世界のタケミツと称された現代音楽家、武満徹の人気曲ランキング
終戦後に独学で音楽を始め、1950年に前衛作曲家としてデビューを果たした現代音楽家、武満徹さん。
1960年代には数々の映画音楽を手がけ、そのすべてが高い評価を得るなど、日本の音楽界に大きな影響を与えました。
また、和楽器を取り入れた楽曲『ノヴェンバー・ステップス』がアメリカやカナダを中心に海外で話題を集めたことにより、世界的な作曲家として認知されています。
今回は、そんな武満徹さんの人気曲ランキングをご紹介しますので、その前衛的な音楽を楽しんでみてくださいね。
世界のタケミツと称された現代音楽家、武満徹の人気曲ランキング(1〜10)
ノヴェンバー・ステップス武満徹1位

日本の作曲家、武満徹さんの『ノヴェンバー・ステップス』。
琵琶、尺八とオーケストラのための作品として作曲された本作によって、武満さんは世界的に広く知られることとなりました。
西洋楽器と和楽器の融合という新しい境地を開いたこの作品。
当初は『ウォーター・リング』というタイトルが付けられていましたが、「浴槽」を連想させるとの意見や初演が11月に行われる事情から、11月を意味するタイトルに変更されたそうです。
秋をイメージした作品ではないようですが、尺八のかすれた音が何となく落ち葉のこすれる音に聴こえるような気がしませんか?
アステリズム武満徹2位

20世紀を代表する現代音楽の作曲家、武満徹さん。
『アステリズム』は、彼の代表作の一つに数えられるピアノ協奏曲で、オーケストラの強烈なクレッシェンドに対し、ピアノは断片的なモチーフを奏でながら全曲を締めくくります。
武満独自の手法で、西洋音楽と日本の伝統音楽が絶妙に融合された芸術性の高い作品。
静寂を重んじ、素材本来の響きを生かした音楽は、聴く者の心に深く染み入ります。
現代音楽に親しみのある方はもちろん、初めて武満作品に触れる方にもオススメしたい珠玉の1曲です。
ノヴェンバー・ステップス 第十段武満徹3位

日本の現代音楽を世界に知らしめた、武満徹さんによる画期的な作品です。
西洋のオーケストラと日本の伝統楽器を融合させるのではなく、あえて対峙させることで、それぞれの音の持つ異質な美しさが際立ちます。
武満さんが「垂直に樹のように起る」と表現した尺八の音色は、まるで静寂のなかにすっくと立つ1本の竹のような、孤高の精神性を感じさせます。
この楽曲は1967年11月、ニューヨーク・フィルハーモニックの委嘱作品として初演され、1970年の万国博覧会でも演奏されました。
ピアノ・ディスタンス武満徹4位

日本を代表する現代音楽の作曲家、武満徹さん。
西洋と東洋の哲学を融合させ、音と沈黙を巧みに取り入れた彼の音楽は、静寂や「間」の美しさを追求しています。
『ピアノ・ディスタンス』は、武満さんの代表的なピアノ作品の一つ。
調性や規則的なリズムを排除し、独自の時間と空間の構造を持つ本作は、聴き手に非常に独特の聴覚体験を提供します。
武満さんいわく、音楽は物事を名指すだけでなく、聴き手の内面に響くべきもの。
現代音楽に興味のある方、武満ワールドの神髄に触れたい方は、ぜひ一度聴いてみてください!
フォー・アウェイ武満徹5位

武満徹は、20世紀を代表する日本人作曲家のひとり。
伝統と革新が融合した独自の世界観を確立し、国際的にも高い評価を得ています。
彼のピアノ曲『フォー・アウェイ』は、1973年に作曲されためい想的な性格の小品。
バリ島の風景や、ガムラン音楽から着想を得たこの曲は、静ひつな響きのなかに深い余韻を宿しており、聴く者の心を洗い、遠くへと誘ってくれます。
一音一音を丁寧に紡ぎながら、澄みきった静寂の世界を表現できるよう、心を込めて演奏したいですね。
現代音楽に興味のある方はもちろん、日本が誇る作曲家の作品に触れてみたい方にもオススメです。
二つのメロディ武満徹6位

戦後の日本において、現代音楽の発展に寄与した日本を代表する作曲家、武満徹さん。
歌曲や合唱曲、交響曲など幅広いジャンルの作品を遺した彼は、ピアノ作品も数多く手掛けています。
『二つのメロディ』は、武満さんが本格的に作曲を学び始める前の1948年に書かれた作品で、死後遺品のなかから発見されました。
もの悲しいメロディが印象的な本作は、彼のピアノ作品のなかでも比較的演奏しやすいため、武満作品初挑戦の方にもオススメです。
二つのレント武満徹7位

武満徹さんが若手作曲家時代に生み出した初期の作品『二つのレント』。
この作品にはすでに彼独特のめい想的な雰囲気と、東洋と西洋の音楽を融合させる感性が表れています。
静ひつで詩的なメロディは自然の風景を思わせ、穏やかでありながら深い内省の世界へと誘います。
若き日の武満さんが探求した新たな音楽の地平を感じさせる哲学的な深みをたたえた本作は、クラシック音楽ファンのみならず、現代音楽に興味のある方にもオススメ。
武満徹さんの魅力に触れられる格好の1曲といえるでしょう。