サティのピアノ曲|音楽の異端児が手掛けたはかなく美しい作品たち
「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られるフランスの作曲家、エリック・サティ。
パリ音楽院在学中に指導教授から「君には才能がない」と見限られ除籍になるなど、神童やエリートの多い音楽家の世界では異例の道をたどった彼の音楽には、変わり者と称された彼の独特な世界観が淡い色彩を思わせる不思議なハーモニーとなって表れています。
本記事では、そんなサティの代表作のなかから、ピアノのために書かれた美しい楽曲の数々をご紹介いたします。
- Erik Satieの人気曲ランキング【2025】
- ピアノで弾けたらかっこいい!魅力抜群の名曲たちをピックアップ
- 【デュティユーのピアノ曲】20世紀後半のフランスを代表する作曲家による名作
- 【本日のピアノ】繊細な音色で紡がれる珠玉の名曲・人気曲
- 【ピアノ発表会】中学生におすすめ!クラシックの名曲を一挙紹介
- 【印象派】色彩豊かなピアノの名曲を厳選~ドビュッシー・ラヴェル~
- 【クラシック】アルペジオがかっこいいピアノ曲まとめ
- 【シャミナードのピアノ曲】女性作曲家が手掛けた繊細かつ大胆な名曲たち
- 【クラシック】有名ピアノ作品|一生に一度は弾きたい珠玉の名曲たち
- 【難易度低め】ラフマニノフのピアノ曲|挑戦しやすい作品を厳選!
サティのピアノ曲|音楽の異端児が手掛けたはかなく美しい作品たち
ピカディリー(マーチ)Érik Satie

独特な世界観と奇抜なアイデアで知られる作曲家エリック・サティが手掛けた『ピカディリー』。
サティは音楽院を中退後、カフェやキャバレーでピアニストとして音楽活動を行う傍ら、作曲家としてのキャリアを積み重ねていきました。
本作は、そんな下積み時代に生み出された作品の一つです。
生活のために書かれた曲ゆえ、サティの創造性を犠牲にすることなく大衆の心をつかむための工夫が随所にちりばめられています。
一見無邪気に聴こえるメロディには、当時のモンマルトルの雰囲気が色濃く反映されており、聴いているだけで街に迷い込んだかのような錯覚に陥ります。
また、リズムやスタイルはサティの後の作品にも引き継がれ、『パレード』や『ラ・ベル・エクサントリーク』といった傑作を生み出すきっかけとなりました。
街を練り歩く人々を眺めながら、想像の翼を広げてみてはいかがでしょうか。
ジュ・トゥ・ヴーErik Satie

フランスの作曲家エリック・サティは、ドビュッシーやラヴェルなどの同時代の作曲家たちとは一線を画した独自の音楽スタイルで知られています。
パリ音楽院時代の挫折を経て、モンマルトルのカフェでピアニストとして働きながら作曲活動を続け、実験的な作品を数多く生み出しました。
なかでもサティの代表曲として知られるのが、声楽とピアノのために書かれた『ジュ・トゥ・ヴー』。
官能的な歌詞に乗せて奏でられるワルツのメロディは、どこか懐かしさと感傷を感じさせます。
ロマンティックでありながら、どこか毒のある大人の恋を思わせる雰囲気をまとった名曲を、ピアノ演奏でもお楽しみください。
幻想ワルツÉrik Satie

「音楽界の異端児」と称されるサティの楽曲の中でも、特に独特な美しさを放つ『幻想ワルツ』。
彼の初期の作品に位置付けられるこのピアノ曲は、軽快で遊び心にあふれたメロディと、夢幻的な雰囲気を醸し出すハーモニーが絶妙なバランスを保っています。
一聴しただけではつかみづらいその音楽性は、サティならではの革新性と詩的な感性に裏打ちされたもの。
ピアノ独奏のためのこの小品を通して、彼独自の音楽言語に触れてみてはいかがでしょうか。
ジムノペディ 第1番Érik Satie

フランスの作曲家エリック・サティが1888年に作曲した『ジムノペディ』。
なかでも、印象派の絵画のような淡い雰囲気の第1番は広く親しまれており、サティの作品中で特に耳にする機会の多い作品です。
聴いている印象以上に和声が複雑なため、はじめは譜読みに戸惑うかもしれません。
ただ、この和声がサティの作品の特徴であり魅力的なポイントですので、一つひとつの音を覚えるというより、響きを体に覚え込ませる感覚で練習を進めてみましょう!
5つのノクチュルヌ 第3番Érik Satie

「音楽界の異端児」との異名を持つフランスの作曲家エリック・サティ。
パリ音楽院時代、指導教授から「君には才能がない」と除籍になったサティの人生は、エリートが多い音楽家とは一風変わったものでした。
そんな彼の独特な世界観は、淡い色彩を思わせる不思議なハーモニーとして音楽に反映されています。
1919年に書かれたピアノ曲『5つのノクチュルヌ』もまた、サティならではの音楽的探究心と創造性が発揮された作品。
なかでも第3番は、厳粛さや人間離れした冷徹さをたたえた曲調が特徴的です。
静かでありながら、どこか毒々しくも感じられるそのたたずまいは、サティ音楽の神髄ともいえるでしょう。