者に課せられる技術的難易度と音楽的要求の高さで知られています。
演奏時間は約40分。
協奏曲でありながらほとんどピアノは演奏しており、音数の多さからかなりの持久力も必要な作品です。
しかし難しいだけでなく、数あるピアノ協奏曲のなかでも高い人気をほこる名曲。
第1楽章に登場するカデンツァでは二つのパターンがあり難易度の違いはありませんが、とくに「大カデンツァ」と呼ばれているほうは、他の協奏曲に出てくるカデンツァのなかで最も壮大で情熱的だと感じます。
演奏者によるカデンツァの違いを聴き比べるのもこの曲の醍醐味かもしれません。
一つのテーマがさまざまな形に展開される第1楽章、切ない序奏から明るさを増す第2楽章、ロシア民謡風の活気がある第3楽章、それぞれラフマニノフらしい美しさと重厚な響き、壮大な構成を感じられる傑作です。
夜のガスパール 第3曲『スカルボ』Maurice Ravel

偉大なフランスの作曲家、モーリス・ラヴェルの名作『夜のガスパール』は、3篇の詩をテーマにして作曲された非常に美しい作品。
この曲の難しさは、やはり表現にあると思います。
もちろん技巧的にも難易度は高く、とくに第3曲『スカルボ』は、ラヴェルが「バラキレフの『イスラメイ』を越えるほどの演奏技巧が必要」と言ったほど。
しかしそれだけでなく、ただ弾いただけではちゃんとした音楽にはならないため、しっかりと楽曲の真意を理解したうえで演奏する必要があります。
高い表現力を維持しながら弾くには、非常に難易度の高い楽曲といえるでしょう。
演奏者による特徴が出やすい作品でもあるので、ぜひ聴き比べてみてください。
【超上級】上級者でも難しい!難易度の高いピアノ曲を厳選(31〜40)
練習曲「鉄道」Op.27bCharles Valentin Alkan
フランスのロマン派を代表する作曲家の1人、シャルル=ヴァランタン・アルカン。
こちらの『練習曲「鉄道」Op.27b』はアルカンの作品のなかでも、特に難しいと言われている楽曲です。
そんなこの作品のポイントは、なんといっても緩急。
冒頭からいきなり、蒸気機関車をイメージした急速のパッセージが登場します。
16分音符ということもあり、とにかく右手が忙しい作品で、相当な指の速さが求められます。
シンプルに演奏難易度が高い作品なので、指の動きに自信のある方はぜひチェックしてみてください。
スペイン狂詩曲 作品254Franz Liszt

悪魔的に難しい楽曲を作ることで知られている偉大な作曲家、フランツ・リスト。
『ラ・カンパネラ』や『マゼッパ』といった難易度の高い作品を知っている方は多いと思います。
そんなフランツ・リストの作品でも、マイナーな高難易度の作品が、こちらの『スペイン狂詩曲』。
指の素早い動きや持久力が求められるのはもちろんのこと、全ての部で激しい跳躍も登場します。
それでいて軽やかに演奏しなければならないため、リストの作品でもトップクラスに難しい楽曲といえるでしょう。
練習曲 Op.10-2 Op.10-2 イ短調Frederic Chopin

フレデリック・ショパンの作品のなかでも、屈指の難易度をほこると言われている名作『12の練習曲』。
今回はその中でも、こちらの『12の練習曲 Op.10-2』を紹介したいと思います。
演奏効果はそれほど大きくはない作品ですが、難易度は非常に高いことで知られています。
そんなこの作品のポイントは、なんといっても冒頭部分。
1指と2指で和音を抑えるため、残りの3~5指で他の部分を演奏しなければなりません。
以上のことから、先天的な手の大きさと指の柔らかさが求められる高難易度の楽曲として知られています。
ピアノ独奏による協奏曲Charles Valentin Alkan

フランスを代表するロマン派音楽の作曲家、シャルル=ヴァランタン・アルカン。
こちらの『ピアノ独奏による協奏曲』はそんな彼の代表的な作品の一つです。
日本では『ピアノ独奏のための協奏曲』と訳されることもありますね。
そんなこの作品の難しさは、なんといっても持久力。
第1楽章だけでも72ページ、演奏時間は29分にも達するほどの長さで、とにかく演奏者の体力面の負担が高い作品です。
聴いている方も疲れるほどの曲ですが、一度聴いてみる価値は大いにあるでしょう。
トッカータ ハ長調 Op.7Robert Schumann

19世紀ドイツのロマン派を代表する作曲家、ロベルト・シューマンのピアノ曲。
1830年に完成し、1833年に改訂されたこの作品は、「これまで書かれた中で最も難しい曲」と言われるほどの難曲です。
交互に現れる和音や急速な単音のオクターブ、高度なクロマティシズムとシンコペーションなど、技巧的な要素が満載。
指の動きに富んだ構成で、正確なタッチと急速な指の交差が要求されます。
清澄で力強い音色が求められることから、著名なピアニストたちにとっても一種の挑戦。
華やかな外面的効果も狙っている作品のため、観客を魅了する演奏ができたときには、膨大な達成感が得られることでしょう。
技術を極めたいピアノ上級者の皆さん、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
エチュード「音の絵」作品39Sergei Rachmaninov

ロシアの作曲家、セルゲイ・ラフマニノフが故国を離れる直前に手掛けた作品の一つが、9曲から成るピアノ曲集。
1916年から1917年にかけて作曲され、通常のエチュードとは異なり、情景や物語を描く「音の絵」として構想されています。
作品33と作品39の2巻あるのですが、こちらで紹介している作品39のほうがテクニックや音楽的に演奏するのが難しいと言われています。
各曲には特有の情緒と技術的挑戦が含まれていますが、そのなかでもさらに難易度が高いと言われている作品は、1、3、5、6、9曲目。
練習曲として難しいだけでなく、「音の絵」とあるように曲の背景に絵画を連想させられるのも魅力的です。
ピアノソナタ第5番Alexander Scriabin

近代音楽に多大な影響をもたらしたロシアの偉大な作曲家、アレクサンドル・スクリャービン。
大きな手を持っており、彼の左手のタッチは「左手のコサック」と称されていました。
作曲に関してもその高い演奏技術と身体的なアドバンテージを武器に、非常に難易度の高い楽曲を作り出しています。
その中でもこちらの『ピアノソナタ第5番』は、圧倒的な難易度をほこります。
変則的なリズムと第1主題の跳躍が異常なほどすさまじい超上級者向けの作品です。
自動演奏ピアノのための習作 第7番Conlon Nancarrow

こちらの『自動演奏ピアノのための習作 第7番』は、メキシコの現代音楽の作曲家、コンロン・ナンカロウによって作曲された作品です。
非常にマイナーなので、はじめて耳にするという方も多いのではないでしょうか。
当初は徐々にスピードを上げてまくし立てるような演奏に留まっていましたが、時間をかけて、より難しい演奏にアレンジされていきました。
そんなこの作品の最も難しい部分はリズムにあるでしょう。
この作品は人間には演奏が不可能と言われるほど、リズムが細分化されています。
なので自動演奏というわけなんですね。
全ての短調による12の練習曲 Op.39 第3曲「悪魔的スケルツォ」Charles Valentin Alkan

フランスを代表するロマン派の作曲家、シャルル=ヴァランタン・アルカン。
彼の作品の中でもとくに難曲として知られているのが、こちらの『全ての短調による12の練習曲 Op.39 第3曲「悪魔的スケルツォ」』。
ナポリの六度に由来する半音関係は曲中を通してあらゆるところで散見され、場所によっては急速なアルペジオを要求されるので、相当なレベルの技術力が求められます。
まさに悪魔的な難易度と言える楽曲。
ぜひチェックしてみてください。
巡礼の年 第2年への追加「ヴェネツィアとナポリ」S.162 第3曲「タランテラ」Franz Liszt

フランツ・リストの集大成といっても過言ではない作品『巡礼の年 第2年への追加「ヴェネツィアとナポリ」S.162 』の第3曲『タランテラ』。
20代から60代までに断続的に作られた作品で、ロマン主義から印象主義へ移り変わる様子が味わえます。
そんな本作は、フランツ・リストの作品というだけあって、高い難易度をほこります。
細かい装飾音が連続する部分が非常に難しいのですが、ここは高い演奏効果を発揮する部分でもあるため、聴いている分には非常に魅力的な作品です。
【超上級】上級者でも難しい!難易度の高いピアノ曲を厳選(41〜50)
練習曲 Op.25-6Frederic Chopin

いくつもの美しい名曲を作り上げてきたフランスの偉大な作曲家、フレデリック・ショパン。
実は難曲を多く生み出してきた作曲家としても知られており、なかでもこちらの『12の練習曲 Op.25-6』は屈指の難易度をほこる作品です。
そんなこの作品の難しいポイントは、なんといっても右手3度和音のトリルと3度和音の半音階にあるでしょう。
ただでさえ難しい3度ですが、この作品では加えてドラマティックなメロディを左手で奏でなければなりません。
相当な難易度をほこりますが、どの作品を弾くうえでも必須の技術である指の独立を鍛えられるため、練習してみることをオススメします!
ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品16Sergei Prokofiev

20世紀を代表するロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフ。
型破りな音楽性を発揮した作品から形式にそった王道の作品まで作る作曲センスと、高いピアノの実力をほこる作曲家です。
そんなセルゲイ・プロコフィエフの作品でも圧倒的な難易度で知られている曲が、こちらの『ピアノ協奏曲 第2番 ト短調』。
異常に激しい跳躍と持久力が求められる作品で、プロでも相当な練習量を積まないと簡単には弾けないと言われています。
交響的練習曲 作品13Robert Schumann

ロマン派を代表する作曲家ロベルト・シューマンが手掛けた一連の練習曲の集大成といえる本作。
単なる技巧練習の枠を超え、ピアノをオーケストラのように響かせることを意図して作られました。
変奏曲形式を基礎としながらも、各エチュードには異なる感情と技術的な要求が盛り込まれ、シューマンの時代におけるピアノ技法の探求が示されています。
一人でオーケストラのような音楽を奏でるため和音や他旋律が多く、さらに変奏曲となっているため全体像を捉えた演奏を課せられるのがこの曲の難しいところ。
「遺作」と呼ばれる5曲を含めると、演奏時間は約40分になるため、持久力も必要です。
ピアノ音楽の傑作として名高いこの曲は、演奏者に高度な技術と豊かな音楽性を要求する一方で、聴衆を魅了する深い感情表現に満ちています。
ピアノのための練習曲集 第2巻 第13番「悪魔の階段」György Ligeti

いくつもの実験的な作品を残してきた偉大な作曲家、ジェルジュ・リゲティ。
現代音楽を代表する作曲家で、非常に高い難易度の作品を多く残してきました。
その中でも特に難易度が高いと言われている作品が、こちらの『悪魔の階段』。
彼の名作である『ピアノのための練習曲集』の第2章に登場する13番目の曲です。
その難易度はタイトルの通り、まさしく悪魔的。
繊細なタッチを求められるにもかかわらず、とてつもない跳躍が連発する作品です。
オプス・クラヴィチェンバリスティクムKaikhosru Shapurji Sorabji

実験的な作曲で知られている近代音楽の作曲家、カイホスルー・シャプルジ・ソラブジ。
彼の作品は演奏が難しいことで有名ですね。
そんなカイホスルー・シャプルジ・ソラブジの作品のなかでも、特に難しいピアノ曲が、こちらの『オプス・クラヴィチェンバリスティクム』。
世界で最も演奏時間が長いピアノ曲として認定されたことのある楽曲なので、持久力が求められるのはもちろんのこと、その他の要素も圧倒的なレベルをほこります。
この楽曲を弾けるのは、本当にわずかですので、聴いてみる価値は大いにあるでしょう。
おわりに
今回は上級者やプロでも難しいといわれているピアノ曲を、有名な作品からマイナーな作品まで幅広くご紹介しました。
技巧的に難しい作品も芸術的に難しい作品もどちらにも魅力があるので、挑戦してみる価値は大いにあります。
技術的な難しさと表現として難しさは一概にはいえませんが、指を多く使ったり、交差したり、リズムが複雑だったり高いレベルを求められます。
高難度の実験的な作品は近現代を中心に、芸術的な深さによる難しさはバロック時代からロマン派までの作品に多くあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!