「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られるフランスの作曲家、エリック・サティ。
パリ音楽院在学中に指導教授から「君には才能がない」と見限られ除籍になるなど、神童やエリートの多い音楽家の世界では異例の道をたどった彼の音楽には、変わり者と称された彼の独特な世界観が淡い色彩を思わせる不思議なハーモニーとなって表れています。
本記事では、そんなサティの代表作のなかから、ピアノのために書かれた美しい楽曲の数々をご紹介いたします。
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サティのピアノ曲|音楽の異端児が手掛けたはかなく美しい作品たち(1〜10)
ワルツ-バレエÉrik Satie

20世紀音楽の鬼才と称され、独自の音楽観を貫いた作曲家、エリック・サティ。
彼が1885年に作曲したピアノ曲『ワルツ-バレエ』は、コンパクトな作品でありながら、はかないワルツのリズムと浮遊感のあるハーモニーからサティらしい独創的な音楽世界を感じられる1曲です。
型破りな作風で知られるサティですが、本作は比較的初期の作品で、彼の作曲家としての原点が垣間見える1曲といえるでしょう。
ピアノ学習者はもちろん、音楽の新しい可能性に触れたい方にもおすすめです。
ヴェクサシオンErik Satie

フランス出身の作曲家エリック・サティは、非凡な才能と独創性で知られる作曲家。
彼の人生は型破りで奇抜なエピソードに事欠きませんが、それらはサティの音楽に深い影響を与えました。
『ヴェクサシオン』は、1893年の恋人との別れを経て作曲されたとされている作品で、サティの内面が色濃く映し出されています。
そしてなんといっても特徴的なのは、840回もの反復を指示する常軌を逸した試み!
彼の精神性の表れと捉えることもできる本作で、集中力と体力の限界に挑戦してみては?
官僚的なソナチネÉrik Satie

独特な世界観で知られるフランスの作曲家、エリック・サティ。
『官僚的なソナチネ』はムツィオ・クレメンティのソナチネのパロディとして作曲されました。
本作は、官僚的な堅苦しさや単調さをサティならではのユーモアを交えつつ皮肉たっぷりに描いた作品で、社会への風刺が巧みに表現されています。
一方で、斬新な和声やリズムを用いることで、古い音楽の型を打ち破る意欲も感じられます。
音楽と社会に革新をもたらしたいという、サティの熱い思いに触れてみてはいかがでしょうか。
「星たちの息子」の3つの前奏曲Erik Satie

音楽界の異端児と称された作曲家エリック・サティが1891年に手掛けた『「星たちの息子」の3つの前奏曲』は、彼の音楽キャリアの転機となった重要な作品です。
神秘的な雰囲気を醸し出すこの曲には、サティ独自の実験的アプローチが顕著に表れており、ミニマリズム音楽の先駆けとも評されています。
一風変わった演奏指示とともに、小節線や拍子記号を排除した楽譜を用いて演奏される本作は、耳慣れない響きをもたらします。
ゆったりと心にしみわたる旋律に身を委ねながら、この曲に込められた深遠なるメッセージを感じ取ってみてはいかがですか?
ピカディリー(マーチ)Érik Satie

独特な世界観と奇抜なアイデアで知られる作曲家エリック・サティが手掛けた『ピカディリー』。
サティは音楽院を中退後、カフェやキャバレーでピアニストとして音楽活動を行う傍ら、作曲家としてのキャリアを積み重ねていきました。
本作は、そんな下積み時代に生み出された作品の一つです。
生活のために書かれた曲ゆえ、サティの創造性を犠牲にすることなく大衆の心をつかむための工夫が随所にちりばめられています。
一見無邪気に聴こえるメロディには、当時のモンマルトルの雰囲気が色濃く反映されており、聴いているだけで街に迷い込んだかのような錯覚に陥ります。
また、リズムやスタイルはサティの後の作品にも引き継がれ、『パレード』や『ラ・ベル・エクサントリーク』といった傑作を生み出すきっかけとなりました。
街を練り歩く人々を眺めながら、想像の翼を広げてみてはいかがでしょうか。
幻想ワルツÉrik Satie

「音楽界の異端児」と称されるサティの楽曲の中でも、特に独特な美しさを放つ『幻想ワルツ』。
彼の初期の作品に位置付けられるこのピアノ曲は、軽快で遊び心にあふれたメロディと、夢幻的な雰囲気を醸し出すハーモニーが絶妙なバランスを保っています。
一聴しただけではつかみづらいその音楽性は、サティならではの革新性と詩的な感性に裏打ちされたもの。
ピアノ独奏のためのこの小品を通して、彼独自の音楽言語に触れてみてはいかがでしょうか。
グノシェンヌ第1番Erik Satie

ひとくちに暗い楽曲といっても、その種類はさまざま。
悲劇的なものもあれば、美しさを感じさせるものまであるわけですが、今回はシュールで暗い作品をオススメしたいと思います。
それが、こちらの『グノシェンヌ第1番』。
作曲したのは、シュールな曲調で知られる音楽界の異端児、エリック・サティ。
まるで迷宮に迷い込んだかのような淡々とした無機質なメロディーが秀逸です。
悲しみに浸りたいというよりは、考え込みたいときなどにピッタリな1曲といえるのではないでしょうか。






