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【最高難度】ピアノの魔術師・リストが手掛けた難しい曲を厳選

並外れた演奏テクニックを武器にピアニストとして活躍しながら、作曲家としても超絶技巧を要するピアノ曲を数多く残したピアノの魔術師、フランツ・リスト。

華やかで壮大な作品たちは多くの人々を魅了してきましたが、超人並みのテクニックがなければ弾きこなせない作品も多く、憧れの気持ちがあってもなかなか挑戦できないのが正直なところ。

今回は、そんな難易度の高いリスト作品のなかでも、特に難しいとされている曲を厳選してご紹介します。

技巧的な難しさに気をとられてしまいがちですが、ぜひ楽曲自体の美しさやリストの描く壮大な世界観にも注目しながらご覧ください。

【最高難度】ピアノの魔術師・リストが手掛けた難しい曲を厳選(11〜20)

メフィスト・ワルツ 第1番 S.514 『村の居酒屋での踊り』Franz Liszt

ピアノ発表会の定番として愛され続けているのは、悪魔のフィドル弾きと美しい踊り子の恋を描いた情熱的なワルツ。

19世紀ロマン派を代表するピアニスト、フランツ・リストの作品です。

1856年から1861年にかけて作曲され、村の居酒屋を舞台に繰り広げられる官能的な物語を音楽で表現しています。

冒頭から響き渡る五度の和音の積み重ねや、激しいリズムの中に織り込まれたロマンティックな旋律は、聴衆を魅了せずにはいられません。

本作はさまざまな映画やドラマでも使用され、その劇的な音楽性が映像作品の中でも効果的に活かされています。

ピアノの技巧を存分に活かし、聴衆を圧倒したい発表会でぜひ演奏してみてはいかがでしょうか。

超絶技巧練習曲 第5番 『鬼火』Franz Liszt

リスト : 超絶技巧練習曲 第5番 『鬼火』 【43_激しい・速い楽譜と説明付きクラシックピアノ曲】
超絶技巧練習曲 第5番 『鬼火』Franz Liszt

フランツ・リストの楽曲は、超絶技巧と詩的表現を兼ね備えた名曲として高い評価を受けています。

本作は、夜に浮かぶ揺らめく青白い光の幻想的なイメージを象徴しています。

半音階的な速い音型が絶えず続き、音の揺らぎが「鬼火」の幻想的な動きを思わせます。

変ロ長調の調性感を持ちながらも、時折現れる不協和音的な響きやリズムの変則性が、神秘的な雰囲気を作り出しています。

1851年に完成したこの曲は、ピアノ音楽の発展に大きく貢献しました。

クラシック音楽に興味がある方や、技術的な挑戦を求めるピアニストの方におすすめの一曲です。

3つの演奏会用練習曲 S.144 第2番『軽やかさ』Franz Liszt

F.Liszt: “La leggerezza”, Trois études de concert No.2 pf.福間洸太朗
3つの演奏会用練習曲 S.144 第2番『軽やかさ』Franz Liszt

いくつもの恐ろしく難しい練習曲を作り上げてきたリスト。

『超絶技巧練習曲』や『パガニーニによる大練習曲』が有名ですが、今回はサロンの要素を持った練習曲を紹介したいと思います。

それがこちらの『3つの演奏会用練習曲 S.144 第2番『軽やかさ』』。

3連符から7連符に変わる印象的な構成で、右手に関してはさまざまな技術が詰め込まれています。

具体的な難易度としてはチェルニー50番の前半と同じ程度といったところでしょうか。

間違いなく上級なので、ぜひチェックしてみてください。

ハンガリー狂詩曲 S.244 第2番 嬰ハ短調Franz Liszt

Nobuyuki Tsujii 辻井伸行 Liszt ハンガリア狂詩曲 第2番 2009 Van Cliburn International Piano Competition(WIDE)
ハンガリー狂詩曲 S.244 第2番 嬰ハ短調Franz Liszt

ピアノの魔術師フランツ・リストが手掛けた『ハンガリー狂詩曲』は全19曲。

なかでも第2番は特に知名度が高く、リスト自身やフランツ・ドップラーによって管弦楽用に編曲されたものも、たびたび演奏されています。

難易度の高いことでも知られている作品ですが、特に曲の終わり近くに設けられたカデンツァは腕の見せどころ。

自作のカデンツァを挿入して、より華やかに仕上げているピアニストもいます。

楽譜のまま弾きこなすだけでもハードな曲ですが、よりオリジナリティあふれる演奏を目指したい方は、挑戦してみてはいかがでしょうか?

「パガニーニ大練習曲」より第4曲「アルペジオ」Franz Liszt

パガニーニのヴァイオリン作品をピアノに編曲した壮大な変奏曲です。

1838年に初版が発表され、その後改訂を重ねて現在の形になりました。

主題に続く11の変奏では、トレモロ、オクターブ、アルペジオなど、ピアノならではの技巧が贅沢にちりばめられています。

フランツ・リストがパガニーニの演奏に感銘を受け、ピアノでもヴァイオリンのような表現を目指して作曲した本作は、聴衆を魅了する華やかさと、深い音楽性を兼ね備えています。

音の重なりや展開の美しさは、ピアノの魅力を存分に引き出しており、コンサートやピアノコンクールでも人気の高い作品です。

確かな技術と表現力を持つ演奏者の方におすすめの、発表会で存在感を放つ一曲といえるでしょう。

おわりに

フランツ・リストのピアノ曲のなかでも、特に演奏が難しい作品を厳選してご紹介しました。

いつかは挑戦してみたい、超絶技巧を要するリストのピアノ曲。

楽に弾ける曲は一つもなく、年単位での練習の積み重ねが必要な場合もありますが、自分の納得のいく形に仕上げられたときには、演奏者としてひとまわりもふたまわりも大きく成長できているはずです。

憧れを憧れで終わらせず、積極的にチャレンジしてみてくださいね!