指弾きするギタリストにとっては、爪(つめ)も楽器の一部となります。
今回はクラシックギタリストのための爪、ピックのお手入れの仕方、磨き方について解説します。
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クラシックギタリストの右手の爪は長い
まずは2つの写真を見てみてください。
これは私の右手の表と裏の写真です。
小指を除く右手の指の爪が長いのに気付いたでしょうか。
爪が白い部分へと変わる場所は人によって異なるので、手の内側から見て、指の先端から爪がどのくらい出ているかを見ると必要な爪の長さがだいたい分かると思います。
私の爪は、クラシックギタリストの標準的な爪の長さよりも少し長く、指の先端から4、5ミリほど爪が出ていますが、2、3ミリが一般的な長さだと思います。
「思います」という曖昧な表現をしていますが、実際、爪に関しては長さも形状も人によって千差万別であり唯一の答えなどありません。
では、なぜそこまで爪にこだわるのか、その理由をこれから解説していきます。
クラシックギタリストにとって爪とは

http://www.photo-ac.com/
クラシックギタリストにとって爪は最も重要なものです。
弾けるか弾けないか、音が出るか出ないか、音が良いか悪いかといったことすべてに爪が影響します。
ギタリストにとってのピック、バイオリニストにとっての弓、ドラマーにとってのスティック、オーボエ奏者にとってのリードなどと同様に、クラシックギタリストには爪が欠かせないのです。
私は爪磨きに、練習前は5分ぐらい、また爪が必要以上に伸びてしまった時のお手入れとして月に2、3回ほど20分〜30分かけています。
爪の磨きの必需品
ここまでで、クラシックギタリストにとっての爪の重要性がわかっていただけたと思いますので、ここからは爪の磨き方の解説をします。
まず、爪磨きの必需品を見てみましょう。
左から爪やすり、精密研磨フィルム、紙やすりです。
この爪やすりはガラス製のものですが、他に金属製のものなどもあります。
また、楽器屋などでギター用として販売されている爪やすりもありますが、女性が一般的に使用しているネイルケア用のものでも全く問題ありません。
紙やすりは番号によって粗さが分けられています。
番号が大きくなるほどきめ細かくなり、小さくなるほど粗くなります。
私は2,000番の紙やすりを使用しています。
精密研磨フィルムは、数年前まで私もその存在を知らなかったのですが、爪磨きの仕上げに最適であり、今は必要不可欠なものとなっているので紹介しておきます。
これも紙やすりと同様に番号で粗さが分けられていますが、私は8,000番を使用しています。
爪の磨き方
次に、爪の磨き方を見ていきましょう。
以下のように、爪の内側に爪やすりをあてます。
そして、爪が平らになるようなイメージで形を作っていきます。
特に爪の両側の丸まっている部分を削っていきます。
すると、だいたい爪が平らになっていきます。
この「平ら」というのはあくまでイメージです。
爪やすりを使って行うこの作業は爪の「形作り」ですので、本当に爪が平らになるまでは削らないようにしてください。
爪が薄くなりすぎると音がペラペラになってしまいますので注意してください。
そうしたら、以下のように爪やすりで爪の側面を磨いて形を整えます。
細かな凹凸(でこぼこ)がないように、左手の指でなでて確認しましょう。
爪の形作りが終わったので、次は紙やすりで磨いていきましょう。
紙やすりについて注意点があるので、写真を見てください。
紙やすりの端に折り目がついていますが、これから行う作業はこの折り目の部分で行ってください。
紙やすりの端の部分をそのまま爪の内側にあてて磨くと、指の肉を傷つけてしまうことがあります。
紙やすりでは、まず以下のように爪の内側を磨きます。
爪の内側には垢などが付着しているため、一見なだらかには見えますが弦を弾くときの障害となります。
(念のために言っておきますが、ものすごく繊細な話です)
次に、以下のように爪の側面を磨きます。
先ほどと同様に、左手の指でなでて滑らかさを確認しながら磨いていきましょう。
次は仕上げに精密研磨フィルムで磨きます。
紙やすりを用いた作業と全く同じことを繰り返します。
また、以下のように精密研磨フィルムを爪やすりにあてて爪の内側を平らにするように磨くのも効果的です。
これで爪磨きの作業は終わりです。
ここで解説した爪の磨き方はオーソドックスなものであり、冒頭でも解説しましたが、爪の磨き方、つまりギターの音作りは人によって異なります。
試行錯誤しながら自分の爪、自分の音を見つけていってください。
ピックの磨き方
ここからはピックの磨き方を簡単に解説します。
普通、クラシックギタリストはピックを使用しません。
しかし、クラシックギターという楽器はクラシックギタリストだけのものでなく、あらゆる音楽に使用されますし、私もそうなのですが、ピックを用いたオリジナル作品を作る人もいます。
また、私はエレキギターもフォークギターも演奏しますが、使用するピックは必ず磨いています。
ピックはそのまま使用する人がほとんどだとは思いますが、磨くことで音がはるかに奇麗になるので試してみてください。
磨き方ですが、基本は爪の磨き方と同じです。
つまりは、弦に接触する部分を滑らかにしてあげればよいのです。
写真を参考に磨いてみてください。
今回はクラシックギタリストのための爪、ピックの磨き方について解説しました。
ライタープロフィール
ギタリスト
大沢稔
作曲家、ギタリスト、マルチインストゥルメンタリスト。
パリ国立地方音楽院クラシックギター科卒。
フランスのブーローニュ・ビヤンクール国立地方音楽院、オルセー県立音楽院のクラシックギター科教授歴任。
現在、新潟県上越市にて自身の創作、演奏活動を、また、ギター・英語・フランス語教室を主宰している。
大沢ギター・英語・フランス語教室
http://minoruohsawa.wixsite.com/ohsawaguitar