Goosoniqueworx Kultレビュー!美しく、そしてしっかりと芯のあるディストーション
けーすけ(@effector_guitar)です。
今回のエフェクターレビューはGoosoniqueworxのKultです。
GoosoniqueworxのSeventhHeavenは自作もしているし、音はまぁわかっているつもりでいましたが、ありゃりゃ、結構進化していますね。
SeventhHeavenをさらにハイゲインに進化させたというエフェクターですが、まぁ結構進化していますね。
自分なりに感じたことをまとめてみますので、ぜひ参考にしてください。
Goosoniqueworx Kultをレビュー!
外観レビューからの分解の儀。
ほい!
こちらがKultです!
僕が思っていたものよりも小さいです。
もうひとまわりくらい大きいと思っていたのですが、結構コンパクト。
エフェクターボードにも入れやすいサイズ感ですね。
seventhheavenも大きいサイズで作ってたけどもう少し小さいサイズでも作れるんだなぁ……やぱり技術が違う。
さてさて、やはり分解(と言っても中身を見るだけですが)していきたいですよね!
ぱかり。
おお!
ぎっしりですね!
かなりむずかしそう、というかコンデンサとか抵抗もいろいろな色のものがあります。
何を基準で部品を選んでいるんだろう……僕はそこまでパーツの音について知っているわけではありませんので、ここまで細かい選定はできません。
単純にWIMAとかを使ってしまうだけ……(笑)。
違う角度でパシャり。
半固定抵抗は4つ、JFETが6つありますね。
ほとんどseventheavenと変化はないのかな?
ディスクリート回路で作られているハイゲインディストーションという点では変わらないですね。
右上に「Kult2.1.3」という記載があります。
バージョンによって何か違う部分はあるのかな。
謎ですが、僕はこれしか持っていないので確かめることはできませんね……
ちなみに配線材はオレンジで統一されています。
これは質感的にはBeldenの8503と同じような感じ。
多分Beldenの8503でしょうね。
より線であることは間違いないです。
僕も結構Belden8503は好きです。
はじめはより線から自作を始めて、単線の良さを知り、今はサイドBelden8503に帰ってきているような感じがしますね(笑)。
より線なのに少し硬いのが好きなんです。
む……これ以上分解できない……。
壊すのも嫌なので、ちょっと各パーツをズームしてみていきましょうか。
1つだけ青いコンデンサがありました。
さっきの画像の右のほう。
ジャックの上にあるやつ。
ズームしてよく見てみるとWIMAなんですね、これ。
僕は赤いのしか使ったことがないので、この青いやつは見たことがないです。
赤と青で音とか違うのかな。
上のは4700p……あ、積層セラミックコンデンサかな?
?
だから青いのかな?
村田製作所の積層セラミックもこの色だもんね。
でもそれにしても大きいやつですね。
もう少し小さいのにして見分けがつくようにすればいいのに……WIMAはこの形にかなりこだわりがあるみたいですね。
黄色のWIMAもかくれていました。
今度は本気で何かわからない。
笑
まぁ、素材が違ったり、なんか中身の構造が少しだけ違ったりするのでしょうか。
僕はよくわかりませんが、実際に使ってみると違いとかはあるのかも。
というか日本で売っているのみたことないけどあるのかな。
こちらがオーソドックスなWIMAコンデンサです。
やっぱりこれが多いですね。
こいつしか使ったことがないので、僕はこの音しか知りませんが、結構太い音が出る印象。
まぁこれ1つで音が大きく変化するわけではありませんので、気休め程度かもしれませんが……
これはAVXかな?
ギャレットオーディオさんのオリジナルのコンデンサもほとんど同じ形と色だったので見分けがつきませんね。
あ、でも海外にギャレットオーディオはないと思いますので、やっぱりAVXかな?
廃品種なので、これが無くなり次第Kultもバージョンが変わるかもしれませんね。
パーツをパシャりの最後はJFETです。
「J210」のマークが……ん?
J210?
?
あれ、SeventhHeavenがJ201なので同じかと思ってましたが、JFETも変わっているみたい。
先ほどJ201とか言っちゃいましたが、訂正でお願いします……
これも僕は試したことないなぁ……基本的にはこのJFETの変化だけだったりして(笑)。
なんかレイアウトもかなり似ているので、多少の定数の変更とJFETの変更かもしれませんね。
こんな感じでパーツはいいかな?
あ、そうそう、説明書がありました。
説明書によると
kultはデュアルモードのハイゲインディストーションペダルです。
Goosoniqueworxのseventhheavenのヘッドルームの広さやダイナミックレンジの大きさといった特性を引き継ぎながらも、攻撃的な歪みを実現します。
2種類のモードを使い分けることでクラシックなヘヴィディストーションから、ダウンチューニングに最適な、レスポンスが早く各音の分離の良いハイゲインディストーションまで、プレイスタイルやギターに合わせてイメージ通りのサウンドメイキングが可能になります。
ということです。
音のレビュー
さぁさぁ、音のレビューをしていきましょう。
今回は動画を撮ってきました。
一発どりなのと、そもそもギターが下手くそなので……とりあえず音を伝えたいから苦手な動画を頑張ったので……そこを評価してくれるとありがたいです……。
(音が大きかったらすみません……)
0:40あたりからノブをいじって音を変化させています。
どのノブがどのくらい変化するのかを聞いて欲しいです。
さて、動画と同じような説明ですが、音のレビューをしていきます。
一見してゲイン幅は広いと思います。
ゲインをかなり絞るとほとんどクリーンに近いような音が出るのはディスクリート回路のエフェクターならではかもしれません。
実際、ハイゲインディストーションでゲインを絞ると音が汚くなってしまうエフェクターってたくさんありますので。
ノブは左からVolume、Presence(Feedback)、Treble、Middle、Bass、Gainの6つですね。
それとトグルスイッチが2つあります。
左のスイッチはPresence(Feedback)ノブと連動していて、スイッチを倒した機能の調節ができるようになっています。
個人的に特徴的なノブはTrebleかなと思っています。
Trebleはあげすぎると少し音圧が下がってしまう印象があります。
実際、確かに高音は出ているのですが、ちょっと薄くプレスされた音のような感じになってしまうので、12時くらいから調節をかけるのが良さそう。
で、Middleノブが一般的な3ノブエフェクターのToneノブに当たるような可変域を持っています。
Bassノブはもちろんしっかりと変化の幅は持っていますが、低音を強調するかどうか、味付け的な使い方ができます。
Treble、Bassは12時の方向でMiddleを動かしながら主な音を決め、TrebleとBassノブで最終的な音を決め込むのが良さそうです。
ゲイン幅はめちゃくちゃ広いですね。
これはさすがとしか言いようがない。
min〜2時あたりまでは緩やかにゲインがあがっていくような印象を受けます。
ここまではかなり細かな調節ができるので、いろいろなジャンルに万能に利用できるのがこのエフェクターの特徴かも。
ゲインは14時を超えるとかなりリッチなサウンドに表情を変化させます。
実際に「シャリ」という倍音がかなり増えてきます。
ズンズンやりたい方はここを14時以降に設定するのがいいかもね。
モードを変化させるフットスイッチがありますが、ローゲインモードの時はほとんどクリーンという感じで、EQの効きも鈍くなってきます。
ゲインも3時以降のポジションでグッとあがりますが、それまではほとんどクリーンのような感じかな?
僕はおまけのような感じにしか思っていません。
ちなみにVivieと弾き比べもしてみました。
ノブが少ない分、Vivieの方が音作りは簡潔でわかりやすいですね。
弾いている時はVivieの方がいいかなと思っていたのですが、Kultの方がリッチな音の感じは否めません。
こればかりは好みかもしれませんね。
PreEQノブはあまり変化がありませんね。
なんかニュアンスが変化するポジションとかはありますが、実際にはあまり変化はありませんでした。
説明では
オーバーワウンドピックアップやアクティブハムバッキングピックアップのようなダークな質感のピックアップのトーンをよりクリアにすることができます。
ゲイン回路を通る前にトーンを変えることで、より効果的な音作りが可能になります。
ということなので、バッファーのような感じかもですね。
僕はストラトで試してしまったので、ハムバッカーで試すとまた違うのかもしれません。
Presence、Feedbackスイッチ/ノブはトーンの明るさを調節します。
Presenceはそのまま倍音の成分ですが、Feedbackはコンプレッションの効いたようなサウンドになります。
少し違うけど、アンプにたまにあるResonanceノブのような感じかな?
仕様や所感など
さてさて、長々と説明してしまい、すみません。
仕様というか簡単な特徴をここでご紹介。
kultの簡単な特徴
- フットスイッチで操作可能なデュアルモード
- JFET回路による透明感のあるバッファー
- バイパス時トゥルーバイパス
- パウダーコートフィニッシュが施されたアルミ筐体
- サイズ: 120(W) x 94(D) x 35(H) mm
- 消費電流: 7mA
- 電源:センターマイナスDC9V-DC18Vに対応(※電池は使用できません)
こんな感じかな?
ざっといじった感想ですが、音の幅は広すぎ。
本当にアンプをいじってるみたいとか思ったのは初めてかもしれません。
ただ、音の幅が広すぎて、音を決めるまでがすごく大変。
こんなことを感じたのは初めてですが、慣れるまでは大変そうです。
それでも、音がきまるとこれ以上にない音を奏でてくれます。
これはマジですごい。
この音はVivieでも出せないような感じです。
音の倍音のリッチ感は今までで一番かも。
コツとしては、やはりTrebleを上げすぎないことかな。
僕は今までTrebleを上げ気味で利用していたのですが、上げていくと音が薄くなってしまうので今回のエフェクターでは上げすぎないことはコツかもしれません。
まとめ:僕、これ、好きですよ
結構勢いよく書いてしまいました!
僕これ結構好きですね。
可変域が広いのに悪はないのでは?
と思います。
違う?
まぁたしかに音が決まりにくいところはあるのですが、アンプライクなサウンドを奏でるのはすごく気持ちいい。
倍音もしっかりとしていて、「シャー」という音は出ているのですが、音の芯がしっかりとしているのはびっくり。
ライタープロフィール
ブロガー
ケースケ
大学時代にエフェクター自作をはじめ、ネットにエフェクター自作系の情報がほとんどないということに目をつけ、2015年1月にエフェクターの自作・レビュー等の情報発信ブログ「Tone Dive」を開設。
現在は都内のIT企業で働きながら、趣味と勉強を兼ねて情報発信しています。
ウェブサイト:https://effector-guitar.com/friedman-be-od-review/
ブログ:https://effector-guitar.com
Twitter:effector_guitar