皆さんはハモリのパートを作る時に苦労したことはないですか?
ハモリを作ろうとGoogle先生に相談しても「主旋律の3度上を歌えばハモる」ぐらいの情報しかなく、3人以上でハモろうとして音の置き所に困ったことがある方も多いのではないかと思います。
今回は「ハモリパートの作り方」について簡単に紹介していきます。
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2種類のハモリを使い分けよう

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まず大前提となるハモリの種類について紹介したいと思います。
ハモりには
- 主旋律と並行して音が動く並行ハモ
- 主旋律と並行して音が動かない直線ハモ
があります。
前者は「リードボーカルが表現する感情を2倍にして表現したいとき」後者は「リードボーカルが表の顔と歌っていて、裏の顔を表現したいとき」などに用いられる表現手法です。
例えば「好き好きダーリン愛してる」と言う歌詞があったときに、それぞれ以下のような表現ができます。
- 並行ハモ:僕も大好き愛してる
- 直線ハモ:大好きだけど迷ってる
今回自分たちがどのようなメッセージを届けたいのか考えた上で、この2つのハモリを巧みに使う事でハーモニーを創り上げていくわけです。
並行ハモリの作り方
こっちはすごく簡単です。
主旋律に対して3度と5度にあたる音を入れれば9割の可能性でうまく行きます。
参考:3度、5度って?
歌のハモり方の基本
参考:スケールの基本と覚え方。
ここで少し気をつけたいのがコードトーン(根音)との相関です。
例えば、主旋律の音が「ドードードー」だったとしましょう。
このとき、根音が「ド」ならば「ミーミーミー」と「ソーソーソー」で奇麗なハーモニーですが、根音が「ファ」だと「ミ」と「ソ」は3度5度の音に該当しません。
なので「ファーファーファー」と「ラーラーラー」でハモってあげると奇麗なハーモニーになるわけです。
直線ハモの作り方
こっちはちょっと難しいです。
リードのフレーズに対してコードを振って行ってください。
そのコードの構成音でリードにハモるのがこの「直線ハモ」です。
例えば、ゴスペラーズさんの往年の名曲「ひとり」では、こんな感じで直線ハモが使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=r7MVb6TKvVw
「たったひとつのこと、やくそくしたんだ」の「やくそくしたんだ」の部分です。
主旋の音が大きく動くのに対し、コーラス隊の音はコード(F#m7)の構成音でステイしたままです。
このようにリードとコーラスの音の距離が開閉するのがホンネとタテマエを行き来する「直線ハモ」の特徴です。
実際の楽曲でのハモリ
勘の鋭い方はすでにお気づきかもしれませんが、実際の楽曲では「直線ハモ」と「並行ハモ」は同時に使われることが多いです。
例えば、先ほどの「ひとり」を例にすると「たったひとつのこと、やくそくしたんだ、これからにどと」の「これからにどと」の部分がその良い例です。
一番高い音から一番低い音まで順に「top」「2nd」「3rd」「4th」「bass」とした時に、topと4thは並行ハモの関係にありますが、topと2ndは直線ハモの関係にあります。
またコーラス同士を眺めてみると、2ndと3rdは並行ハモの関係にありますが、2ndと4thは直線ハモの関係にあります。
このように実際の楽曲では直線ハモと並行ハモが同時に使われており、その音と音の相関が複雑に揺れ動く人間の心を美しく描いているのです。
最後に
このようにハモリパートをカテゴライズして分析していくと、ハモリはかなり奥が深い事がわかるかと思います。
- 自分が描きたい風景はどのような風景なのか?
- 自分が描きたい心情はどのようなものなのか?
- 自分が本当に表現したいのは?
- そのためにはどのようなハモリを入れれば良いのか?
ハモリを変えるだけで曲の雰囲気はガラッと変わります。
ぜひ、ハモリパートを作る際にはいろんなハモリを試してみてはいかがでしょうか。
ライタープロフィール
ボイスパーカッション講師
mokabuu
個人ブログmokabuu.comを経営し、兼ねてより自身が問題に感じていた「アカペラの情報に特化したサイトの少なさ」を解決するために自身が4年間のアカペラサークル生活で精力的に取り組んで来た「アレンジ」「ボイスパーカッション」「バンド運営」を中心に記事を書き溜める。
歌詞・和音・リズムを多面的に理論立てて曲を解釈するスタイルで、大学在学中には約70曲の採譜およびにアカペラ編曲を手がける。
演奏したことのある楽器は主にピアノ・クラシックギター・ドラム。
大学では軽音サークルに所属するも自身の音楽の趣味と合わずにすぐに退会。
その後友人にアカペラサークルに誘われボイスパーカショニストとしてアカペラの楽しさに目覚める。
アカペラの楽しさを知り自分の好きなメンバーと好きな歌を歌えるようになりたいと想いアカペラアレンジを学びはじめる。
友人の影響もあり和声法を勉強しているうちに次第にジャズに傾倒。
和音の美しさに目覚めた。
ウェブサイト:http://mokabuu.com
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