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【坂本龍一】ピアノ作品|感動&癒やしの名作をピックアップ

2023年3月28日に長年の闘病の末この世を去った、日本が世界に誇る作曲家、坂本龍一さん。

クラシック、民俗音楽、テクノポップなど、幅広いジャンルの作品を世に送り出した「世界のサカモト」の作品は、今後も多くの演奏家によって受け継がれていくことでしょう。

本記事では、そんな偉大な作曲家、坂本龍一さんの作品の中から、ピアノ曲をピックアップしました。

CMソングとして強烈なインパクトを放ったあの曲や、クリスマスソングの定番となった映画のテーマソングなど、誰もが一度は聴いたことのある作品を集めましたので、ぜひ最後までお楽しみください!

【坂本龍一】ピアノ作品|感動&癒やしの名作をピックアップ

Amore坂本龍一

1989年にリリースされた坂本龍一さんのオリジナルアルバム『ビューティー』の収録曲『Amore』は、もともと『アンドゥ』のタイトルで発表されていたトラックに、ボーカルやエレクトリック・ギターを加えた作品。

映画『ラストエンペラー』を手掛けたことで知られるイギリスの映画監督、ジェレミー・トーマスに聴かせたところ「アモーレ、アモーレ」と歌詞をつけて歌い出したことから「絶対に歌詞付きの方がいい!」とボーカルが追加されたのだそうです。

切なさが心に染みるピアノソロバージョンもすてきですので、ぜひ聴いてみてくださいね!

Aqua坂本龍一

『Aqua』は、2001年11月にリリースされた坂本龍一さんのニューエイジアルバム『BTTB』に収録された美しいピアノソロ曲です。

当初は娘の坂本美雨さんのアルバムに収録する予定でしたが、カバーバージョンのほうが先に世に出たという珍しい作品です。

シンプルなコード進行で構成されたメロディは心に染みわたり、静けさに満ちた優雅な世界観を醸し出します。

2023年公開の映画『怪物』ではサウンドトラックとしても活躍し、心を大きく揺さぶる1曲となっています。

穏やかで繊細な曲想が特徴なので、ゆったりと落ち着いた空間で演奏するのがオススメです。

Intermezzo坂本龍一

クラシック、民俗音楽、テクノポップなど、多岐にわたるジャンルで独創的な作品を生み出し続けた坂本龍一さん。

アルバム『BTTB』に収録されている『Intermezzo』は、ロマン派の作曲家ヨハネス・ブラームスの『インテルメッツォ』をイメージさせる曲想で知られる、坂本さんならではの解釈と工夫が随所に光る1曲です。

子供の頃からブラームスの音楽性が好きだったという坂本さん。

テクノポップでも世界的ヒット曲を生み出してきた彼ですが、こういったクラシック音楽をルーツに持つ名曲も必聴ですよ。

Before Long坂本龍一

坂本龍一さんによるピアノ曲『Before Long』は、穏やかで繊細な雰囲気が魅力的な1曲。

1996年にリリースされた名盤『NEO GEO』の冒頭に収録された本作は、アメリカの音楽プロデューサー、ビル・ラズウェルさんから「前奏曲のようなものを」との依頼を受けて作られました。

優美なピアノの旋律と心地よいシンセサイザーのサウンドが織りなすメロディは、静かな時の流れを感じさせる余韻を兼ね備え、聴く者の心に深く染みわたります。

シンプルながらも、坂本龍一さん独自の音世界を存分に堪能できる1曲といえるでしょう。

andante坂本龍一

作曲家・坂本龍一さんの最晩年のアルバム『12』に収録された『andante』は、生の鼓動を感じさせるようなシンプルで美しいピアノ作品です。

「andante」は「ゆっくりと、穏やかに」という意味を持つ言葉で、この曲の世界観を的確に表現しています。

寂しげなメロディからは、坂本さんの闘病生活に向き合う姿勢が垣間見え、まるでその心の機微を音で表したかのよう。

一貫したテンポと余韻の残るタッチにより、曲の持つ優雅な気品が際立っています。

生命力あふれる旋律と静寂が同居し、聴く人をめい想的な世界へと導く、生と死について考えさせられる作品といえるでしょう。

Mizu no Naka no Bagatelle坂本龍一

日本が世界に誇る作曲家、坂本龍一さん。

『Mizu no Naka no Bagatelle』は、2020年12月12日のオンラインピアノソロライブで演奏された楽曲で、同ライブの音源をアルバム化した『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020』にも収録されています。

坂本さんによるベスト選曲の一部とされる本作は、歌詞がないインストゥルメンタル曲。

情景を想像する中で、坂本さんの繊細かつ豊かな感性が音楽を通して伝わってくるのを感じられるでしょう。

ピアノでも弾くことのできる本作の美しさをぜひとも体感してみてください。