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サティのピアノ曲|音楽の異端児が手掛けたはかなく美しい作品たち

「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られるフランスの作曲家、エリック・サティ。

パリ音楽院在学中に指導教授から「君には才能がない」と見限られ除籍になるなど、神童やエリートの多い音楽家の世界では異例の道をたどった彼の音楽には、変わり者と称された彼の独特な世界観が淡い色彩を思わせる不思議なハーモニーとなって表れています。

本記事では、そんなサティの代表作のなかから、ピアノのために書かれた美しい楽曲の数々をご紹介いたします。

サティのピアノ曲|音楽の異端児が手掛けたはかなく美しい作品たち(6〜10)

ジュ・トゥ・ヴーErik Satie

ジュ・トゥ・ヴー(サティ)Satie – Je te veux – pianomaedful
ジュ・トゥ・ヴーErik Satie

フランスの作曲家エリック・サティは、ドビュッシーやラヴェルなどの同時代の作曲家たちとは一線を画した独自の音楽スタイルで知られています。

パリ音楽院時代の挫折を経て、モンマルトルのカフェでピアニストとして働きながら作曲活動を続け、実験的な作品を数多く生み出しました。

なかでもサティの代表曲として知られるのが、声楽とピアノのために書かれた『ジュ・トゥ・ヴー』。

官能的な歌詞に乗せて奏でられるワルツのメロディは、どこか懐かしさと感傷を感じさせます。

ロマンティックでありながら、どこか毒のある大人の恋を思わせる雰囲気をまとった名曲を、ピアノ演奏でもお楽しみください。

5つのノクチュルヌ 第3番Érik Satie

「音楽界の異端児」との異名を持つフランスの作曲家エリック・サティ。

パリ音楽院時代、指導教授から「君には才能がない」と除籍になったサティの人生は、エリートが多い音楽家とは一風変わったものでした。

そんな彼の独特な世界観は、淡い色彩を思わせる不思議なハーモニーとして音楽に反映されています。

1919年に書かれたピアノ曲『5つのノクチュルヌ』もまた、サティならではの音楽的探究心と創造性が発揮された作品。

なかでも第3番は、厳粛さや人間離れした冷徹さをたたえた曲調が特徴的です。

静かでありながら、どこか毒々しくも感じられるそのたたずまいは、サティ音楽の神髄ともいえるでしょう。

ジムノペディ 第1番Érik Satie

フランスの作曲家エリック・サティが1888年に作曲した『ジムノペディ』。

なかでも、印象派の絵画のような淡い雰囲気の第1番は広く親しまれており、サティの作品中で特に耳にする機会の多い作品です。

聴いている印象以上に和声が複雑なため、はじめは譜読みに戸惑うかもしれません。

ただ、この和声がサティの作品の特徴であり魅力的なポイントですので、一つひとつの音を覚えるというより、響きを体に覚え込ませる感覚で練習を進めてみましょう!

サティのピアノ曲|音楽の異端児が手掛けたはかなく美しい作品たち(11〜15)

グノシェンヌ第1番Erik Satie

ひとくちに暗い楽曲といっても、その種類はさまざま。

悲劇的なものもあれば、美しさを感じさせるものまであるわけですが、今回はシュールで暗い作品をオススメしたいと思います。

それが、こちらの『グノシェンヌ第1番』。

作曲したのは、シュールな曲調で知られる音楽界の異端児、エリック・サティ。

まるで迷宮に迷い込んだかのような淡々とした無機質なメロディーが秀逸です。

悲しみに浸りたいというよりは、考え込みたいときなどにピッタリな1曲といえるのではないでしょうか。

犬のためのぶよぶよした前奏曲Erik Satie

Erik Satie ~1912~ Véritables Préludes Flasques (Pour un chien)
犬のためのぶよぶよした前奏曲Erik Satie

エリック・サティ独特の世界観とユーモアが反映された『犬のためのぶよぶよとした前奏曲』。

奇抜なタイトルからは想像もつかないような、引き締まった筆致でつづられた4つの小品には、アルカイックな雰囲気とともに、作曲家の深い愛情が感じられます。

一風変わった題名にひかれて手にした人も、その音楽に触れた瞬間、サティの独創的な感性に魅了されるはず。

ぜひ実際に演奏しながら、唯一無二の世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。

梨の形をした3つの小品Erik Satie

Erik Satie ~1903~ Trois Morceaux en Forme de Poire
梨の形をした3つの小品Erik Satie

「音楽界の異端児」と呼ばれた作曲家、エリック・サティ。

パリ音楽院在学中は「才能がない」と除籍になるなど、型破りな人生を歩みました。

そんなサティが手掛けた『梨の形をした3つの小品』は、彼の独特な音楽観が凝縮された作品です。

1903年にピアノ連弾曲として作曲され、1912年にモーリス・ラヴェルらによって初演されました。

サティ特有の淡い色合いと、どこか懐かしさを感じさせるハーモニーが心地よい本作は、ピアノを学ぶ方はもちろん、クラシック音楽になじみのない方にもぜひ聴いていただきたい1曲です。

金の粉Erik Satie

Erik Satie “Poudre d’Or”  サティ『金の粉』 piano solo こもも
金の粉Erik Satie

「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」などと称され、独特の音楽スタイルで知られるエリック・サティ。

彼の作品は、シンプルさと直接性を持ちながら、伝統的な音楽の枠組みを超えた革新的な性質を備えています。

1902年に作曲されたピアノ曲『金の粉』は、サティのユーモアと軽妙さが込められた魅力的な作品です。

ワルツをベースにしつつ、彼独自の解釈が加えられ、想像力豊かな音楽の旅へと聴き手を誘います。

サティの挑戦的な精神が生み出したこの曲は、彼の音楽的才能と創造力の証といえるでしょう。