「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られるフランスの作曲家、エリック・サティ。
パリ音楽院在学中に指導教授から「君には才能がない」と見限られ除籍になるなど、神童やエリートの多い音楽家の世界では異例の道をたどった彼の音楽には、変わり者と称された彼の独特な世界観が淡い色彩を思わせる不思議なハーモニーとなって表れています。
本記事では、そんなサティの代表作のなかから、ピアノのために書かれた美しい楽曲の数々をご紹介いたします。
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サティのピアノ曲|音楽の異端児が手掛けたはかなく美しい作品たち
グノシエンヌ第3番NEW!Erik Satie

この楽曲は、1893年に音楽誌で初めて紹介された作品で、楽譜に小節線がないのが大きな特徴です。
左手は古代の儀式を思わせるような静かなリズムを繰り返し、その上で右手がどこか掴みどころのない旋律を奏でます。
「Avec étonnement」(驚きとともに)といったユニークな指示が奏者の解釈に委ねられ、聴くたびに異なる表情を見せてくれますよ。
映画『ユマ・フォア』でも効果的に使われました。
本作が持つ瞑想的な響きは、心の奥に沈んだ感情と静かに向き合いたい夜にぴったりです。
ワルツ-バレエÉrik Satie

20世紀音楽の鬼才と称され、独自の音楽観を貫いた作曲家、エリック・サティ。
彼が1885年に作曲したピアノ曲『ワルツ-バレエ』は、コンパクトな作品でありながら、はかないワルツのリズムと浮遊感のあるハーモニーからサティらしい独創的な音楽世界を感じられる1曲です。
型破りな作風で知られるサティですが、本作は比較的初期の作品で、彼の作曲家としての原点が垣間見える1曲といえるでしょう。
ピアノ学習者はもちろん、音楽の新しい可能性に触れたい方にもおすすめです。
ヴェクサシオンErik Satie

フランス出身の作曲家エリック・サティは、非凡な才能と独創性で知られる作曲家。
彼の人生は型破りで奇抜なエピソードに事欠きませんが、それらはサティの音楽に深い影響を与えました。
『ヴェクサシオン』は、1893年の恋人との別れを経て作曲されたとされている作品で、サティの内面が色濃く映し出されています。
そしてなんといっても特徴的なのは、840回もの反復を指示する常軌を逸した試み!
彼の精神性の表れと捉えることもできる本作で、集中力と体力の限界に挑戦してみては?
「星たちの息子」の3つの前奏曲Erik Satie

音楽界の異端児と称された作曲家エリック・サティが1891年に手掛けた『「星たちの息子」の3つの前奏曲』は、彼の音楽キャリアの転機となった重要な作品です。
神秘的な雰囲気を醸し出すこの曲には、サティ独自の実験的アプローチが顕著に表れており、ミニマリズム音楽の先駆けとも評されています。
一風変わった演奏指示とともに、小節線や拍子記号を排除した楽譜を用いて演奏される本作は、耳慣れない響きをもたらします。
ゆったりと心にしみわたる旋律に身を委ねながら、この曲に込められた深遠なるメッセージを感じ取ってみてはいかがですか?
官僚的なソナチネÉrik Satie

独特な世界観で知られるフランスの作曲家、エリック・サティ。
『官僚的なソナチネ』はムツィオ・クレメンティのソナチネのパロディとして作曲されました。
本作は、官僚的な堅苦しさや単調さをサティならではのユーモアを交えつつ皮肉たっぷりに描いた作品で、社会への風刺が巧みに表現されています。
一方で、斬新な和声やリズムを用いることで、古い音楽の型を打ち破る意欲も感じられます。
音楽と社会に革新をもたらしたいという、サティの熱い思いに触れてみてはいかがでしょうか。