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【リャードフのピアノ曲】怠け者の秀才が手掛けたピアニスティックな名作

サンクトペテルブルクの音楽一家に生まれ、著名な音楽家らからその楽才を認められていたロシアの作曲家、アナトーリ・リャードフ。

彼は、早くから音楽的才能を発揮しまわりから注目を集めていたものの、音楽に対する強い情熱は持ち合わせていませんでした。

そのため、作曲に関しても非常にマイペースだったといいます。

ただ、のんびりとした作曲活動のなかで生まれた作品はいずれも、才能を感じさせる秀作ばかり!

本記事では、そんなリャードフが遺した作品のなかから、彼が演奏を得意としていたピアノのための作品をご紹介します。

【リャードフのピアノ曲】怠け者の秀才が手掛けたピアニスティックな名作(11〜20)

ポーランドの民謡の主題による変奏曲 Op.51Anatoly Lyadov

リャードフ: ポーランドの民謡の主題による変奏曲,Op.51 Pf.花田えり佳:Hanada,Erika
ポーランドの民謡の主題による変奏曲 Op.51Anatoly Lyadov

ロシアのサンクトペテルブルクで生まれ、若い頃から高い音楽的才能を発揮していたアナトーリ・リャードフ。

洗練された技術と繊細な感性を持ち合わせた彼の作品は、ロシア音楽史に残る貴重な存在です。

彼がピアノのために遺した名曲には、ポーランドの民謡をモチーフにした変奏曲『ポーランドの民謡の主題による変奏曲 Op.51』があります。

主題を巧みに変奏しながら展開される華麗なパッセージと、感傷的で叙情的なメロディが織りなす詩的な世界。

リャードフならではの色彩感あふれる音楽は、クラシック音楽を愛するすべての人々の心をつかんで離しません。

マリオネット Op.29Anatoly Lyadov

Anatoly Lyadov: Marionettes, Op. 29 (Solovieva)
マリオネット Op.29Anatoly Lyadov

ロシアの作曲家アナトーリ・リャードフは、若くして音楽的才能を発揮しましたが、のんびりとした性格で作曲活動は非常にマイペースでした。

それでも生み出す作品は才能あふれる秀作ばかり。

『マリオネット Op.29』は、彼の繊細で詩的な作曲スタイルを反映した親しみやすいメロディが特徴です。

1892年に作曲されたこの曲は、透明感のある牧歌的な曲想が心地よく、聴く者を優しく包み込むでしょう。

ロマン主義的な美しさにあふれた本作は、穏やかなひとときに寄り添う1曲。

ピアノ愛好家はもちろん、ロシア音楽に興味のある方にもオススメしたい作品です。

練習曲 変イ長調 Op.5Anatoly Lyadov

Anatoly Lyadov – Etude Op. 5 (audio + sheet music)
練習曲 変イ長調 Op.5Anatoly Lyadov

アナトーリ・リャードフは、1855年にサンクトペテルブルクで生まれ、音楽一家に育ちながら才能を発揮し、ニコライ・リムスキー=コルサコフに師事しました。

洗練されたピアノ小品で名高い彼の『練習曲』は、ロマン派の影響を感じさせつつ、繊細なタッチと表情豊かな音楽性が魅力です。

アレグロ・マ・ノン・トロッポのテンポで演奏されるこの曲は、技巧的な要求もありますが、美しい旋律を歌うように弾くことが大切でしょう。

ロシアの音楽を愛する人や、繊細で美しいピアノ曲を探している人にオススメの1曲です。

2つの小品 Op.31 第2曲「前奏曲」Anatoly Lyadov

ロシア後期ロマン派を代表する作曲家のひとり、アナトーリ・リャードフ。

サンクトペテルブルク音楽院でリムスキー=コルサコフに師事し、優れた作曲家としての才能を開花させました。

リャードフの『2つの小品 Op.31』に収められた第2曲は、彼の繊細で美しい音楽世界を感じさせる名品です。

ゆったりとしたテンポで奏でられる旋律は、どこか物悲しげでありながら温かみのある響きを生み出しています。

深い憂いを帯びた中間部を経て、再び落ち着きを取り戻す再現部は、彼の豊かな感性と高度な作曲技法のたまものでしょう。

ロマン派のピアノ小品にご興味のある方には、ぜひ演奏していただきたい1曲です。

練習曲と3つの前奏曲 Op.40 第3曲「前奏曲」Anatoly Lyadov

サンクトペテルブルグの名門音楽一家に生まれたリャードフは、幼少期から並外れた才能を発揮しました。

ロシア国立音楽院でリムスキー=コルサコフに師事し、作曲と教育の道を歩みます。

彼の作品はロシアの民俗的要素を色濃く反映した、繊細で詩情豊かな音楽性が特徴。

『練習曲と3つの前奏曲』の第3曲に収められた前奏曲は、彼らしい叙情的な美しさが凝縮された佳作です。

リャードフの世界観に触れたいピアノ経験者の方に、ぜひ弾いていただきたい作品です。

おわりに

音楽院の授業を欠席したり、教べんをとっていた音楽院をクビになったりなと、音楽に対してそれほど積極的ではなかったというアナトーリ・リャードフ。

しかし、遺された作品はいずれも、彼の楽才を感じさせる完成度の高いものばかりです。

やる気を奮い起こさなくてもあふれ出てしまうその才能を、作品を通して感じてみてはいかがでしょうか?